「チョウ目」の版間の差分

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→‎成虫: 口器の退化について加筆。
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[[成虫]]の体表が[[鱗粉]]や[[毛 (動物)|毛]]で覆われることから「鱗翅目」の名があるものの[[スカシバ]]などの様に鱗粉が無い分類群もある。これらは二次的なものと考えられる。[[昆虫の翅|翅]]は体に比して大きく広がり、普通は[[甲虫類]]のように翅を折り畳むことができない。止まるときは背中に立てて重ねるかテント状に伏せて重ねる。ガの中には卵の生産に費やすエネルギーと羽の形成と飛翔に費やすエネルギーが[[トレードオフ]]された結果、雌の羽が退化した種([[ミノガ]]など)もある。
 
小顎の一部である小顎鬚は2本の細長い突起に変化し、合わさって[[ストロー]]様の[[器官]]を形成する。このストロー様の器官を口吻と呼び、[[粘度]]の低い液体(水分など)を吸って摂食する。花の蜜や樹液などを摂取するものが多い。ガの中には数は少ないが果実の果皮を突き刺して果汁を吸うものや、哺乳類の血液を吸うものもいる。ただし現生種の中でも[[コバネガ科]]類は咀嚼機能を有する大顎が残り[[花粉]]などを噛み砕いて摂食し、原始的な形質を残す。また、複数の科において、成虫の口器が退化し幼虫時代に蓄えた栄養分のみで活動・繁殖する例が知られている
 
[[触角]]の形状は分類群によって様々だが、一般に「チョウ」と呼ばれているものは鎌状(セセリチョウ上科)や棍棒状のもの(アゲハチョウ上科)が多く、「ガ」と呼ばれているものは糸状、両櫛歯状、鋸歯状など様々な形状のものがある。両櫛歯状や鋸歯状の触角は雄に見られ、雌の発する[[フェロモン]]を感知する[[受容器]]が存在する触角表面の面積が最大になるよう進化した結果である。