「テクネチウム」の版間の差分
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+2、+4、+5、+6、+7の[[酸化数]]をとる。酸化物には[[酸化テクネチウム(IV)]] TcO<sub>2</sub> や[[酸化テクネチウム(VII)]] Tc<sub>2</sub>O<sub>7</sub> がある。酸化条件下では[[過テクネチウム酸]] TcO<sub>4</sub><sup>-</sup> が見られる。
テクネチウムは現在、いくつかの恒星のスペクトル線からも、天然での存在が確認されている([[テクネチウム星]])。地球上では[[ウラン]]鉱中に微量が自発核分裂生成物として見い出される。医療用に使用される同位体は[[放射性廃棄物]]中から[[単離]]して得る方法と、中性子を照射されたモリブデンの同位体から得る方法がある。▼
== 安定同位体が存在しない理由 ==
テクネチウムは比較的軽い元素でありながら[[安定同位体]]が存在せず、[[標準原子量]]が定められない。これは、テクネチウムが置かれた「位置」による偶然の結果である。中性子数55の <sup>98</sup>Tc が最も長寿命な核種だが、これも[[放射性同位体]]である。
一般に[[原子核]]は、[[陽子]]と[[中性子]]の数がともに偶数だと安定し、ともに奇数だと不安定となる<ref>[http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=03-06-03-02 原子核の壊変] 原子核物理の基礎 原子力百科事典 ATOMICA</ref>。
さらに陽子数と中性子数の間には最も安定する比があり、[[核図表#ベータ安定線|ベータ安定線]]<ref>[http://www.th.phys.titech.ac.jp/~muto/lectures/INP02/INP02_chap03.pdf 3.3.1 ベータ安定線] 武藤研究室 東京工業大学</ref>と呼ばれるが、テクネチウムの場合、ベータ安定線に一致する<sup>98</sup>Tc は
もっともこれは、原子番号が奇数の元素に共通の現象であり、多くはその次に安定な核種が安定同位体となっている(例えば<sup>93</sup>[[ニオブ|Nb]] や<sup>103</sup>[[ロジウム|Rh]] 、詳細は[[核種の一覧]]参照)。
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中性子数がさらに多い、または少ない核種は、そもそも安定性の土俵に乗れず、結果としてテクネチウム以外の元素は安定同位体を得たが、テクネチウムだけが安定同位体を得られなかった。かくしてテクネチウムは、安定同位体の存在しない、放射性元素となった。
▲テクネチウムは現在、いくつかの恒星のスペクトル線からも、天然での存在が確認されている([[テクネチウム星]])。地球上では[[ウラン]]鉱中に微量が自発核分裂生成物として見い出される。医療用に使用される同位体は[[放射性廃棄物]]中から[[単離]]して得る方法と、中性子を照射されたモリブデンの同位体から得る方法がある。
== 用途 ==
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