「カワサキ・KR (ロードレーサー)」の版間の差分

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* [[エンジン]] - [[水冷エンジン|水冷]][[2ストローク機関|2ストローク]][[U型エンジン#タンデム2気筒|タンデムツイン]](2気筒)
** [[排気量]] - 249cc
** [[ボア]]・[[ストローク]]内径×行程 - 54 x 54mm×54.4mm
** [[馬力|出力]] - 51ps51PS/10,650rpm(後輪出力)
 
; 1977年型の仕様<ref name="究極のレーサー p196" />
* [[エンジン]] - [[水冷エンジン|水冷]][[2ストローク機関|2ストローク]][[U型エンジン#タンデム2気筒|タンデムツイン]](2気筒、[[ロータリーバルブ]])
** 内径×行程 - 54 mm×54.5 mm
** [[ボア]]・[[ストローク]] - 54 x 54.5mm
 
=== KR350 ===
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<!-- 概要 -->
KR350は、[[#KR250|KR250]]と同じ[[シャシフレム (オートバイ)|フレーム]]と酷似した動力装置を持つ、KR250の排気量アップ拡大版である。
<!-- ロータリーバルブ -->
KR350は左側に[[ロータリーバルブ]]を配置し、[[エアインレットテーク]]には直径36mmの[[ミクニ]]の[[キャブレター]]を2基装備。
<!-- クーラント -->
[[冷却材|クーラント]]は、普通の[[2ストローク機関|2ストローク]][[エンジン]]のように[[クランクケース]]<ref>[[オートバイ|バイク]]の[[エンジン]]を構成する大きな部品の一つで、[[シリンダー]]の下部に配置されている --『[[#バイクのしくみ|図解雑学 バイクのしくみ]]』(p32)より。</ref>には送らず、[[シリンダーヘッド]]に送られるようになっており、冷えているクーラントで5ポートシリンダーのツインエキゾーストポート周囲の最も熱い部分を最初に冷却できるようになっている。このエンジンの最適運転温度は70℃である。
<!-- シャシフレ -->
[[シャシフレム (オートバイ)|フレーム]]は、当時としては標準的な[[クロムモリブデン鋼]]の[[鋼管|チューブラー]][[鋼|スチール]]シャシーである。
<!-- リアサス -->
[[リアサスペンション]]<ref>強力な[[ばね#形状|コイルスプリング]]と[[ショックアブソーバー|ダンパー]]で構成された、バイクの後輪用[[サスペンション]]のこと --『[[#バイクのしくみ|図解雑学 バイクのしくみ]]』(p182)より。</ref>は、ヤマハのような[[カンチレバー]][[モノ]][[ショックアブソーバー|ショック]]ではなく、「[[ユニトラックシステム|ユニトラック]]」と呼ばれる[[ロッカーアーム]]機構を採用した。
 
KR350の[[フレーム (オートバイ)|フレーム]]の設計は、1970年代のロードレーサーに見られた[[ハンドリング]]に癖があってライディングが難しいフレームから、よりハンドリングが良くなった1980年代のアルミシャシニウム製フレへ移り変わる過渡期のものであった。
 
フロントブレーキは、他のロードレーサーが[[ダブルディスク]]<ref>[[ホイール車輪]]の左右に[[ブレーキローター|ブレーキディスク]]を取り付けた[[ブレーキ]]装置 --『[[#バイクのしくみ|図解雑学 バイクのしくみ]]』(p166)より。</ref>を採用していたのに対し、KR350は乾燥重量を104kgに抑えることができたため、[[ブレーキローター|ブレーキディスク]]を1枚(シングルディスク)にすることができた。
 
KR350の成功には3つの理由がある。
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* [[エンジン]] - [[2ストローク機関|2ストローク]][[水冷エンジン|水冷]][[U型エンジン#タンデム2気筒|タンデムツイン]](2気筒、[[ロータリーバルブ]])
* 内径×行程 - 64 mm×54.5 mm
* [[ボア]]・[[ストローク]] - 64 x 54.5mm
<!-- * [[バルブ]] - [[ロータリーバルブ]] -->
* [[排気量]] - 349.89cc
* [[馬力|出力]] - 75bhp<ref name="bhp">brake horsepower。ブレーキ[[馬力]]のこと --『[[#英和辞典|ジーニアス英和辞典 第3版]]』より。</ref>/11,800rpm
* [[キャブレター]] - 36mm [[ミクニ]] x 2
* [[イグニッション]]<ref name="イグニッション">[[エンジン]]の点火装置のこと --『[[#英和辞典|ジーニアス英和辞典 第3版]]』より。</ref> - [[マーレエレクトリックドライブズジャパン|国産電機]] [[キャパシター・ディスチャージド・イグニッション|CDI]]
* [[トランスミッション|ギヤボックス]] - 6段
* [[クラッチ]] - [[クラッチ#湿式・乾式クラッチ|乾式]]多板
* [[フレーム形式 (オートバイ)|フレーム]] - [[鋼管|チューブラー]][[鋼|スチール]]・[[フレーム形式 (オートバイ)#クレードルフレーム|ダブルクレードル]]
* [[サスペンション]]
** [[サスペンション#前輪|フロントサスペンション]] - 直径36mm カワサキ [[テレスコピック]]
** [[サスペンション#後輪|リアサスペンション]] - アルミ角断面[[リヤサスペンション (オートバイ)#スイングアーム式|スイングアーム]] + [[ユニトラックシステム|ユニトラック]][[リンク機構|リンク]] + [[カヤバ工業KYB|カヤバ]] [[モノ]][[ショックアブソーバー|ショック]](1本サス)
* [[ブレーキ]]
** フロントブレーキ - 直径310mm [[ボグル&ブラウン]] [[鋳鉄]][[ブレーキローター|ディスク]] + カワサキ 2ピストン[[ブレーキキャリパー|キャリパー]] x 1(シングルディスク)
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==== タンデムツイン ====
{{MGP|1975}}、[[エンジン]]の[[シリンダー]]の配置は、[[前面投影面積]]を小さくするために、シリンダーを前後に配置し、[[ギヤボックトランミッション]]をその後ろに置くタンデムツインを採用した。前後に置かれた2本の[[クランクシャフト]]は[[ギヤ歯車]]によって連動し、クランクの高速回転による[[ジャイロ効果]]を低減させるために、前後のクランクは互いに逆回転し、180度の位相でエンジンを点火するように設計された。しかし、この180度クランクは問題を抱えており、KR350を駆るライダーは疲労し、エンジンや[[シャシフレム (オートバイ)|フレーム]]には振動を与えた。
 
