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== 難民のイメージとラベル ==
「難民」のイメージとラベルの問題は、内外の学者から常に指摘されている。世界的に難民というとアフリカの黒人とその子供らを想起しやすいが、次節で数値を示している通り、実際には[[アフガニスタン]]や[[イラク]]といった紛争地域を抱えるアジア人が多数を占めており、現実とは異なる姿を世間一般に投影している。そうした「難民」のイメージには、強制移動の境遇に貶められた人々を弱者視し、無能力な人種として取り扱おうとする傾向がある。元UNHCRで難民研究者の小泉は「いわば弱点を強調することで、イメージはそれ自体、彼ら難民のもつ(中略)可能性を覆い隠してしまう」と述べており、難民のイメージは、時に人間としての[[尊厳]]を蹂躙する危険性を孕んでいる{{要出典|date=2016年3月}}
 
オックスフォード大学の『難民研究ジャーナル』<ref>[http://jrs.oxfordjournals.org/content/by/year University of Oxford "Journal of Refugee Studies"]</ref>でR.ゼッターが、「最も強力なラベルのひとつ」と述べているように、「難民」ラベルの持つ効力が[[人道支援]]の必要性を強力に世界へ訴えかける一方、ラベルを援用した実務家らによる人権ビジネスへの加担も指摘されている。そのラベル効力で得た膨大な支援物資や活動費は、人類学者B.E.ハレル=ボンドの言うところの「押し付け援助(Imposing Aid)」へと繋がり、逆に難民の労働意欲や生活維持力を減退させ、難民キャンプ内をただの「要求集団化」させてしまう[cf. 小泉]。
 
== 難民の発生地域と数値 ==
下掲した[[UNHCR]]による2010年6月公表の統計<ref>[http://www.unhcr.org/4c11f0be9.html UNHCR (2010) "Global Trends 2009"]</ref>では、2009年12月31日時点で世界における'''難民'''と'''庇護申請者'''の合計は1,138万人に上る。地域別では、[[中東]]を含めたアジアが最大の難民(54.1%)<ref>パレスチナ難民支援活動はUNRWA([[国際連合パレスチナ難民救済事業機関]])が担当しており、UNHCRの管轄外のため統計数値に反映されない点、留意されたい。</ref>を有しており、次いでアフリカ(22.1%)、ヨーロッパ(15.7%)の順だが、庇護申請者ではアフリカ(44.3%)が最も多く、次いでヨーロッパ(28.7%)、アジア(6.7%)の順となる。
 
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