「クリストファー・リー」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m ひらがなの「ぺ」→カタカナの「ペ」
39行目:
'''クリストファー・フランク・カランディーニ・リー'''(Sir Christopher Frank Carandini Lee, [[大英帝国勲章|CBE]]、[[1922年]][[5月27日]] - [[2015年]][[6月7日]])は、[[イギリス]]、[[ロンドン]]出身の映画俳優。[[怪奇映画]]の大スターとして名を馳せ、90歳を超えても生涯現役で活躍した名優である。
 
出演作は250本以上にも上り([[インターネット・ムービー・データベース]]では278本)、世界で最も多くの映画に出演した俳優として[[ギネスブック]]に記載されている。[[ドラキュラ]]伯爵役で有名となり、その後『白夜の陰獣』の[[グリゴリー・ラスプーチン|ラスプーチン]]、『[[007 黄金銃を持つ男]]』のスカラマンガ、『[[三銃士 (1973年の映画)|三銃士]]』のロシュフォールなど、特に悪役でその魅力が際だっている。193センチの長身は老いてますます威容を誇り、その威厳を『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』や『[[スター・ウォーズ]]』等の大作で遺憾なく発揮している。
 
[[ピーター・カッシング]]、[[ヴィンセント・プライス]]と並んで戦後の[[ホラー映画]]黄金期を築いた。特にカッシングとは多くの作品で共演し、ホラー映画の名コンビとして知られている。
 
== 来歴 ==
[[ウェストミンスター]]のベルグレイヴィアにて、[[:en:King's Royal Rifle Corps|第60キングスロイヤルライフル軍団]]に所属する[[陸軍中佐]]の父ジェフリー・トロロープ・リー(Geoffrey Trollope Lee)と[[イタリア王国|イタリア]]の名門貴族出身の母エステレ・マリー・リー(旧姓カランディーニ・ディ・サルサーノ)のもとに生まれる<ref>{{cite web|url=http://www.filmreference.com/film/79/Christopher-Lee.html |title=Christopher Lee Biography (1922–) |publisher=Filmreference.com |accessdate=4 October 2010-10-04}}</ref><ref>{{Cite news| url=http://www.telegraph.co.uk/opinion/main.jhtml?xml=/opinion/2002/05/19/do1910.xml | work=The Daily Telegraph | location=London | title=Merchant of menace | date=2002-05-19 May 2002 | accessdate=30 April 2010-04-30}}</ref>。カランディーニ家は[[カール大帝|シャルルマーニュ]]に遡る家系とされている<ref>{{cite web|url=https://researchmap.jp/joful0esz-18602/#_18602 |title=【評伝】クリストファー・リー氏:「怪奇俳優」を超える欧州の大俳優 |publisher=鈴村裕輔 |date=2015年6月-06-12 | accessdate=2015年6月-06-12}}</ref>。幼い時に両親が離婚したため、[[スイス]]で過ごすが、その後ロンドンに戻る。語学能力に長け、英語以外に7か国語([[フランス語]]、[[イタリア語]]、[[スペイン語]]、[[ドイツ語]]、[[スウェーデン語]]、[[ロシア語]]及び[[ギリシャ語]])を自在に話すことができると言われており、実際に英語のほか、ドイツ語、フランス語での出演も多い。
 
若い頃は193cm(196cmとも)という長身のため[[スタントマン]]や脇役が中心だった。[[ハマー・フィルム]]の[[怪奇映画]]『[[フランケンシュタインの逆襲 (1957年の映画)|フランケンシュタインの逆襲]]』では、[[フランケンシュタイン]]男爵に創造される怪物を演じたが、この時は奇怪なメイクで素顔は見せず、また台詞も無かった。そのグロテスクなメーキャップに当時のマスコミには「リーは事故をして整形手術に失敗したらしい」などと揶揄される始末だった。が、『フランケンシュタインの逆襲』が大ヒットすると、ハマー・フィルムは続いて『[[吸血鬼ドラキュラ (1958年の映画)|吸血鬼ドラキュラ]]』を制作、ここでリーはドラキュラ伯爵役を得、『吸血鬼ドラキュラ』もまた大ヒットしたことから、一躍スターとなった。この時、『フランケンシュタインの逆襲』でフランケンシュタイン男爵を、『吸血鬼ドラキュラ』で[[ヴァン・ヘルシング]]を演じたのが、ハマー・フィルムのもうひとりの看板名優、[[ピーター・カッシング]]である。
 
