「内田秀男」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
高啼 (会話 | 投稿記録)
m編集の要約なし
4行目:
 
== 三極鉱石 ==
一般にトランジスタの発明は、実用化につながった1948年の[[ベル研究所]]によるものがよく知られている([[トランジスタ#歴史]]を参照)。しかし、内田により、「三極鉱石」による増幅作用の発見が、それ以前に既になされていた、という話が伝えられている<ref>[http://www.nipponstyle.jp/nswalk/nswalk_010.html アキバに見た ヴィンテージ・ラジオの宝庫]</ref><ref>{{Cite journal |和書|author= | author2=|title=トランジスタは日本人が発明していた!! | publisher=|asin= | date=1996年 |journal=三洋電機社内報|pages=13|url=http://www.nipponstyle.jp/nswalk/010/akb06.html|isbn=}}</ref>
 
『初歩のトランジスターラジオの研究』(1958年版 pp. 4-6、1967年版 pp. 6-7)によれば、同書の著者杉本(おなじく当時[[NHK放送技術研究所|NHK技研]])のところへ、1948年の正月に内田が訪れ、鉱石(通常、[[鉱石ラジオ]]の鉱石には、針を1本だけ接触させて使用する)に2本針を立てると増幅作用があることを発見し1Vの入力が3Vになることを確かめたが、発表しようとしたところ「鉱石が増幅するはずはない、君は頭が変になったのではないか」と(1958年版には発言者については書かれていない。1967年版には「ある人から」とだけある)言われた、と述べたという。発明(原文ママ)は1947年の秋ごろのことで、杉本は半信半疑ながらも、自信があるなら早く実物で発表するとよい、と激励した、という。<!--このあたりに加筆される際は、まずこの記事のノートを見てください-->
 
1947年当時、内田が鉱石の増幅作用に多大な関心を寄せていたことを確認できる資料もあり、『<ref>{{Cite journal |和書|author=内田秀男 | author2=|title= | publisher=[[無線と実験誠文堂新光社]]|asin= | date=1948年3月号(Vol. |volume=35, No. |issue=3, |journal=[[無線と実験]]通巻275)pp. 275号|pages=7-9の記事|url=|isbn=}}</ref>、「砿石とその受信機」には、もし鉱石で検波以外も真空管と同様のことができれば技術的革命が起きる、真空管以前から鉱石による増幅は研究され努力が続いており、最近ではRadio Craft誌1947年4月号に放射能を使う鉱石増幅素子のアイディアが発表されている、今後真空管と同様な鉱石による素子が可能か不可能かは断言できない、といった記述が「まえおき」にある(なお、「鉱石とは」という節に鉱石の[[負性抵抗]]や[[ヒステリシス]]特性や[[周波数特性]]といった興味深い特性の記述はあるが、増幅に関する記述はない。また、半導体によるエレクトロニクスの革命の予見は珍しいものではなかった<ref>[http://www.shmj.or.jp/shimura/ssis_shimura1_08.htm 「半導体」に着目した日本の先覚者たち]</ref>)。1954年には[[ゲルマニウム]][[ダイオード]]を[[トランジスタ]]に改造する記事を発表している<ref>{{Cite journal |和書|author=内田秀男 | author2=|title=1N34をトランジスターに改造して"単石"再生式高感度ラジオを作る | publisher=[[誠文堂新光社]]|asin= | date=1954年7月 |journal=[[無線と実験]]|pages=|url=http://www.d3.dion.ne.jp/~t_uchita/h4/2k02-5_ad/transistor/history_transistor.htm|isbn=}}</ref>
 
[[誠文堂新光社]]の『[[おとなの工作読本]]』11号の記事などには、GHQの検閲により内田によるトランジスタ発明の雑誌発表が差し止められた、アメリカでの研究に先行して発表されないようにという工作ではなかったか、などという記述がある。同記事は無署名であり、誠文堂新光社に文責があると思われる<ref>内容の同一性からおそらく内田ラジオアマチュアショールームの取材と社内報を閲覧したと考えられる</ref>。但し、同様の記述は他の資料でも確認される<ref>{{Cite journal |和書|author= | author2=|title=トランジスタは日本人が発明していた!! | publisher=|asin= | date=1996年 |journal=三洋電機社内報|pages=14|url=http://www.nipponstyle.jp/nswalk/010/akb07.html|isbn=}}</ref>
 
