「スリックタイヤ」の版間の差分

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[[フォーミュラ1|F1]]では1998年~2008年まで、危険なほど速くなり過ぎた旋回速度を制限する目的で、レギュレーションにより、[[グルーブドタイヤ]]の使用が義務付けられていたが、2009年から再びスリックタイヤを使用している。
<br />グルーブドタイヤによってコーナリングスピードは落ちたが、ストレートでスリックタイヤよりも速くなってしまった。これはグルーブドタイヤスリックタイヤよりもコンパウンドが硬く、その分転がり抵抗が低減したのでためストレートのトップスピードが伸びたのである<ref>『サーキット燦々』(p363, p364)より。</ref>。
 
またタイヤ競争が激化していた時代には、各カテゴリにおいて予選用に、寿命は極端に短いが非常に高いグリップを得る事が可能な予選用タイヤ(Qタイヤ)なども用意されていた。しかし、寿命の短さを考慮してタイムアタック以外の周回に著しくペースダウンしてタイムアタック周回に最大限の性能を得ようとする行動が、タイムアタック中の車との速度差を助長して非常に危険であったことから、徐々にQタイヤは廃止されていった。現在では、予選と本戦で同一のタイヤを使用することを義務づけたり、予選と本戦を通じて使用できるタイヤの種類(コンパウンド)自体を指定したりと、Qタイヤが存在できないようにしているカテゴリが多い。
 
[[ドラッグレース]]におけるスリックタイヤは主にドラスリと呼ばれ、主な製造[[メーカー]]はミッキートンプソンや[[グッドイヤー]]などである。このタイヤの特徴は[[タイヤ#構造|ラジアル構造]]ではなく[[タイヤ#構造|バイヤス構造]]であることと、コンパウンドが極端に柔らかいことである。空気圧も極端に低く設定され、タイヤがたわむことでグリップを稼ぐものである。
 
== 寿命 ==
スリックタイヤには溝がないため、市販のタイヤのように溝の深さをもって寿命を測ることはできない。スリックタイヤの寿命は、まずタイヤの接地面を構成するゴムの磨耗状態で決定され、しばしば「コンパウンドが無くなる」と表現される。このコンパウンド部分が失われるとグリップ力は急激に低下し、タイヤとしての性能を発揮できなくなる。コンパウンドの残量を知るため、スリックタイヤは通常のタイヤのスリップサインに相当する小さな穴が空けられており、この穴が無くなる(穴の深さに相当する部分まで磨耗する)とタイヤの寿命ということになる。
 
競技中に異常な発熱によりタイヤ表面が沸騰して気泡ができてしまうことがある。これはブリスターと呼ばれ、タイヤの性能は劇的に低下し、ほとんどの場合に交換を余儀なくされ、そのまま走行を続けるとバーストなどを起こす危険がある。