「スマートグリッド」の版間の差分

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== 経緯 ==
元々、コンピュータで電力網を制御するという概念は目新しいものではなく既に1970年代より提案されていた<ref>{{Cite journal |和書 |author=H.グラビッチ |author2= |author3= |authorlink= |coauthors= |year=|date=1975年1月号 |month= |title=電力供給系のコンピュータ制御 |journal=[[日経サイエンス|サイエンス]] |publisher=日経サイエンス社 |volume= |issue= |pages=68 |id= |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。米国の脆弱な送配電網を、新たに登場したコンピュータ技術によって低[[コスト]]で安全に運用する手法を模索する過程で生まれた構想であり、電力供給者と需要者をデジタル通信線によって結ぶアイデアに、家庭電化製品のネットワーク化推進に失敗していた高機能家電への進出を狙うメーカーやデジタル通信用のデバイス・メーカー、さらにはITネットワークを主導している企業までが、家庭へデジタル回線を引き込む良い機会と捉えて大きな関心を寄せるようになった。また、欧米や日本で[[電気自動車]]、[[太陽光発電]]などが推進され始めたのも、米国が官民を挙げて次世代の送配電網の必要性を論じるきっかけになった。
 
米国が新たな電力網に"Smart Grid"と名づけて新たな産業分野を作ると、同様の動きが他の先進各国でも生じた。欧州は米国同様の構想で、域内の電力網の再構築・向上を検討している。日本は自家発電や蓄電を推進する住宅・自動車・家電、石油、ガス業界が積極的な一方、現行の電力網で電力供給が安定して運営されていることもあり、電力業界では積極的な動きは少ないが、2011年に政府が5年間でスマートメーター4000万台の導入計画を発表している。
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逆潮流に対応するため電力網への追加投資が必要だとする議論もあるが、通信回線サービスが高い品質維持からベストエフォートへと変わったように、電力サービスにおいて極端な高品質化の維持にコストを掛け続ける必要があるのか、ベストエフォートではだめなのか再検討を求める意見もある。
 
電力網には、通信網には存在し得ない合成の誤謬を考慮する必要もある。[[1987年7月23日首都圏大停電]]の原因の一つに[[インバータ]]機器の負荷の定電力特性があり、配電線の電圧降下に対して負荷となるインバータ機器が電力を確保しようとして電流を多く取り込むように制御された結果、送配電網の電圧制御機能が限界に達したことが指摘されている<ref>[http://www.meti.go.jp/press/20070417003/denryokuken-houkokusho.pdf 電力系統の構成及び運用について~電力系統の構成及び運用に関する研究会 平成19年4月]</ref>。ただし、現在ではこのような過負荷による大規模停電はスマート化によって防止できると考えられる
 
== 各国の状況 ==
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=== 出典 ===
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== 参考書籍 ==
* 横山 隆一 編著 『災害に強い電力ネットワーク ― スマートグリッドの基礎知識』(早稲田大学ブックレット<「震災後」に考える>)[[早稲田大学出版部]]、2011年 ISBN 9784657113023
* {{Cite journal |author=Hans Glavitsch |author2= |author3= |authorlink= |coauthors= |year=|date=1974年11月号 |month= |title=Computer Control of Electric-Power Systems |journal=[[サイエンティフィック・アメリカン]] |publisher=Nature Publishing Group |volume=231 |issue=5 |pages= |id= |url= |accessdate= |quote= }}
 
== 関連項目 ==