「ギリシア悲劇」の版間の差分

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悲劇は仮面をつけた俳優と舞踊合唱隊([[コロス]])の掛け合いによって進行する。コロスの登場する舞台をオルケストラといい、劇場は円形のオルケストラを底とする、すり鉢状の形を取った。現存する最も整ったギリシアの劇場の遺構は[[エピダウロス]]に見られる。俳優は最初はひとりであったが、アイスキュロスが2人に増やした。これによってドラマチックな演出が可能となり、舞台芸能として大きく進歩したと言われる。その後にエウリピデスがもう1人増やして三人となった。
 
但し、ここで言うところの俳優とは科白のある役を演ずる者のことである。実際には「黙役(だんまり役)」と言う科白の無い役を演ずる俳優がそれ以外に登場することがある<ref>『オイディプス王』のアンティゴネー役とイズメーネー役や、『縛られたプロメテウス』の暴力役、『エレクトラ(ソポクレスの)』のピュラデス役、そして『コロノスのオイディプス』の1095行~1555〜1555行のイズメーネー役がそれに当たる。</ref><ref>テーバイ攻めの七将の1005行~1078〜1078行について、イズメーネーに科白が無いことを踏まえて「黙役」を絡めれば辻褄が合いそうに思えるが、舞台上で、しかも上演中にイズメーネー役の俳優が布告使に早変わりした上に、イズメーネー役の「黙役」俳優と咄嗟に入れ替わらなければならず、どだい無理がある。</ref>。また、当時既に子役俳優も存在したが、やはり「黙役」である<ref>例えば『トロイアの女』のアステュアナクス役がそれに当たる。</ref>。子供の役であっても科白がある場合には大人の俳優がそれを演じる。
 
==学問==
古代における悲劇論では、[[アリストテレス]]の『[[詩学]]』が、根本文献である。
 
近代でギリシア悲劇の成立について記した文献に、[[フリードリヒ・ニーチェ]]の初期代表作『音楽の精髄からの悲劇の誕生 ([[悲劇の誕生]])』があるが、ニーチェ自身の思想表明が多大で、文献学研究的には、発刊当時も今日もほぼ支持されていない。 
 
イギリスの著名な女性の[[古典学]]者、ジェーン・エレン・ハリスン(1850-1928)に、『古代芸術と祭式』がある。
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*『ソポクレース 希臘悲壯劇』 [[理想社]] [[1941年]]
*『アイスキュロス 悲壯劇』 [[生活社]] [[1943年]]
*『エウリーピデース 希臘悲壯劇』<ref>表紙及び背表紙には明記されてないが上巻である。奥付にはその旨明記されている。本来は中巻、下巻も刊行される予定だったが、中巻印刷中に版元が倒産し、その後の混乱で原稿が行方知れずとなったため、結果として上巻のみの刊行となった。</ref> [[世界文学社]] [[1949年]]<ref>レーソス、アルケースティス、メーデイア、ヒッポリュトス、ーラクレースの子供達、カベー、アンドロマケー収載</ref>
*『古典劇大系 第一卷・希臘篇(1)』 [[近代社]] [[1925年]]<ref>アイスキュロス4曲(波斯人、アガメムノーン、コイフォロイ、エウメニデス)、ソポクレス4曲(アンティゴネー、オイディポス王、コローノスのオイディポス、エーレクトラ)収載。</ref>
*『古典劇大系 第二卷・希臘篇(2)』 近代社 1925年<ref>エウリピデス6曲(アルケースチス、ヒッポリュトス、メーデイヤ、アウリスのイフィゲネイヤ、タウロイのイフィゲネイヤ、バクカイ)収載。</ref>
*『世界戯曲全集 第一卷希臘篇』 近代社<ref>正式には「近代社 [[世界戯曲全集刊行部]]」による</ref> [[1927年]]<ref>アイスキュロス5曲(波斯人、アガメムノーン、コエーポロイ、エウメニデス、縳られたプロメーテウス)、ソポクレス4曲(アンチゴネー、オイヂプース王、コロノスのオイヂプース、エーレクトラ)、エウリピデス6曲(アルケーチス、ヒッポリュトス、メーデイア、アウリスのイーフィゲネイア、タウロスのイーフィゲネイア、バクカイ)収載。</ref>
*『世界文學体系 2 ギリシア・ローマ古典劇集<ref>“朱版”“黒版”共に</ref>』 筑摩書房 [[1959年]]<ref>アイスキュロス3曲(アガメムノン、供養する女たち、慈しみの女神たち)、ソポクレス4曲(アンティゴネ、オイディプス王、コロノスのオイディプス、ピロクテテス)、エウリピデス3曲(メデイア、トロイアの女、バッコスの信女)収載。</ref>
*『ギリシア劇集』 [[新潮社]] [[1963年]]<ref>アイスキュロス2曲(アガメムノン、縛られたプロメーテウス)、ソポクレス3曲(オイディプス王、アンチゴネ、エレクトラ)、エウリピデス3曲(アウリスのイーピゲネイア、メーデイア、エレクトラ)収載。</ref>
*『世界古典文学全集 8 アイスキュロスソポクレス』 筑摩書房 [[1964年]]
*『世界古典文学全集 9 エウリピデス』 筑摩書房 [[1964年]]