「第4アウト」の版間の差分

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2016公認野球規則改正による、条項番号の変更
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== 概要 ==
ルールでは、第3アウトの成立より前に走者が[[本塁]]に達していれば得点が記録される。ただし、例外として第3アウトが以下の場合には得点が記録されない<ref>公認野球規則45.0908, 75.1209</ref>。
* [[フォースプレイ#フォースアウト|フォースアウト]]、または打者走者が一塁に達する前にアウトになった場合(先に走者が本塁を踏んでいても、同じプレイ中にアウトが成立すれば得点は記録されない)。
* 前位の走者が塁を空過していたことによる[[アピールプレイ|アピールアウト]]の場合(それより後位の走者がアピールプレイが行われる前に本塁を踏んでいても得点は記録されない)。
 
また、第3アウトが成立したあとでも、守備側はアピールプレイを行うことが認められており<ref>公認野球規則75.1009(c)。第3アウト成立後のアピールは、投手および内野手がファウルラインを越え、フェア地域を離れるまでに行わなければならない。</ref>、[[審判員 (野球)|審判員]]がこのアピールを支持した場合、審判員はアウトを宣告する。このアウトは、イニングにおける4番目に宣告されたアウトであるため、俗に第4アウトと呼ばれる。しかし、野球では1イニングに記録されるアウトの個数は3個までであるから、第4アウトが発生した場合、3個目のアウト成立までに起こったプレイの記録は取り消され、4個目のアウト成立までのプレイが記録上の第3アウトとなる。これはしばしば'''第3アウトの置き換え'''と呼ばれる。
 
したがって、第3アウトの成立より前に走者が本塁に達していても、'''上記の例外に該当するアピールアウト'''を取ることができる場合、守備側は4つ目のアウトを取ることで攻撃側の得点を無効にすることができる<ref>公認野球規則75.1009(c)【原注】及び【注】の後にある、3つ目と4つ目の【問】【答】</ref>。
 
== 現実に起こった事例 ==
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そこで、飛球を捕らえた野手が、三塁走者ではない他の走者が帰塁すべき塁(一塁または二塁)に送球し、塁に触球したとする。これで第3アウトが成立したが、このアウトはフォースアウトではないことに注意が必要である。
 
このとき三塁走者が三塁にリタッチせず、第3アウト成立より先に本塁に到達していたとする。すると、この進塁はひとまず認められ、球審は「得点」を宣告する<ref>公認野球規則45.0908【注1】。球審は、三塁走者が三塁へのリタッチを果たしていないことを承知していても、それに関係なく、本塁到達の方が第3アウトより早かったか否かを明示しなければならない。</ref>。ただし、三塁走者は三塁にリタッチしていないから、守備側は、他の走者で第3アウトを成立させたあとでも、三塁に触球して、三塁走者がリタッチしていないことをアピールすれば、三塁走者をアウト(第4アウト)にすることができる。そうなれば、第3アウトの置き換えが行われ、このプレイでの得点は記録されない。
 
しかし、守備側が、三塁走者ではない他の走者をアウトにして第3アウトを成立させ、そのままベンチに引き上げようとして投手及び内野手がフェア地域を離れると、三塁走者の本塁到達は認められたことになるから、得点が記録される。
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# 第3アウトが宣告されたので、白新高校ナインは全員ベンチに引き上げた。
 
このとき、第3アウトはフォースアウトではないため、第3アウト成立以前に成立した得点は有効である。岩鬼は第3アウト成立前に本塁に到達しているので、この走塁による得点は認められる<ref>公認野球規則45.0908。ただし、作中ではこのあたりのルールについてあまり明示的な説明がない。</ref>。ただし、岩鬼は三塁へのリタッチを行っていないため、白新高校側は第3アウト成立後であっても審判員に対して岩鬼の離塁が早かったことを[[アピールプレイ|アピール]]し、岩鬼をアピールアウトにして第3アウトの置き換えを行うことで岩鬼の得点を無効にすることができた。
 
しかし、得点が認められることに気付かなかった白新高校はこれを行わず、更に投手と内野手全員がファウルラインを越えてベンチへ引き上げてしまったことでアピール権も喪失してしまった<ref>作中では、明訓高校の[[土井垣将]]監督がこのプレイを解説する形をとり、解説の締めくくりに公認野球規則7.1010(当時。現5.09(c))の本文が示されている。<br>
アニメでは、近所の知人たちとテレビで試合を観戦していた山田の祖父が説明する。</ref>。よって、岩鬼の得点は認められ、明訓高校に1点が入った。
 
なお、試合はこの1点を守った明訓高校が1 - 0で勝利した。