「桶川ストーカー殺人事件」の版間の差分

ドラマ情報一部に出典付与、ほか一部に要出典
(ドラマ情報一部に出典付与、ほか一部に要出典)
その後、被害者は両親に経緯を話し、翌日に家族は上尾署に被害を申告した<ref name="kyotan50-58" />。署では被害者からの事情聴取に加え、被害者が録音していたAらとのやりとりの内容も確認されたが、応対した署員は「これは事件か民事の問題か、ぎりぎりのところだね」「3カ月ほどじゃ相手の男も一番燃え上がっているところだよね」などと述べ、脅迫・恐喝とは認められないとの判断を伝えた<ref name="kyotan59-70">鳥越・小林(2002)pp.59-70</ref>。これに対し被害者と母は現実に危害が加えられる可能性を訴えて捜査を求めたが、署員は「民事のことに首を突っ込むと、後から何を言われるか分からないんでこちらも困るんですよ。また何かあったら来てください」と要求を退けたとされる<ref name="kyotan59-70" />。ただし警察側は後の国家賠償請求裁判において「相手の男も……」という件と「民事のことに……」という件の言葉については事実を争う姿勢を示した<ref name="kyotan59-70" />。また、6月21日には被害者がAから受け取ったプレゼントをAへ返送し、同日父親が上尾署を訪れ、名刺と共に「荷物は送り返しました。これからもよろしくお願いします」と挨拶をした<ref name="kyotan84-92">鳥越・小林(2002)pp.84-92</ref>。後の警察の主張によれば、このとき父親は「無事終わり、ひと安心です。こんなもので悪いのですが」と言いながら菓子折を差し出したというが、父親はそうした事実は一切なかったとしている<ref name="kyotan103-109">鳥越・小林(2002)pp.103-109</ref>。
 
後に殺害についての刑事裁判で明らかになったところによれば、Aが被害者殺害を計画しはじめたのは、プレゼント返送の翌日からであった<ref name="kyotan84-92" />。被害者の身辺ではAからの無言電話や自宅近辺の徘徊といった嫌がらせ行為が続き、やがてその内容は過激化していった<ref name="kyotan50-58" />。7月13日未明には、被害者の顔写真が入った誹謗中傷ビラが被害者宅近辺の住宅、被害者の通学先、父親の勤務先敷地内などに数百枚ばらまかれた<ref name="kyotan50-58" />。{{要出典範囲|近所の人の証言によると、ビラ撒きの実行犯は[[チーマー]]風の若い男二人と見られる。しかし|date=2016年6月}}被害者は状況確認も兼ねて通常どおり大学へ向かい、翌朝にも日課である犬の散歩を普段通りに行った<ref name="kyotan84-92" />。このとき「人に顔を見られる」と止める母親に対し、被害者は「私は何も悪いことはしてない」と話したという<ref name="kyotan84-92" />。
 
母親はビラが撒かれた当日に上尾署を訪れて被害を訴え、同日昼に署員2人による実況見分が行われた<ref name="kyotan59-70" />。2日後の7月15日、被害者と母親は再び上尾署を訪れ、無言電話や付近の徘徊といった被害に加え、殺害も示唆されていると訴えてAの逮捕を求めると、応対した刑事二課長(以下、二課長)は「警察は告訴がなければ捜査できない」、「嫁入り前の娘さんだし、裁判になればいろいろなことを聞かれて、辛い目に遭うことがいっぱいありますよ」、「告訴は試験が終わってからでもいいんじゃないですか」などと難色を示した<ref name="kyotan59-70" />。これに対して被害者は覚悟があることを明言した上で「今日告訴しますからお願いします」、「なぜ延ばすんですか」と告訴の意を強く示したが、二課長は試験終了後に再訪するよう促し、同日中の告訴はならなかった<ref name="kyotan59-70" />。
:2002年6月10日に放送されたドキュメンタリー番組<ref name="shimizu389-403" />。被害者の遺品が警察から返却されていないという清水潔による取材内容を、[[日本テレビ]]のニュースの特集枠で放送したものが反響を呼んだことから、同局の深夜ドキュメンタリー番組「[[NNNドキュメント]]」で内容を拡大して放送された<ref name="shimizu389-403" />。同時期に行われていた[[2002 FIFAワールドカップ|FIFAワールドカップ・日韓大会]]の[[2002 FIFAワールドカップ・グループH|日本対ロシア戦]]に放送が重なり、視聴率は記録的な低さであったが、電話や電子メールによる反響は番組始まって以来の多さであったという<ref name="shimizu389-403" />。放送後、被害者の遺品は順次両親に返却されていったが、そのひとつである携帯電話の内容は全て消滅していた<ref name="shimizu389-403" />。
;『実録ドラマ 遺言・桶川ストーカー殺人事件』(日本テレビ)
:清水潔が執筆した『遺言 - 桶川ストーカー事件の深層』を原作としたテレビドラマ。2002年10月28日に「[[スーパーテレビ情報最前線|スーパーテレビ]]特別版」として放送<ref name="drama406">進藤(2007)pp.406-407</ref>。清水の希望により極力原作に忠実に描かれ、実際のニュース映像や上尾署の会見映像なども挿入された<ref name="shimizu404-408">清水(2004)pp.404-408</ref>。{{要脚本・[[田子明弘]]、演典範囲|・五木田良一、出演[[椎名桔平]]、[[内藤剛志]]など。|dateほか<ref name=2016年5月}}"drama406" />。
;『'''ひまわり - 桶川女子大生ストーカー殺人事件'''』
:{{要出典範囲|2003年12月13日、[[テレビ朝日]]の[[土曜ワイド劇場]]で放送されたテレビドラマ<ref name="drama416">進藤(2007)pp.415-416</ref>{{要出典範囲|原作は鳥越俊太郎の著作による。|date=2016年6月}}脚本・坂田義和、演出・[[内山理名吉田啓一郎]](被害者役)出演・[[渡瀬恒彦]](父親役)、[[戸田恵子内山理名]](母親役)、[[金子賢]](自殺した事件の首謀者役)等がほか<ref name="drama416" />。{{要演。典範囲|ドラマ化に当たって遺族は「事実を曲げない脚本にして下さい。それだけ容れて頂ければ他には何も言う事はありません」と注文したという。|date=2016年56月}}
 
== 関連書籍 ==
*佐野眞一(編)『メディアの権力性』(岩波書店、2005年)ISBN 978-4000263993
*梓沢和幸『報道被害』(岩波書店、2007年)ISBN 978-4004310600
*進藤良彦、K・ドラマフィルカンパニー(編)『テレビドラマベスト・テン10年史 1997‐2006』(愛育社、2007年)ISBN 978-4750003146
*蒲俊郎『おとなのIT法律事件簿』(インプレスR&D、2013年)ISBN 978-4844395768
 
*『朝日新聞』縮刷版・各号
4,015

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