「NHK-FM放送」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
317行目:
「ラジオ深夜便」の同時放送の経緯としては、中波放送では特に日本海側に属する小出力の放送局の電波が、近隣諸外国の大出力局との混信により地元であっても聴取が困難な地域が多いため、それを補完する目的と、突発的な大災害などに備える目的で混信が少ないFM放送でも同時に放送することになったためである。
 
== 放送形態 ==
[[1988年]][[3月]]までは午前6時に始まり、翌日午前0時終了。同年[[4月]]より終了を1時間延長して翌日午前1時まで放送<ref>特別編成の場合を除き、地上波の定時編成では初めて日またぎ放送が実現した。ちなみに[[NHKラジオ第1放送|ラジオ第1放送]]は[[1992年]]、[[NHK総合テレビジョン|総合テレビ]]は[[1993年]]から定時での日またぎ放送を開始。</ref>。[[1996年]][[4月]]より[[ラジオ深夜便]]を編成する日は翌日午前5時まで放送<ref>放送機器保守点検のための放送休止や[[混信]]等による中波難聴取地域対策として開始。ラジオ第1放送が定期メンテナンス=当時は毎月第2・4月曜と、年2回(春・秋)の集中メンテナンス週間の実施日に当たる場合、午前1時から5時までFMで補完放送。この場合放送終了時の国歌の演奏はなかった。</ref>。24時間放送開始は[[1998年]][[4月]]から<ref name="放送休止日"/>
 
24時間放送実施前(24時間放送開始後も2000年6月までの放送休止日のメンテナンス明けも同)は放送開始の7分前、5:53から放送開始用の[[インターバル・シグナル]]として[[チェレスタ]]([[オルゴール]]の音色に似た楽器)の演奏が行われていたが、放送終了時は国歌演奏→IDの後のチェレスタは行われず、そのまま停波となっていた。2000年7月以後は放送休止が各局任意となったため、放送休止日のメンテナンス明けのチェレスタは行われなくなった<ref>ただし[[2012年]][[4月23日]]に[[NHK放送センター]]([[東京都]]向け)のFMが[[東京タワー]]から[[東京スカイツリー]]に送信所が変更された際には、4:53より試験電波としてチェレスタが演奏された。</ref>
 
[[識別信号|呼出符号]]は、ラジオ第1や総合テレビに併設されている場合、「JO◇◇」の後ろに「-FM」が付加される(東京:JOAK-FM、長崎:JOAG-FMなど)。大都市圏内のFM単独局([[NHK横浜放送局|横浜]]、[[NHKさいたま放送局|さいたま]]、[[NHK千葉放送局|千葉]])は、末尾に「P」(横浜:JOGP-FM、さいたま:JOLP-FM、千葉:JOMP-FMなど)が指定されている。
334行目:
[[NHK釧路放送局|釧路]]、[[NHK金沢放送局|金沢]]両局の親局では中波放送の送信所に併設されている(両局ともかつてはアナログテレビ放送設備も併設していた。)。
 
又、[[小笠原諸島]]では、[[2011年]]の放送・通信の伝送に用いられる本土と結ばれる海底光ケーブルの敷設に伴い、[[2013年]][[3月31日]]に父島・母島の両中継局が、ラジオ第1・[[NHKラジオ第2放送|ラジオ第2]]と共に設置され、放送を開始した(中波のラジオ第1・ラジオ第2もFM波で送信されている。)<ref>{{PDFlink|[http://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/newsletter/pdf/no_612.pdf 小笠原村民だより平成25年3月1日]}}p.1(小笠原村)</ref>。一方、沖縄県[[大東諸島]]は、[[2007年]][[4月1日]]にFM波を使ったNHK(ラジオ第1)・民放([[琉球放送]]・[[ラジオ沖縄]])の中波放送の中継局が設置されたものの、FM放送は現在も開局の見通しは立っていない。
。一方、沖縄県[[大東諸島]]は、[[2007年]][[4月1日]]にFM波を使ったNHK(ラジオ第1)・民放([[琉球放送]]・[[ラジオ沖縄]])の中波放送の中継局が設置されたものの、FM放送は現在も開局の見通しは立っていない。
 
大東諸島以外の本土・離島地域でも高利得アンテナなど外部のFMアンテナ(必要に応じてFM帯域に対応したブースター)を使用しない限り、携帯ラジオだけでは聴取困難となるところ(地域によっては'''[[再放送]]'''するケーブルテレビ事業者もある。)、または外部のFMアンテナを使用していてもまったく聴くことの出来ないところもごくわずかにある(現時点でのカバー率は日本国内の98%となっており、地上波テレビ・中波放送の99.9%に比べ、わずかに低い。)。なお、2011年9月1日から「NHKネットラジオ らじる★らじる」を開始したことにより、大東諸島をはじめ、これまで聴取が不可能だった地域でもFM放送の番組がパソコンなどを通じて聴取可能となった(ただし、権利上の理由で配信されない番組があるときは引き続き聴取できない。)。
350 ⟶ 349行目:
また開始当初、東京以外モノラル放送であったローカル番組も、[[1976年]]頃から各地方局のローカル番組もステレオで放送される様に工事がなされ、[[1977年]][[11月11日]]には全国のFM放送でのこの工事が完了した。これにより、平日午後6時からのローカル番組枠や土曜日午後3時10分からのFMローカルの看板番組であった「[[FMリクエストアワー]]」もステレオで楽しめるようになった。このローカル番組のステレオ化は、後にFMローカル番組が盛り上がるきっかけとなった。
 