{{MGP|1976}}は、レースではエンジンの仕様を変えず、その間、カワサキはエンジンの設計をやり直していた。
新設計のエンジンは同年シーズンの終盤のレースに250cc(KR250)で登場した。
 
{{MGP|1977}}になると350ccのタンデムツインは本格的にレースに復帰し、[[ミック・グラント]]がシーズン中盤の[[オランッチTT]](グランプリ (ロードレース)|オランダGP)グランプリ]]でKR350に初勝利をもたらし、さらに、後半のスウェーデンGPグランプリでも優勝した。{{MGP|1978}}と{{MGP|1979}}には[[コーク・バリントン]]が、{{MGP|1981}}と{{MGP|1982}}には[[アントン・マンク]]が世界チャンピオンとなった<ref name="Motocourse p197-199" />。
 
=== KR500 ===
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<!-- エンジン -->
1975年型KR750の[[エンジン]]は、120度の[[2ストローク機関|2ストローク]][[直列3気筒]]の[[ピストン]]ポートで、1気筒あたり4つの[[掃気ポート]]を持ち、[[ボア]]・[[ストローク]]内径×行程は68 x 68mmmm×68mmのスクエアである。[[馬力|出力]]は120bhp<ref name="bhp" />/9,500rpmである。ただ、6,000rpm付近で出力曲線に''折れ''があり、スイッチが入ったかのような出力特性を持っている。この特性はとても扱い難いものである。
<!-- トップ・スピード -->
スピードはとても速く、[[ミック・グラント]]はKR750を駆り、[[マイク・ヘイルウッド]]が持っていた[[マン島TTレース]]の[[ラップ・レコード]]を塗り替えた。
 
<!-- ミック・グラント、バリー・ディッチバーン、イヴォン・デュハメルの活躍 -->
[[ミック・グラント]]と彼のチームメイトの[[バリー・ディッチバーン]]は、1975年の[[イギリス]]・スーパーバイク・シリーズで[[バリー・シーン]]([[スズキ (企業)|スズキ]])を破り、1位と2位を獲得した。もう一人のKR750ライダー、[[イヴォン・デュハメル]]は、[[国際モーターサイクリズム連盟|FIM]]750シリーズの[[オランダ]]のレースで2ヒートとも優勝し、総合優勝をカワサキにもたらした。
 
'''1976年、アー・カネモトとギャリー・ニクソンの活躍'''
 
1976年、KR750はチャンピオン・シップに手が掛かった。[[アー・カネモト]]がチューニングした3気筒[[エンジン]]は10,000rpmまで回り、また、レース・シーズン中盤から使い始めた特製[[フレーム形式 (オートバイ)|フレーム]]によって、このKR750を駆る[[ギャリー・ニクソン]]はポイント・リーダーとなった。しかし、レース・シーズン終了後、[[国際モーターサイクリズム連盟|FIM]]は、ギャリー・ニクソンが勝っていたはずの第2戦[[ベネズエラ]]の結果を破棄したため、ギャリー・ニクソンとKR750はチャンピオンになれなかった。
 
'''KR750の終焉'''
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* [[エンジン]] - [[2ストローク機関|2ストローク]][[水冷エンジン|水冷]][[ピストン]]ポート[[直列3気筒]]
* 内径×行程 - 68 mm×68 mm
* [[ボア]]・[[ストローク]] - 68 x 68mm
* [[排気量]] - 747cc
* [[馬力|出力]] - 120bhp<ref name="bhp" />/9,500rpm
* [[キャブレター]] - 36mm [[ミクニ]] x 3
* [[イグニッション]]<ref name="イグニッション" /> - カワサキ [[キャパシター・ディスチャージド・イグニッション|CDI]]
* [[トランスミッション|ギヤボックス]] - 6段
* [[クラッチ]] - [[クラッチ#湿式・乾式クラッチ|乾式]]多板
* [[フレーム形式 (オートバイ)|フレーム]] - [[鋼管|チューブラー]][[鋼|スチール]]・[[フレーム形式 (オートバイ)#クレードルフレーム|ダブルクレードル]]
* [[サスペンション]]
** [[サスペンション#前輪|フロントサスペンション]] - 直径36mm [[カヤバ工業KYB|カヤバ]] [[テレスコピック]]
** [[サスペンション#後輪|リアサスペンション]] - 角断面スイングアーム + フォックス・ツイン[[ショックアブソーバー|ショック]](2本サス)
* [[ブレーキ]]
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{{Kawasaki}}
{{DEFAULTSORTデフォルトソート:かわさきKR}}
[[Category:レーサー (オートバイ)]]
[[Category:カワサキのオートバイの車種|KR]]