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== 思想 ==
岸田は、[[{{仮リンク|ルイス・ボルク]]([[:|en:Louis Bolk|Louis Bolk]])}}の[[胎児化]]説や[[{{仮リンク|アドルフ・ポルトマン]]([[:|en:Adolf Portmann|Adolf Portmann]])}}の[[生理的早産]]説などを統合した[[アルノルト・ゲーレン]]の「欠陥生物」論をうけて「人間は[[本能]]の壊れた動物である」とし、[[自我]]、[[家族]]、[[国家]]に及ぶ独自の思想、「[[唯幻論]]」を『ものぐさ精神分析』に収録された論文「日本近代を精神分析する-精神分裂病としての日本近代」「国家論」などで提唱する。例えば日本はアメリカによって[[強姦|レイプ]]されたと暗喩し、[[白旗]]の起源や[[日章旗]]の[[日の丸]]が血を意味している、つまり無理やり開国させられたのことは象徴的だというようになど。[[常識]]として疑われることなく通用している[[意味]]、[[観念]]を幻想といいきり、徹底的な相対化をおこなう、いわば「価値の紊乱(びんらん)」にこそ、この思想の独創性が見出せる。語り口の痛快さによって多くの読者を得て、[[1980年代|80年代]]前半の思想界の注目を集めた。
 
『ものぐさ精神分析』を出版した際、「自分が言いたいことは一つしかない、著作はこの一冊でお終いだ」と宣言し、実際『ものぐさ精神分析』における唯幻論の思想はその後も変わらず一貫性を保っている。
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===訳書===
* [[アンリ・ワロン]]『子どもの思考の起源』([[滝沢武久]]共訳 明治図書出版 1968年)
* ハリ・K・ウェルズ『精神分析の破綻-フロイドから[[エーリヒ・フロム|フロム]]へ』(大月書店 1969年)
* [[ジャン・ピアジェ]] 『判断と推理の発達心理学』(滝沢共訳 国土社 1969年)
* [[フロイト]]、W・C・ブリット『[[ウッドロー・ウィルソン]]-心理学的研究』(紀伊国屋書店 1969年)