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== 多様体の向き ==
ベクトル空間の向きの拡張として、実[[多様体]]の向きを考えることができる。可微分実多様体 ''M'' の各点 ''p'' に対して、そこでの[[接空間]]''T''<sub>''p''</sub>''M'' を考えることができるが、これらについてそれぞれ向き付けを与えることができる。''M''の向き付けとは、このような接空間それぞれの向き付けであって''M''の点に対し「連続的に」変化するもののことである。多様体の中には''n'' 次元[[球面]] ''S''<sup>''n''</sup> のように向き付けを与えることのできるものもあれば、偶数次元の実[[射影空間]] '''R''' '''P'''<sup>2''n''</sup> のように向き付けを与えることが不可能なものもある。
 
=== 向き付け可能 ===
 
多様体の向き付けの概念は接束の[[主束|構造群]]によっても言い表すことができる。この流儀によれば、一般にはGL<sub>''n''</sub>('''R''')である接束(または[[枠束]])の構造群を行列式が正の可逆行列からなる群 GL<sub>''n''</sub><sup>+</sup>('''R''') に簡約できるときに多様体は向き付け可能だということになる。具体的には、ユークリッド空間における開球を向きを保つような座標変換で張り合わせて得られるような多様体が向き付け可能になる。
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[[ホモロジー (数学)|ホモロジー]]を用いることで局所的な向きによらずにコンパクト多様体の向き付け可能性を定義することができる。境界付き ''n'' 次元多様体 ''M'' はその最高次相対ホモロジー群 <math>H_n(M, \partial M; \mathbb{Z})</math> が非自明なとき、およびそのときに限って向き付け可能になる。多様体の三角形分割を考えれば、この条件は最高次の[[単体_(数学)|単体]]たちに貼り合わせ条件を満たすような統一的な向きを入れられるかどうかを考えていることになる。
 
=== 向き付け不能 ===
''n'' 次元多様体 ''M'' が向き付け可能でない場合には''M'' の中で ''n'' 次元の球を移動させてもとの位置に帰ってきたときにはじめの向きから反転しているようにできるということである。従って、''M'' が向き付け不可能なことと、''n'' - 1 次元の球 ''D''<sup>''n'' - 1</sup> と単位区間 [0, 1] の直積を、''D''<sup>''n'' - 1</sup> &times; {0} と ''D''<sup>''n'' - 1</sup> &times; {1} とを向きを逆にして貼り合わせたものが ''M'' の中に含まれていることが同値になる。たとえば[[メビウスの帯]]などがこの状況をよく表している。
 
''n'' 次元多様体 ''M'' が向き付け可能でない場合には''M'' の中で ''n'' 次元の球を移動させてもとの位置に帰ってきたときにはじめの向きから反転しているようにできるということである。従って、''M'' が向き付け不可能なことと、''n'' - 1 次元の球 ''D''<sup>''n'' - 1</sup> と単位区間 [0, 1] の直積を、''D''<sup>''n'' - 1</sup> &times; {0} と ''D''<sup>''n'' - 1</sup> &times; {1} とを向きを逆にして貼り合わせたものが ''M'' の中に含まれていることが同値になる。たとえば[[メビウスの帯]]などがこの状況をよく表している​{{要出典|date=2016年4月}}​
 
== 参考文献 ==