「フランス国立東洋言語文化学院」の版間の差分

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フランスの教育法では、大学とは別の高等教育機関(グランデタブリッスマン)の一つであるが、フランスの名門グランゼコールには全く含まれず、グランゼコールのような超難関の個別入学試験も一切なく、バカロレア取得したものであれば誰でも入学が可能である。「大学」に和訳されるが、文字通り、「イナルコ」の「イ」とは「アンシティテュー」(Institut)の略字で、「学院」の意味がある。
要するに、イナルコというのはフランスの法律上では大学(ユーニヴェルシテー Université)ではない。中世のキリスト協会によって設立されたソルボンヌなどの大学と違って、イナルコは近世のフランス絶対王政の高等教育機関として設立されたのである。ルイ 14世(位1643-1715)親政下の財務総監のコルベール (Colbert) が重商主義政策を推進すると、「東洋」市場の開拓と東洋の国家との交流を発展させるため、イナルコの全身であった「王立若手言語学校」(École des jeunes de langues)が設立された(1669年)。トルコ語やアラブ語の翻訳・通訳できる人材の育成がその使命であった。しかし、このような言語に特化した歴史的教育機関であるにも関わらず、近年は学生達の異常なまでの学力低下が目立ち、学士課程一年目から初めて勉強を始め三年目のディプロム(リサンシエ)を取得した程度では全く翻訳者、通訳士として活躍できるレベルには到達できず、日常会話程度で精一杯という状況である。
このような状況は数ある言語の学科の中で、他の学科と比較しても圧倒的最多の学生数を誇る日本語学科で特に目立ち、前述の通り学力選抜試験がなく、バカロレア(通称バック)を取得すれば誰でも入学可能なため、日本語学科では近年のフランスでの若者に対する日本文化(漫画、アニメ等)のブームによって、安易な気持ちで入学する者が激増し、授業によっては大講義棟にも入りきれず、廊下にまで溢れるほどの大多数の学生達相手に、教師陣の目が学生一人一人に行き届きにくいことが他の学科と比べても目立ちに加え、学校側の学生達の中退率、留年率を抑えたいという意図も学力低下につながっていると考えられる。
 
そしてイナルコ全体の教師陣の質の低下もあり、教える言語の現地の大学を卒業しただけでフランス語の資格さえも所持していない外国人教師や、フランス人であってマスター2(日本の修士課程修了に相当)の資格を所持してる教師陣であってでさえも教える言語の初等教育のテキストを正確に読めないなども起因しているともされる。