「妖怪」の版間の差分
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[[浮世絵]]など庶民の間で親しまれた絵画の画題としても妖怪は描かれ、有名な妖怪を描いた画家に[[葛飾北斎]]、[[歌川国芳]]、[[月岡芳年]]、[[河鍋暁斎]]などがいる。また、[[土佐派]]や[[狩野派]]などの画家によって絵巻物や絵手本として『[[百鬼夜行絵巻|百鬼夜行図]]』などの[[妖怪絵巻]]も江戸時代以降、盛んに描かれた。
印刷・出版技術の発展とともに、出版文化が発達していき、[[草双紙]](赤本・黒本・青本・黄表紙<ref group="注釈">[[草双紙]]の分類の一つ。[[安永]]から[[文化 (元号)|文化]]にかけての約30年間に出版された。それまでの青本などに[[洒落本]]などの影響が加わり大人向けの言語遊戯などを取り入れた作品が多く見られた。</ref>・合巻)や[[読本]]など創作作品の題材にも妖怪は盛んに用いられた<ref>{{Cite book|和書|author=[[尾崎久弥]] 編著|title=大江戸怪奇画帖 完本・怪奇草双紙画譜|year=2001|publisher=[[国書刊行会]]|pages=5|ISBN 4-336-04341-8|}}</ref>。それらの書籍を扱う「貸本屋」の普及や利用により、庶民の中で各々の妖怪の様相が固定し、それが日本全国に広がっていった。たとえば河童に類する妖怪は江戸時代以前には、日本全国に多くの様相や解釈があったが、書籍の出版によって、それが現在も想像されているような「河童」の姿に固定されてゆく素地を形成していった<ref>{{Cite book|和書|author=石川純一郎|title=新版 河童の世界|year=1985|publisher=[[時事通信社]]|pages=27-34|
江戸時代後期には、[[かるた]]、[[すごろく]]、[[立版古]]など児童向けの[[玩具]]に類する出版物の図柄にも妖怪が用いられるようになった。これは前述のごとく出版文化の発達に伴い妖怪画が浮世絵や版本を通じて人々と身近に接する機会が増え、本来は畏怖の対象だったであろう妖怪が人々にとって親しみのあるキャラクターとしても捉えられるようになっていったことが要因の一つなのではないか、と現代の研究では考えられている。これは明治に入って以後も[[めんこ]]や[[カード]]など時代にあわせてその媒体を増やしている<ref>{{Harvnb|湯本豪一|2008|p=30-31}}</ref><ref>{{Cite book|和書|author=湯本豪一|title=今昔妖怪大鑑|year=2013|publisher=パイインターナショナル|pages=158|isbn=978-4-7562-4337-9|}}</ref>。
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