「細胞小器官」の版間の差分

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細胞小器官の呼称は、[[顕微鏡]]技術の発達に従い、それぞれの器官の同定が進むとともに産まれた概念である。したがってどこまでを細胞小器官に含めるかについては同定した経過によって下記のように混乱が見られる。細胞小器官を除いた細胞質基質についても、新たな構造や機能が認められ、細胞小器官を分類して論じることは今日ではあまり重要な意味をなさなくなってきつつある。
 
第一には、最も早い時期に同定された[[細胞核|核]]、[[小胞体]]、[[ゴルジ体]]、[[エンドソーム]]、[[リソソーム]]、[[ミトコンドリア]]、[[葉緑体]]、[[ペルオキシソーム]]等の[[生体膜]]で囲まれた構造体だけを細胞小器官と呼ぶ立場があり、またこれらはどの場合でも細胞小器官に含められている。これらを'''膜系細胞小器官'''と呼ぶ場合もある。膜系細胞小器官が内を区画することにより、色々な化学環境下での生反応を並行することを可能にしている。また膜の内外で様々な物資の濃度差を作ることができ、このことを利用してエネルギー生産([[電子伝達系]])や、物質の貯蔵などを行っている。さらに[[小胞体]]、[[ゴルジ体]]、[[エンドソーム]]、[[リソソーム]]は、[[小胞]]を介して[[細胞膜]]と連絡しあっており、この'''Endomembrane system'''と呼ばれるネットワークを通じて物質の取込み([[エンドサイトーシス]])や放出([[分泌]])を行うことで、他の細胞や細胞外とのコミュニケーションを達成している。

なおこれらのうちミトコンドリアは、独自の遺伝構造を持つことから、生物進化の過程や種の拡散において注目される場合があり、例えば[[ヒト]]では[[ミトコンドリア・イブ]]のような共通祖先も想定される。ミトコンドリアに関しては、元来別の細胞が細胞内[[共生]]したものに由来するとの説([[細胞内共生説]])が有力視されている。葉緑体に関しても共生に由来するのではないかという見方もあるが、その起源は依然不明である。
 
第二には、[[細胞骨格]]や、[[中心小体]]、[[鞭毛]]、[[繊毛]]といった非膜系のタンパク質の超複合体からなる構造体までを細胞小器官に含める場合もある。