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==概要==
当港は[[瀬戸内海]]に臨む倉敷市南西部の[[水島地域]]から[[玉島地域]]にかけ、[[水島灘]]の[[高梁川]]河口周辺に所在している[[港湾]]である。天然の運河である瀬戸内海を経て原材料を大量に輸入することができるなど臨海工業地帯としても条件に恵まれて、気象条件もよく台風や高潮の災害も少ない。また、百万人を超える都市圏人口とコンビナートを背景に港湾取扱貨物量が全国でも上位にランクされ、[[水島臨海工業地帯]]を背後に持つ東の水島地区は工業港、西の玉島地区は商港の顔をもっている。
 
===水島地区===
[[Image:Merchandise train of Mizushima seaside railway.JPG|thumb|right|270px|水島臨海鉄道の貨物列車]]
整備され始めたのが太平洋戦争始め頃と港の歴史は浅く、戦後 川崎製鉄(現・[[JFEスチール]])・[[三菱自動車工業]]・[[旭化成]]など多くの工場が立地する日本有数のコンビナートのために工業港として整備されてきた。立地企業専用の岸壁が多い中、大型タンカーが接岸できる水深10mの西埠頭1号岸壁を含む三つの公共岸壁があり[[水島臨海鉄道]]による貨物輸送も行われている。
 
;主な施設
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**[[中国運輸局]][[岡山運輸支局]]水島海事事務所
*[[岡山県備中県民局]]水島港湾事務所
 
===玉島地区===
[[画像:Mizushima port 3 December 2006.JPG|thumb|right|270px|玉島ハーバーブリッジから]]
 
公共岸壁が水島地区よりも多く、「玉島ハーバーアイランド」を中心に商港としての整備が進んでいる。水深10mの岸壁を含む6つの公共ふ頭、4基のガントリークレーン、コンテナターミナルなどの港湾設備を備える。
旧玉島市街に隣接する地域は漁船・プレジャーボート等の小型船舶が多数係留されており、江戸時代からの古い街並も残る。
 
;主な施設
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近年、[[福山港]]([[広島県]][[福山市]])や[[高松港]]([[香川県]][[高松市]])など近隣の港と貿易港としての競争が激化する中、[[岡山空港]]と連携も含め[[アジア]]を中心に物流拠点として港湾機能強化を進めている。
 
現在 水島地区に水島港湾合同庁舎があり港湾機関が集中しているが、将来的に国際港化が進む玉島地区に移転する機関が出てくることが予想される。周辺事業として両地区を結ぶ新たな架橋と[[山陽自動車道]][[玉島インターチェンジ]]を結ぶ道路の整備が進められている。無線局の「水島ポートラジオ」を、現在ある三百山山頂([[下津井]])から玉島ハーバーアイランドに建設する[[タワー]]に移転させる事業などもある。
 
全体的に産業港の機能が強く市民が利用できる施設が玉島地区にある[[玉島の森運動公園]]等に限られるなど一般市民に馴染の薄いことから、人工海浜や公園等の公共スペースが計画されている。なお、玉島E地区の岸壁や玉島ハーバーブリッジは地元の釣り人に有名なポイントである。
 
全体的に産業港の機能が強く市民が利用できる施設が玉島地区にある[[玉島の森運動公園]]等に限られるなど一般市民に馴染の薄いことから、人工海浜や公園等の公共スペースが計画中。なお、玉島E地区の岸壁や玉島ハーバーブリッジは地元の釣り人に有名なポイントである。
==歴史==
[[Image:Tamashima port and Tamashima Ohashi bridge.JPG|thumb|right|270px|玉島港]]
水島港の元祖と言える水島北西部の連島(つらじま)・西之浦は[[江戸時代]]初期まで[[高梁川]]河口と[[瀬戸内海]][[水島灘]]に面した島で水上輸送の中継地として栄えたが、後の干拓によって港としての機能は衰えていった。
 
反面、同時代の干拓によって築かれた高梁川を挟んだ西の玉島港(現玉島地区)は[[備中松山藩]](現[[高梁市]])や[[岡山藩]]に倉敷代官所等が管理する[[北前船]]の寄港地として繁栄し、明治時代後期には税関・水上警察・港湾事務所等が設置されるなど東の[[宇野港]]とともに岡山県の重要港に位置づけられる。
 
しかし、年々大型化していく船舶にくわえ、国が戦時体制へと進んでゆく時世に水深が浅く湾口が狭い玉島港は適応できなくなり、次第に外港としての機能を失っていった。逆に[[太平洋戦争]]始め頃、航空機工場の建設のため水島地区に港湾が整備されることになった。
 
===年表===
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*[[2002年]] 玉島ハーバーアイランドの国際コンテナターミナルが供用開始。
*[[2003年]] 23番目の[[特定重要港湾]](現・国際拠点港湾)に昇格指定。
*[[2011年]] 5月 [[国際戦略港湾|国際バルク戦略港湾]]に選定。
*[[2012年]] [[2月7日]] [[JX日鉱日石エネルギー水島製油所]]で[[倉敷海底トンネル事故|JX水島製油所海底トンネル掘削現場落盤事故]]発生。
*[[2013年]] [[7月1日]] 6号埠頭拡張事業完成(水深12m岸壁・ガントリークレーン増設)。
 
 
===幻の玉島臨港鉄道===
[[Image:Iron bridge mark in Tamashima Rinko railway.JPG|thumb|right|270px|未成線に終わった玉島臨港鉄道の鉄橋跡]]整備の進む玉島地区の貨物輸送を目的に[[1961年]]から[[玉島地域|玉島市]]によって玉島駅(現[[新倉敷駅]])から乙島(玉島E地区)までの「玉島臨港鉄道」約4kmの建設が進められた。しかし、軟弱地盤による費用の増大で工事は度々中断された。[[1967年]]の倉敷市との合併後も事業は継続されたものの、今後、陸上貨物輸送の中心は自動車に取って代わられ鉄道貨物の需要は見込めないなど理由から結局 事業は廃止、[[未成線]]に終わった。
 
現在、跡地は歩道や車道として利用され、赤く錆びた鉄橋も残っている。区画整理された新倉敷駅前を除き、予定路線全体の面影があり、かなりの部分まで整備が進んでいたものと思われる。
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== 濃地諸島 ==
水島地区南東部港域の少し西側に、北から南東方に順に、イザロ濃地島、細濃地島、太濃地島及び上濃地島の4つの小さな無人島からなる濃地諸島がある。いずれの島にも灯標などは設置されていない。
 
==関連項目==
{{Commons|Category:Port of Mizushima}}