「ガザル」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Trgbot (会話 | 投稿記録)
m アラビア語のラテン文字表記等を付加
1行目:
'''ガザル''' ([[アラビア語]]/[[ペルシア語]]/[[ウルドゥー語]]: غزل ghazal, [[ヒンディー語]]: ग़ज़ल, [[パンジャーブ語]]: ਗ਼ਜ਼ਲ, [[トルコ語]]: gazel, [[ベンガル語]]: গ়জ়ল, [[グジャラート語]]: ગ઼ઝલ )は、[[抒情詩]]の一形式をさす。
 
== 概要 ==
アラビア語の古典の定型詩に由来し、他の言語に伝わり、各地に広まった。短い定型詩であり、5詩句から10詩句が一般的である。アラビア語で「紡ぐ」を意味する語根 ghazala に由来する。[[ジャーヒリーヤ]]時代に遡る伝統的なカスィーダ詩の導入部分に起源を持ち、イスラーム時代以降は単一の主題を扱うキトア詩( قطعة qiṭ‘a 「断片詩」と訳される)の形で多くの作品が作られた。主題としては恋愛が最も多く、求愛者の片思いを歌う。感情の表現には様式化された象徴や物語が用いられる。また、[[イスラーム神秘主義]]の影響もあり、恋人を神と解釈できる場合がある。
 
現在のような詩型となったのは[[ペルシア文学]]の影響による。ペルシア・ガザルの大家としては、[[ルーダキー]]、[[ジャラール・ウッディーン・ルーミー]]、[[ハーフィズ]]がいる。[[インド]]では、ウルドゥー語によってガザルが広まった。まず南インドにおいて、南のウルドゥー語を指すダキニーを用いてインド風の表現を用いたダキニー・ガザルが作られ、中でも[[ワリー・モハメド・ワリー]]は[[デリー]]の詩壇に影響を与えた。18世紀にはペルシア文学を取り入れつつ、デリーや[[ラックナウ]]でウルドゥー・ガザルが盛んになり、[[ミール・タキー・ミール]]や[[ガーリブ]]{{Enlink|Ghalib}}らの詩人が活躍した。この他、ペルシア語やウルドゥー語の詩人[[ムハンマド・イクバール]]、ベンガル語の詩人[[カジ・ノズルル・イスラム]]{{Enlink|Kazi Nazrul Islam}}らによってガザルが作られた。
9行目:
 
== 出典・参考文献 ==
* [[ハーフィズ]]『ハーフィズ詩集』 [[黒柳恒男]]訳、〈[[平凡社東洋文庫]]〉、1976年。 - ハーフィズを中心にペルシア・ガザルの歴史を解説。
* 『ミール狂恋詩集』 [[松村光耕]]訳、〈平凡社東洋文庫〉、1999年。 - ウルドゥー・ガザルを中心にガザルの歴史を解説。
 
== 関連項目 ==
* [[アラビア語文学]]
* [[ペルシア文学]]
* {{仮リンク|ウルドゥー文学|en|Urdu literature}}