「カリ・ユガ」の版間の差分

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'''カリ・ユガ'''(サンスクリット語: {{lang|sa|कलियुग}}、男性の{{仮リンク|悪魔カリ|en|Kali (demon)}}の時代、悪徳の時代とも呼ばれる)は、[[インド哲学]]において循環すると考えられている4つの[[ユガ]]のうち、最後の段階である。他の3つは[[サティヤ・ユガ]]、[[トレーター・ユガ]]、そして[[ドヴァーパラ・ユガ]]である。{{仮リンク|スーリヤ・シッダールタ|en|Surya Siddhanta}}による、[[ヒンドゥー暦]]や[[仏滅紀元]]といった[[紀年法]]の基礎となっている天文学の論文によれば、カリ・ユガは[[ユリウス暦]]では[[紀元前4千年紀|紀元前3102年]]2月18日午前0時より<ref>The Indus Script and the Rg-Veda、Page 16、Egbert Richter-Ushanas著、ISBN 8120814053</ref>、[[グレゴリオ暦]]を過去に適応すれば[[紀元前4千年紀|紀元前3102年]]1月23日より始まった。また、この日付は[[クリシュナ]]が地球を離れ、自身の住処へ帰った日であると多くのヒンドゥー教徒によって考えられている。ヒンドゥー経典を解釈する者のほとんどは、この世界は現在、カリ・ユガの中にあると考えている。{{仮リンク|スワミ・スリ・ユクテスワル|en|Yukteswar Giri}}<ref name="Yukteswar" />[[やプラマハンザ・ヨガナンダ]]<ref>{{cite book|last=Yogananda|first=Paramhansa|title=Autobiography of a Yogi|publisher=BiblioBazaar|pages=200–201|isbn=9780554224664|url=http://books.google.com/books?id=_R6B6e4l4_4C&pg=PA201}}</ref>のように、現在は[[ドヴァーパラ・ユガ]]の始まりに近いと考えている者もいる。カリ・ユガは43万2000年続くと考えられている。
 
ヒンドゥー教徒は、カリ・ユガの時代は人間の文明によって人々が神から遠ざけられ、霊的な堕落を引き起こしていると信じている<ref>Dimitri Kitsikis著、''L'Orocc, dans l'âge de Kali''、Editions Naaman、1985年、ISBN 2-89040-359-9</ref>。このため暗黒時代と呼ばれる。この時代にあっては人心は荒廃し、貧困・憎悪・狂気・悪疫等あらゆる害悪が蔓延する。

ヒンドゥー教では雄牛を道徳([[法 (仏教)|法]])の象徴とすることがある。最初の展開である[[サティヤ・ユガ]]において、雄牛は4本の脚を持っているが、それぞれの時代で道徳は4分の1ずつ減っていく。カリの時代は最盛期に比べれば最早4分の1の道徳しかない。ヒンドゥー教における雄牛の脚が1本なのはこのためである<ref name=Mahabharata>[http://www.sacred-texts.com/hin/m03/m03189.htm The Mahabharata, Book 3: Vana Parva: Markandeya-Samasya Parva: Section CLXXXIX]</ref><ref>{{IAST|Bhāgavata Purāṇa}} 1.16.20</ref>。
 
カリ・ユガは、[[黙示]]、[[悪霊]]、そして{{仮リンク|悪魔カリ|en|Kali (demon)}}と関連があり、女神である[[カーリー]]と混同しないように注意されたい。[[サンスクリット語]]において、これらは関係の無い言葉である。カリ・ユガの「カリ」とは対立、不和、争いを意味する。