「昭洋 (測量船・2代)」の版間の差分

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== 装備 ==
=== 海洋観測装置 ===
海洋測量装置としては、船底に設置されたシービーム2112型マルチビーム音響測深機(MBES)をはじめとして、海上磁力計(PMM-200)、海上重力計(KSS-31)、複合測位装置(SAINS-10)のほか、就役当初は深海用曳航式サイドスキャンソナー(通称「アンコウ」)を搭載していたが、現在は業務に利用することがないため陸上保管されている。なお、シービーム2112は、周波数12キロヘルツ、2°×2°のナロービームを151本生成して、海底地形を即座に等深線図として作図することができる。本船のほか、海上保安庁では「拓洋」<ref name="藤沢2008">{{Cite journal|和書|author=藤沢美幸|coauthors=及川光弘|year=2008|title=浅海域におけるSEABEAM2112の測深能力の評価|journal=海洋情報部技報|issue=26|pages=143-149|publisher=海上保安庁|url=http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/KENKYU/report/tbh26/tbh26-19.pdf}}</ref>、また海上自衛隊の「[[にちなん (海洋観測艦)|にちなん]]」<ref name="Wertheim2013"/>や海洋研究開発機構の「[[よこすか]]」<ref>{{Cite web|author=海洋研究開発機構|date= |url=https://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/whatsnew/Deepsea_H17/yokosuka.pdf|title=支援母船「よこすか」利用の手引き |format=PDF|accessdate=2016/05/27}}</ref>「[[かいれい]]」にも搭載されている<ref>{{Cite web|author=海洋研究開発機構|date= |url=https://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/whatsnew/Deepsea_H17/kairei.pdf|title=深海調査研究船「かいれい」利用の手引き |format=PDF|accessdate=2016/05/27}}</ref>。
*複合測位装置
*マルチビーム測深機(シービーム2112)
*海上重力計
*海上磁力計
*連続塩分水温水深計(CTD)
*超音波流向流速計(ADCP)
*特殊搭載艇「マンボウⅡ」
*機動測量艇(昭洋1号艇)
 
また海底の地質・地殻構造探査のため、深海用音波探査装置(SYNTRAK 480)、表層探査装置(BATHY-2000P)、海底屈折波受信装置(HDDR-1)、地殻熱流量計(ピストン式柱状採泥器)、高分解能地層探査装置(KLEIN SYSTEM 2000)を搭載する。このうち深海用音波探査装置はマルチ120チャンネル対応の受信部を備え、そのためのデジタルストリーマーケーブルは3000メートル分を搭載する<ref name="岡崎1998">{{Cite journal|和書|author=岡崎勇|year=1998|title=新大型測量船「昭洋」|journal=海洋情報部技報|issue=16|pages=1-4|publisher=海上保安庁|url=http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/KENKYU/report/tbh16/tbh16-01.pdf}}</ref>。
就役当初は曳航式サイドスキャンソナー(通称アンコウ)を搭載していたが、現在は業務に利用することがないため陸上保管されている。
 
一般海洋観測のためには、連続塩分水温水深計(CTD SBR911Plus)、鉛直水温連続測定装置(XBT MK30N)、炭酸ガス計(FR2000)、波浪計(MW-A2)、航走式水温塩分計(FSI)、栄養塩自動分析装置、塩分検定装置が搭載されている<ref name="岡崎1998"/>。
 
=== 搭載艇 ===
本船では、機動測量艇(昭洋1号艇)および特殊搭載艇「マンボウII」および機動測量(昭洋2号の2隻の観測艇を搭載しており、いずれもミランダ式ダビットによって進水・揚収する。「マンボウII」は活動中の[[海底火山]]近傍など危険な海域では遠隔操縦での無人運用も可能とされており、初代「昭洋」に搭載されていた自航式「マンボウ」の改良型にあたる。初代「マンボウ」が遠隔操縦のみであったのに対し、本艇では遠隔操縦と有人操縦のいずれも選択可能であり、防災時には交通船としても利用できる。排水量6.0トン、全長10.0メートル、速力10ノットで、観測装置としては、二周波型精密音響測深儀や投下式自動水深水温測定装置水温塩分計、採水装置を備えている<ref name="SoW1998">{{Cite journal|和書|author=海上保安庁水路部沿岸調査課|year=1998|month=5|title=特殊搭載艇「マンボウII」 (海上保安庁の新型船艇と航空機)|journal=世界の艦船|issue=538|page=124-125|publisher=海人社|ncid=AN00026307}}</ref>。
 
== 船歴 ==