「比叡山鉄道線」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
出典追加、記述の修正。
80行目:
 
== 歴史 ==
比叡山のケーブルカーは比叡登山軽便電軌鉄道が1912年(明治45年)5月7日<ref>[{{NDLDC|2952021/10}} 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1912年5月9日](国立国会図書館デジタルコレクション)</ref>に坂本村-比叡山根本中堂間に鋼索鉄道の免許状が下付されているが翌年には失効<ref>[{{NDLDC|2952526/12}} 「軽便鉄道免許失効」『官報』1913年12月27日](国立国会図書館デジタルコレクション)</ref>している。その後比叡山延暦寺への参詣、避暑などの観光目的に1919年(大正8年)には地元「大津電気軌道(現・[[京阪石山坂本線]])」や京都・大阪の有力者が中心とした比叡山鋼索鉄道株式会社・叡山電気株式会社が施設を出願し競合していたが、1922年(大正11年)11月に「比叡登山鉄道株式会社」として3社が合同して出願し、1924年(大正13年)4月鉄道免許状が下付され10月に会社が創立された{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|p=13}}。社名は1926年(昭和元年)12月27日に「比叡山鉄道株式会社」に改められている{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|p=14}}。建設にあたり延暦寺からは土地は売却せず線路や駅舎用地は貸与する。山上駅は寺の浄域から離れたところとし線路は遠くから見えないようにする。貸した土地に茶店等を設ける時は寺の許可とし茶店での宿泊はさせない。という条件がつけられた<ref>「リニューアルした坂本ケーブル」『[[とれいん (雑誌)]]』No.225</ref>。
 
1927年(昭和2年)の開業時、「日本名物東洋最大 坂本カラ比叡山中堂マデケーブルカー11分デ登レル」との絵地図つきのチラシが配られた。1929年(昭和4年)頃には西村宇一画による英文の案内が作られていたことから日本国内だけでなく国外からの観光客も想定していた。今も比叡山鉄道が所蔵している、ケーブルカー利用者の芳名録には[[山本権兵衛]]・[[犬養毅]]・[[近衛文麿]]などの名前が書かれている{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|p=46}}
 
そして[[太平洋戦争]]がおこると1945年(昭和20年)3月には営業を休止させられ山頂側の延暦寺駅そばに特攻機射出[[カタパルト]]が建設されることになり5月には全施設が[[大日本帝国海軍|海軍]]に接収された{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|p=19}}。車両は資材運搬に客室を取り払って資材・特攻機[[桜花 (航空機)|桜花]]運搬用ケーブルカーとして使われたが、特攻機が投入される前に終戦を迎えたためカタパルトは一度も使用されること無く、カタパルトは戦後米軍の手で爆進駐前にされた{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|p=19}}
 
終戦後、返還されたケーブルカーを旅客用に修復して1946年(昭和21年)8月に営業再開{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|p=21}}。のちに1号車「紫雲」・2号車「瑞雲」との名前がつけられた。そして1958年に鋼製の2代目車両に取り替えられた。さらに1992年(平成4年)9月より巻き上げ機の取り替え・3代目車両の導入など、大規模なリニューアル工事が行われ1993年7月24日にリニューアル工事が竣工した{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|p=28}}
 
=== 年表 ===
*1924年(大正13年)4月4日 比叡登山鉄道に対し鉄道免許状下付<ref>[{{NDLDC|2955632/6}} 「鉄道免許状下付」『官報』1924年4月8日](国立国会図書館デジタルコレクション)</ref>
*1924年(大正13年)10月 比叡登山鉄道株式会社設立<ref>[{{NDLDC|936471/539}} 『日本全国諸会社役員録. 第34回』](国立国会図書館デジタルコレクション)</ref>
*1926年(昭和元年)12月27日 比叡登山鉄道から比叡山登山鉄道に社名変更届出<ref>[{{NDLDC|1022003/12}} 『鉄道統計資料. 昭和元年 第3編 監督』](国立国会図書館デジタルコレクション)</ref>
*[[1927年]](昭和2年)[[3月15日]] 坂本(現在のケーブル坂本) - 叡山中堂(現在のケーブル延暦寺)間が開業<ref>[{{NDLDC|2956525/4}} 「地方鉄道運輸開始」『官報』1927年3月23日](国立国会図書館デジタルコレクション)</ref>。
*[[1945年]](昭和20年)
**[[3月2019日]] [[不要不急線]]として旅客営業を休止{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|pp=48-55}}
*1945年(昭和20年)5*5月 海軍に接収され、車両は比叡山に設置される特攻機射出用カタパルトへの特攻機運搬用の貨車に改造される{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|pp=48-55}}
*[[1946年]](昭和21年)[[8月87日]] 運行再開{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|pp=48-55}}
*[[1949年]](昭和24年)3月15日 裳立山遊園地駅(現在のもたて山駅)開業{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|pp=48-55}}
*[[1958年]](昭和33年) 全鋼製の2代目車両に更新{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|pp=48-55}}
*[[1974年]](昭和49年)[[1月15日]] 坂本駅をケーブル坂本駅に、裳立山遊園地駅をもたて山駅に、叡山中堂駅をケーブル延暦寺駅に改称{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|pp=48-55}}
*[[1984年]](昭和59年)[[4月26日]] ほうらい丘駅開業{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|pp=48-55}}
*[[1992年]](平成4年)9月 全面リニューアル工事が始まる。
*[[1993年]](平成5年)
**[[6月1日]] 巻き上げ機・ケーブルカー車両取り替えのために全面運休に{{Sfn|比叡山鉄道株式会社|2003|pp=48-55}}
*1993年(平成5年)*[[7月24日]] リニューアル工事竣工、営業再開。3代目車両運行開始。
*[[2003年]](平成15年)[[4月1日]] スルッとKANSAI対応カードで利用可能となる<ref>{{Cite journal|和書 |title = 鉄道記録帳2003年4月 |date = 2003-07-01 |journal = RAIL FAN |issue = 7 |volume = 50 |publisher = 鉄道友の会 |page = 23 }}</ref>。
*[[2006年]](平成18年) 車内照明などの電源を蓄電池化。
321 ⟶ 323行目:
*今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳 9号 関西2』新潮社、2009年、p.40 - 年表節
*東洋電機製造株式会社『東洋電機技報』第115号([[#外部リンク|外部リンク節]]参照)
*{{Cite book|和書|author=比叡山鉄道株式会社 |title=比叡山鉄道開業75周年 坂本ケーブル75年のあゆみ |year=2003 |publisher=比叡山鉄道 |ref=harv}}
 
== 関連項目 ==