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について特に解説することはない。以下に、両者の変性過程に共通して関わることを述べる。
 
螺旋分子の変性の遷移過程の特徴として、[[変性|native]]の状態から変性状態へ遷移するときの遷移間隔の幅(⊿T<sub>m</sub>、⊿pH<sub>m</sub>)があげられる。螺旋分子の変性過程を、上で示した吸光度の観測実験のように解析した結果において、1-θ曲線に対する点での接点が、直線1-θ=1(全変性)、および1-θ=0(未変性)と交差する温度の差から求められる。これは遷移の'''協力性'''<ref group="注釈">{{lang|ru|КООПБРАТИВНОСТЬ}}の暫定的和訳。英語ではcooperativeness</ref>、すなわち温度(pH)の上昇に伴う螺旋構造の要素のすべてが崩壊する同時性の度合いを反映する。螺旋構造がある温度で同時に消失するとき、⊿T<sub>m</sub>(⊿pH<sub>m</sub>) = 0となる。DNAは決してそのような融解はしない。
 
今まで二重螺旋のことばかり扱ってきたが、核酸には一重や、三重、四重螺旋も存在し、また部分的に二重螺旋を持つ三次構造も存在する。それらと比べ、単一の種類の螺旋分子の未変性温度およびpHは極めて低く、また⊿T<sub>m</sub>は特徴的に低い(3〜7℃)ので、他の構造とほとんど区別できる。