「7.62x51mm NATO弾」の版間の差分

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|image=[[File:NATO 7.62x51.jpg|300px]]
|caption=7.62x51mm NATO弾。単3電池より長くて細い。
|origin=アメリカ合衆国{{USA}}
|type=ライフル
<!-- Production info -->
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<!-- Service history -->
|service=1954年–現在
|used_by=[[アメリカ合衆国]]、[[北大西洋条約機構|NATO]]、他。
|wars=[[ベトナム戦争]], [[湾岸戦争]], [[アフガン戦争]], [[イラク戦争]]等
<!-- Specifications -->
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|balsrc= M80: Slickguns,<ref>[http://www.slickguns.com/product/magtech-308-762x51mm-nato-147-grain-m80-fmj-ammo-297313-shipped-after-coupon Slickguns.com M80 data]</ref> M118 Long Range: U.S. Armorment<ref>{{citation | publisher = U.S. Armor | url = http://usarmorment.com/m118lr-762-175-gr-long-range-sniper-ammunition-20-rnd-box-p-1.html | title = Long range sniper ammunition}}.</ref>
}}
'''7.62x51mm NATO弾'''(7.62ミリ ナトーだん、{{lang-en-short|7.62 x 51 mm NATO}} )は、[[北大西洋条約機構]](NATO)(NATO)により標準化された[[小火器]]用の[[弾丸]]。[[1950年代]]に提案され、NATO加盟国の軍隊を中心に幅広く採用された。
 
[[実包|通常弾]]の他、[[曳光弾]]、空包、模擬弾がある。民間用のものは.308 [[ウィンチェスター・リピーティングアームズ|ウィンチェスター]]弾として有名。
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== 概要 ==
NATO加盟国軍では多種多様な銃が使われていたが、主力[[小銃]]([[バトルライフル]]、[[アサルトライフル]])と[[機関銃]]に適用するために、NATOによる小火器用の弾薬標準化が提案された。1950年代に、アメリカ陸軍の[[スプリングフィールドM14 (自動小銃)|M14自動小銃]]および[[サコーM60機関銃|M60軽機関銃M60]]に使われていた弾薬が選ばれ、標準化された。[[1980年代]]に[[ヨーロッパ]]諸国で広く使われた[[ベルギー]]の[[FN FAL]]自動小銃も、この弾薬を採用した。M14は[[ベトナム戦争]]の際、[[5.56x45mm NATO弾]]を使用するM16に置き換えられたが、他の小火器は依然としてこの弾薬を使い続けた。現在でも利用され続けており、M14の復活(M21・M25)、利用が続いているM60、[[FN MAG]]用のほか、[[ゼネラル・エレクトリック|GE]]社製の[[M134 (機関銃)|M134ミニガン]]にも使われている。
 
軍用の7.62×51mm弾と民間用の.308ウィンチェスター弾の寸法は共通である。軍用のものはNATOにより規格化されているが、民間用のものは[[SAAMI]]によって規格化されている。
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7.62×51mm弾自体の開発は[[第一次世界大戦]]の直後から始まった。理由として、.30-06弾が半自動射撃や連続射撃時に扱いにくいという事情があった(.30-06弾自体が、.30-03弾の弾頭を軽量にして高初速にしたもの)。より短い弾薬は、機関部のコンパクト化に結びつき、給弾をスムーズにし、毎分あたりの発射速度を高くする。その時点でのもっとも有望な弾薬は、[[.276ペダーセン弾]](約7mm)であった。しかし、1932年にアメリカ陸軍は、.30口径(7.62mm)の弾薬のみが必要条件を満たすとして却下した。
 
[[1940年代]]から1950年代初期までの間に、[[M1ガーランド]]を改良する実験が[[スプリングフィールド造兵廠|スプリングフィールド国営造兵廠]]で行われた。主に装填方法をエンブロック・クリップ(8発入り)から箱形弾倉に変更することや、フルオート射撃を可能にすることなどの改良が行われた。一番有名なものは[[ジョン・ガーランド (銃器設計者)|ジョン・ガーランド]]技師が改良した'''T20'''で、アメリカ陸軍はこの設計を[[M1ガーランド]]の代替に十分有望と見て、弾薬も一緒に改善すべき時期であると決定した。
 
試作は数年の間続けられ、.30-06弾だけでなく、.300サヴェージ改良弾(後の7.62x51mm NATO弾)対応モデル('''T65弾'''として知られる)も試作された。この試作品は、.30-06弾とほとんど変わらない性能、すなわち147グレイン(約9.5g)弾頭を約838m/sで発射できることを実証した。その一方で、給弾をより短時間かつ高い信頼性で行うこともできた。T20自動小銃をT65弾に適合するように設計された'''T44'''は、コンペにおいて競合する銃を寄せ付けず、採用にこぎ着けた。
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== その後 ==
アサルトライフルおよび[[分隊支援火器]]では高速小口径弾にとって代わられたものの、[[狙撃銃]][[汎用機関銃]]の銃弾として広く使用され続けている。全自動射撃時の制動性さえ問題なければ対人用途の弾薬としてもっともバランスの取れた有効射程と殺傷能力を有しているといえる。対して5.56mmのような高速小口径弾は200mを超えるような長距離射撃になると弾頭の軽さから、命中率が悪化し殺傷能力も急激に低下する。12.7mmのような大口径弾は弾道性能は申し分なく、超長距離射撃も可能であるが、強烈な反動に耐えるために銃本体が重くなってしまい、取り回しに難がある。
 
ウィンチェスター社は[[1952年]]にT65の民間用弾丸を発売した。これは今日でもスポーツ射撃用途に人気があり、.308 ウィンチェスター弾(.308 Winchester)の名で知られている。この弾丸は、中距離で[[ヘラジカ]]や[[アカシカ]]を狩猟する際によく使われる(長距離では短縮化前の.30-06や、それを更に延長した.300win Magに分がある)。
 
7.62mm弾は、[[ジョン・フィッツジェラルドF・ケネディ|ケネディ]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]]暗殺([[ケネディ大統領暗殺事件]])に使用された弾薬ではないかとの説もある。犯人とされる[[リー・ハーヴェイ・オズワルド|オズワルド]]容疑者が使用した[[カルカノM1938|カルカノ]]6.5mm弾では、遠距離狙撃で、頭骨を盲貫することはできても、破砕することはできない。しかし、7.62mm弾の運動エネルギーであれば、頭骨に突入後、[[衝撃波]]によって頭部を破砕することが可能であると言われる。
 
== 7.62x51mm NATO弾を採用している主な小火器 ==
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* FRF2狙撃銃
* [[L96A1]]
* [[H&K G3]]/[[H&K G8|G8]]/[[H&K HK21|21]]
* AK4(スウェーデン生産型のG3)
* [[H&K HK417]]
* [[H&K PSG-1]]PSG1|PSG1狙撃銃]]
* AG-3
* [[SIG SG510]]
* [[スプリングフィールドM14|M14]]・/M21/M25]]
* [[M24対人狙撃銃 SWS]]
* [[レミントンM700|M40A1/M40A3狙撃銃]]
* [[サコーM60軽機関銃|M60軽機関銃]]
* [[M134 (機関銃)|M134ミニガン]]
* [[M240 (機関銃)|M240汎用機関銃]]
* [[ブローニングM1919重機関銃#M1919重機関銃のバリエーション|Mk 21 Mod 0/1]](その他、改良型及びその輸出型)
* [[FN MAG]]