なお、『[[電子立国日本の自叙伝]]』第2回「トランジスタの誕生」において、アメリカでトランジスタが開発されたと聞いた多くの日本の研究者が[[追試]]を試みたが、高純度の[[ゲルマニウム]]を入手する手段がなく困難を極め、高純度の単結晶を得るための装置の自作から始めた、というエピソードが多い。このことから、仮に内田による発見が知られていても、実用化につながったかどうかは疑問である。
 
=== 文献 ===
* 杉本哲『初歩のトランジスターラジオの研究』[[山海堂 (出版社)|山海堂]](初版1958年 {{全国書誌番号|59001386}}、改訂版1967年 {{全国書誌番号|67010943}})
* 内田秀男「砿石とその受信機」『[[無線と実験]]』Vol. 35, No. 3(通巻275、1948年3月号)pp. 7-9
* 『[[おとなの工作読本]]』11号 pp. 97-96(縦組み冊子中の横組み記事のため逆順)「復刻・内田秀男と『無線と実験』 トランジスター開発を目指して」(無署名記事)、同 pp. 95-92 に『[[無線と実験]]』1954年7月号 pp. 22-25 「1N34をトランジスターに改造して “単石”再生式高感度ラジオを作る」を再録、pp. 91-88 も再録記事だがトランジスタとは無関係。なお、1954年の記事については、再録版ではなく当時の誌面を確認しても、先発見にまつわる記述は全く無い。
* http://web.archive.org/web/20020823052401/http://www.kumagaya.or.jp/~yoko_c/link_7/uchida1.html
 
== その他 ==
1950年代に、核実験のあった後、雨や塵など放射性の降下物があると、テレビの映像にイグニッションノイズなどによるものとは違うノイズが乗ることを発見した。このことは、国内はもとより外電でも報道された、という<ref>『初歩のトランジスターラジオの研究』1958年版 p. 5、1967年版 p. 7</ref><ref>{{Cite journal |和書|author=内田秀男 | author2=|title=家庭用テレビで放射能がわかる | publisher=[[朝日新聞]]|asin= | date=1956年5月29日(夕刊) |journal=[[朝日新聞]]|pages=|url=http://www.nipponstyle.jp/nswalk/010/akb07.html|isbn=}}</ref>。
 
NHK技術研究所時代に、[[マジックアイ]]を棒表示に改良した新型真空管6R-E13を開発した。ラジオやテレビの同調表示管として多用された。
31 ⟶ 25行目:
 
== 超常現象研究者として ==
[[超常現象]]研究者として、超常現象を[[電子工学]]的に考察した。[[イオンクラフト]](Lifter)や内田式[[オーラ]]メーター<ref>[http://homepage3.nifty.com/PSIJ/kokoro/psij/text/a197605.html オーラ現象の一測定法について]</ref>などを発明し、[[日本サイ科学会]]副会長をつとめるなどした。
 
=== 著書 ===
41 ⟶ 35行目:
 
== 脚注 ==
{{Reflist}}
<references />
 
=== 文献 ===
* 杉本哲『初歩のトランジスターラジオの研究』[[山海堂 (出版社)|山海堂]](初版1958年 {{全国書誌番号|59001386}}、改訂版1967年 {{全国書誌番号|67010943}})
* 内田秀男「砿石とその受信機」『[[無線と実験]]』Vol. 35, No. 3(通巻275、1948年3月号)pp. 7-9
* 『[[おとなの工作読本]]』11号 pp. 97-96(縦組み冊子中の横組み記事のため逆順)「復刻・内田秀男と『無線と実験』 トランジスター開発を目指して」(無署名記事)、同 pp. 95-92 に『[[無線と実験]]』1954年7月号 pp. 22-25 「1N34をトランジスターに改造して “単石”再生式高感度ラジオを作る」を再録、pp. 91-88 も再録記事だがトランジスタとは無関係。なお、1954年の記事については、再録版ではなく当時の誌面を確認しても、先発見にまつわる記述は全く無い。
* [http://web.archive.org/web/20020823052401/http://www.kumagaya.or.jp/~yoko_c/link_7/uchida1.html 工学博士 内田 秀男先生の業績]
 
== 外部リンク ==