放送開始当初は、生放送を除き収録された放送送出メディアは全て[[オープンリール]]式のアナログ・テープ(ステレオでは2トラック、テープ送り速度は秒速19cm)だったが、[[NHK放送技術研究所]]の研究・開発も手伝って、世界のFM放送の中でもいち早くPCMデジタル収録の採用・運用を行い<ref>NHKの独自収録による初のPCMデジタル収録放送は[[1977年]][[8月6日]]の東京ローカル番組での「リクエストアワー」で、[[内田光子]]の[[ピアノ]]による[[フランツ・ヨーゼフ・ハイドン|ハイドン]]作曲の[[ピアノソナタ]]だった。その後、[[1979年]]10月には、[[ヘルベルト・フォン・カラヤン|カラヤン]]指揮[[ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団|ベルリン・フィル]]の東京・[[普門館]]での公演の多くを、NHK放送技術研究所と[[三菱電機]]の共同開発によるPCMデジタル録音機(16ビット直線、サンプリング周波数:50.4kHz、固定ヘッド式、1/4インチオープンリールテープ使用、テープ速度:38cm/s、手切り編集可能)によって収録・放送。この内、[[10月21日]]に演奏された[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーベン]]の[[交響曲第9番 (ベートーヴェン)|交響曲第9番]]「合唱」については、[[2003年]][[9月26日]]に[[ユニバーサルミュージック (日本)|ユニバーサル・ミュージック]]より[[コンパクトディスク|CD]]化され(CD番号:UCCG-9396)、その他の録音のほとんども、[[2008年]]にNHKソフトウェアーから期間限定販売にてCD化された。これを契機に、[[NHK交響楽団]]演奏会を初め、国内の演奏会のPCMデジタル収録が増えた。(初期のものとしては、NHK交響楽団の演奏会の一部、[[カール・ベーム]]指揮[[ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団|ウィーン・フィル]]の[[1980年]]の来日公演などがあり、一部はCD化されている)</ref>、1995年頃には[[DAT]]の登場も手伝い全ての収録済番組の送出がデジタル化され、現在NHKのFM放送の収録済番組は一部の例外を除き、全てDATのメディアを使って送出が行われている<ref>ラジオ第1、ラジオ第2、[[短波放送]]([[NHKワールド・ラジオ日本]])の一部収録番組と、地上デジタルラジオ放送でもDATのメディアが使われていることがある。</ref>
 
2010年3月9日、日中の定時ニュースがステレオ放送となり、東京からの全ての全国向け番組がステレオ放送となった。ただし、ステレオ放送でも、ニュースや高校野球中継の様に音声はモノラルのまま放送されている番組もわずかに存在する(事実上のモノステレオ放送<ref>ただし、「[[NHKきょうのニュース]]」はBGM自体、完全なステレオ音声である。</ref>)。なお、全国向け番組が全てステレオ化されても、一部地域に於いては、ローカルニュースや高校野球中継等のモノラル音声番組はステレオ信号を出さずにモノラルのまま放送されていた地域もあるが、その地域についても設備更新にあわせて終日ステレオ放送に移行している<ref>旭川局では2012年2月6日から終日ステレオ放送に移行。</ref>。なお、地域拠点局ではローカルニュースもステレオ放送となっている。
 
ラジオ第1と[[サイマル放送]]の「[[ラジオ深夜便]]」は、NHKニュースも含め1:00-5:00はFMでは全編ステレオ放送(年1回程度、放送回線テストが行われる場合はモノラル放送となる。)。ちなみに2006年4月からラジオ第1と同編成を組むことになった12時台の番組もステレオ放送。2005年9月11日の「衆議院議員選挙開票速報」、2006年3月25日の[[北海道]]・[[東北地方]]のみ放送の[[日本プロ野球|プロ野球]][[北海道日本ハムファイターズ|日本ハム]] - [[東北楽天ゴールデンイーグルス|楽天]]の開幕戦中継もステレオ放送だった<ref>ラジオ第1が選抜高校野球中継放送のための振替放送。</ref>
 
=== 速報 ===
原則として、ニュース速報、[[気象警報]]、[[交通情報]]は一切、放送中の内容に割り込んで放送することはしない。これはラジオ第2放送も同様である。ただし「[[ひるのいこい]]」や「[[ラジオ深夜便]]」などのラジオ第1との[[サイマル放送]]の場合、ラジオ第1で放送する[[地震情報]]、交通情報、気象関連の情報<ref>記録的短時間大雨情報、土砂災害警戒情報、竜巻注意情報、局地的な災害・気象警報の発令および解除。</ref>をFMでも放送するが、場合によって放送しない場合がある。