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== 概説 ==
生物時計とは、[[生物]]が生まれつきそなえていると思われる、[[時間]]を測定するしくみのことである。 生物時計は通常、[[人]]の[[意識]]に上ることはない。しかし[[睡眠]]の周期や[[行動]]などに大きな影響を及ぼしており、夜行性・昼行性の[[動物]]の行動も生物時計で制御されている。例えば食餌の前に[[胃酸]]や[[分解酵素]]があらかじめ準備されるが、これらも生命時計によるもので、生命時計は個体の能力を最大限には発揮させるに不可欠なものである。また、[[昆虫]]では活動時間に時間差をもたらすことで限られた空間を共有し、同種の[[異性]]との出会いの機会を増やすなど動物の[[生存]]にとって重要な「時間的住み分け」と「行動の時間配分」を行っている([[岡山大学]] [[富岡憲治]])<ref name="Newton">『Newton別冊 時間とは何か改訂版』(ニュートンプレス 2013年5月15日)</ref>。
生物時計とは、生物が生まれつきそなえていると思われる、[[時間]]を測定するしくみのことである。 生物時計はいくつも知られているが、たとえば[[サーカディアンリズム]]([[概日リズム]])、[[光周期性]]([[光周性]])などがある<ref name="daijisen">デジタル大辞泉</ref>。周期は短いものから長いものまで様々あり<ref name="britanica" />、短い周期のものでは、酸化還元補酵素の還元度の周期変化による秒・分単位のもの、また心臓の[[拍動]]、[[脳波]]、などがあり<ref name="britanica" />、周期の長いものでは、鳥の[[渡り]]・魚の[[回遊]]・植物の[[開花]]などに見られるように[[季節]]単位(年単位)のものもある<ref name="britanica" />。だが周期性のものだけでなく、一定時間の経過だけを示す「タイマー型生物時計」(砂時計型生物時計)と呼ばれるものもあることが知られている<ref name="seibutugaku" />。
 
生物時計とは、生物が生まれつきそなえていると思われる、[[時間]]を測定するしくみのことである。 生物時計はいくつも知られているが、たとえば[[サーカディアンリズム]]([[概日リズム]])、[[光周期性]]([[光周性]])などがある<ref name="daijisen">デジタル大辞泉</ref>。周期は短いものから長いものまで様々あり<ref name="britanica" />、短い周期のものでは、酸化還元補酵素の還元度の周期変化による秒・分単位のもの、また心臓の[[拍動]]、[[脳波]]、などがあり<ref name="britanica" />、周期の長いものでは、鳥の[[渡り]]・魚の[[回遊]]・植物の[[開花]]などに見られるように[[季節]]単位(年単位)のものもある<ref name="britanica" />。だが周期性のものだけでなく、一定時間の経過だけを示す「タイマー型生物時計」(砂時計型生物時計)と呼ばれるものもあることが知られている<ref name="seibutugaku" />。
 
特によく知られているのは日周の機構である<ref name="britanica" />。動物・植物を自然環境から切り離し、時間帯で変化しない[[定常光]]のもとにおいても、動物の排出物質の濃度は日周リズムを示すものが多いことなどから動植物には時計機構が内在していることが判っている<ref name="britanica" />。ただしその機構がどこにどのような形、しくみで存在しているのかについては詳しくは判っていない<ref name="britanica" />。ただし生物の体内の日周リズム機構は正確に24時間周期で動いているわけではない。(多くの場合)少しずつ遅れる方向にズレている。そういったわけで「circadian rhythm サーカディアンリズム」「概日リズム」と呼んでいるわけである<ref name="britanica" />。自然界に生きている生物は、日照の有無による明暗、[[昼]]・[[夜]]があるので、それを用いて生物時計のずれを補正している<ref name="britanica" />。