カッシングとは22本の映画で共演したが、『吸血鬼ドラキュラ』を含め、リーがドラキュラをカッシングがヴァン・ヘルシングを演じた共演作は3本しかない。今も尚、このリーのドラキュラ、カッシングのヴァン・ヘルシングを超える組合せは無い、とするホラーファンも多い。また二人は親友でもあり、その友情は変わることがなかった(カッシングは[[1994年]]に没した。なお、共演こそしていないがカッシングはリーが出演する以前に、『[[スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望|スター・ウォーズ エピソード4]]』に[[グランド・モフ・ウィルハフ・ターキン|ターキン総督]]役で出演している)。
 
リーの最大の当たり役はドラキュラであり、ハマー・フィルムでは合計7本の作品にドラキュラ役として出演したが、本人はドラキュラでイメージが固定されることを嫌い、ハマー・フィルムの衰退した1970年代以降は[[アメリカ合衆国|アメリカ]]に移住し、ドラキュラのイメージを払拭するべく数多くの映画に出演した(後、[[1985年]]にイギリスに帰国)。
 
小説『[[シャーロック・ホームズシリーズ]]』を基にした映画にも出演した。リーは[[マイクロフト・ホームズ]]と[[シャーロック・ホームズ]]の兄弟双方を演じた史上唯一の俳優でもある。また、ハマー・フィルム制作の『[[バスカヴィル家の犬 (1959年の映画)|バスカヴィル家の犬]]』では、ヘンリー・バスカヴィル卿を演じている(この時ホームズを演じたのはピーター・カッシングである)。
 
若い頃から[[西洋剣術|剣術]]、[[馬術]]に優れており、無名の頃には[[スタントマン]]としてその技量を発揮したが、後年[[オリヴァー・リード]]主演の『[[三銃士]]』に[[ロシュフォール]]役で出演した際にも見事なアクションを披露した。なお、スター・ウォーズシリーズでは80歳を過ぎていたため、アクションシーンは代役(あるいは[[コンピュータ・グラフィックス]]や映像加工によって、頭の部分だけ代役と挿げ替えている)である。
 
俳優としての活動のほか、その深く重々しい美声を生かした朗読、歌唱も多い。[[トールキン・アンサンブル]]とのコラボレーションCDや、[[エドガー・アラン・ポー]]作品の朗読が有名。また、コメディ映画『[[キャプテン・ザ・ヒーロー]]』では、悪の首魁ミスター・ミッドナイトを演じるに際し、その歌声と妙にノリノリのダンスを披露している。
80行目:
== 私生活 ==
[[image:Christopher Lee and Birgit Kroencke, Women's World Awards 2009.jpg|thumb|right|200px|「世界女性賞」に妻ギッテと出席するリー(2009年)]]
妻は[[デンマーク人]]のモデル、画家のギッテ・クロエンケ(Gitte Kroencke)。従兄弟に『007シリーズ』の原作者[[イアン・フレミング]]、姪に[[ハリエット・ウォルター]]がいる。 このフレミングとの親戚関係もあって、『007シリーズ』第1作『[[007 ドクター・ノオ]]』の映画化に際してフレミング自身がリーに敵方のノオ博士役を望んでいたが実現せず、結果として[[ジョセフ・ワイズマン]]がこの役を得た。
 
後に、『007シリーズ』第9作『[[007 黄金銃を持つ男]]』(原作はフレミングの遺作)で、宿敵フランシスコ・スカラマンガとしてシリーズへの出演を果たした。
159行目:
| がい骨<br />''The Skull'' || マシュー・フィリップス ||
|-
|rowspan="5"|1966 || パリの連続殺人<br />''Theatre of Death'' || フィリ ||
|-
| [[凶人ドラキュラ]] <br />''Dracula: Prince of Darkness'' || ドラキュラ伯爵||