「戦闘妖精・雪風」の版間の差分

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そのFAFの主要基地の一つ「フェアリィ」に属する戦術戦闘航空団特殊戦第五飛行戦隊、通称'''ブーメラン戦隊'''は、社会不適合者のなかでも'''他者に関心を持たない'''という心理傾向がある人間ばかりを集め、高性能な戦術戦闘電子偵察機「スーパーシルフ」を擁する対ジャム戦における戦術電子偵察部隊であり、たとえ目前の味方を見捨ててでも敵の情報を持ち帰る事だけを要求される特殊部隊だった。
 
極めて高度な中枢制御体を搭載し、完全自律制御による高度な戦術判断や戦闘機動を可能とするスーパーシルフ。その3番機 (B-503)、パーソナルネーム「[[雪風 (架空の兵器)|雪風]]」のパイロット、深井零は、雪風を自らの半身と偏愛し、雪風以外のあらゆるものを「関係ない」と切り捨てるまでに雪風が全てと信じていた。一方、特殊戦の前線指揮官で零の唯一の友人でもあるジェイムズ・ブッカーは、ジャムの戦術やそれに対する雪風の振る舞いを疑問視し、「この戦いに、人間は必要なのか?」との疑念を抱く。
 
激化していくジャムとの戦いの中、零は雪風だけを信じフェアリィの空を舞い続ける。しかし、戦いは人類には不可知の存在であるジャムと、人類が生み出した戦闘機械集団との戦争の呈を見せていく。そんな中で零と雪風は、単なるパイロットと愛機という関係を超越した「複合生命体」と呼ぶべき存在へと変化していく。そしていよいよ、FAF基地へのジャムの総攻撃が始まった。
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== 登場人物 ==
; 深井零(ふかい れい)
: FAF少尉。後に中尉、大尉に昇進している<ref>身分の略称は海軍式で、Ltと表記されている。</ref>。日本国出身。特殊戦3番機「[[雪風 (架空の兵器)|雪風]]」パイロット。乗機である雪風、および友人のブッカー以外の何者も信頼せず心を閉ざしていたが、雪風やジャムとの関わりを通じて変化していく。
: 主人公格のキャラクターながら謎が多く、排他的人格者になった理由や、最新版文庫本ではFAFに来た理由も明らかになっていない。初出時は'''「非効率な機械は嫌いだという理由で博物館のSLを爆破した」'''、改定前文庫本にまとめられた際は'''「仕事のストレスで職場に放火した」'''という扱いだった<ref>『戦闘妖精・雪風解析マニュアル』内のプロフィールでは「ストレスによる放火」を採用している</ref>。コミック版では強盗の手伝いをした犯罪歴が描かれており、短編小説では、コンピュータ[[クラッカー (コンピュータセキュリティ)|クラッカー]]であり、独自アーキテクチャのマシンを組み上げ、CPU処理時間の外部開放義務を忌避した罪<ref>作中の日本では独自アーキテクチャのコンピュータは認められておらず、CPU処理時間の一部を常に外部から利用できるようにすることが義務付けられており、それを利用した監視システムを構築していた。</ref>に問われたことが描写されている。
; ジェイムズ・ブッカー
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=== フェアリィ空軍 ===
; FA-1 ファーン<ref>[http://www.faf.jp/archive/fafar/01/fs.html]</ref>
: [[フェアリィ空軍]]の主力戦術[[戦闘機]]。綴りには「''Fern''」と「''Fand''」の二種類がある。単発単座で、エンジンノズルは三次元スラストベクタリング。下反角が与えられた前進翼を持ち、水平尾翼及び機首下面のカナードと合わせて「3サーフィス」の翼配置を構成している。主翼には下反角が与えられているため、横方向の機動性が高い。また、ジャムの地上補給基地を自動で捕捉して攻撃する対地戦闘攻撃システムを備えている。
: ジャム戦争勃発時には地球で実用評価中であり、フェアリィ星への侵攻にあわせて優先的にフェアリィ空軍に配備された。当時の水準では非常に機動性に優れた戦闘機であり、実戦投入直後はジャムに対する優位を誇っていたが、ジャム側の性能向上によって優位を失い、[[戦闘爆撃機]]や対地[[攻撃機]]として運用されることが増えている。しかし、新たな主力機のFFR-31 シルフィードが高価であることから、前線の部隊によっては未だに制空戦闘機として運用されているケースもある。単座のA/B型と複座の練習機C/D型が存在する他、C型の一部を改修した、FA-1C(SEAD)という対レーダー攻撃/対空火器制圧用の機体が存在する。
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:*:: AAM、ASM、精密誘導爆弾など最大6,400kgを搭載可能
 
; FFR-31 [[シルフィード]]<ref>[http://www.faf.jp/archive/fafar/01/fs.html]</ref>
: フェアリィ空軍の主力制空戦闘機で、FAF初の独自開発機。綴りは「''Sylphide''」。双発機で、小説では複座、OVAでは単座となっている。翼型はクリップトデルタの主翼と上反角のついたカナード、外反角のついた双垂直尾翼と水平尾翼で、エンジンノズルは3枚のベーンによる可変ベクタリング方式を採用している。スーパーシルフとの区別の為、「ノーマルシルフ」と呼ばれる事もある。
: それまでの主力機であったFA-1に代わる主力機として設計された。開発当初の設計案は長射程AAMを有する長距離迎撃機であったが、開発中に格闘戦能力を持たせるという要求が高まり、超音速巡航と高機動を両立できる機体として完成した。生産コストが高く、配備数は少ない。OVA版ではステルス性を重視した形状となっていた。大きく分けてブロック0〜10とコスト面から部品構成を見直したダウングレード版のブロック20以降に二分されている。性能面での違いは無いとされているが、実際には素材の違いによる機体剛性などからわずかな性能差があるらしく、パイロットの間ではブロック10までが本物だという意味を込めて「オリジナル・シルフィード」と区別される事もある。
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:*:: AAM、[[増槽|ドロップタンク]]などを搭載可能
 
; [[雪風 (架空の兵器)#FFR-31MR スーパーシルフ|FFR-31MR(FRX-47) スーパーシルフ]]<ref>[http://www.faf.jp/archive/fafar/01/ss.html]</ref>
: 機体強度に優れるオリジナルシルフのうち13機を[[偵察|戦術電子戦闘偵察機]]としたもの。双発複座。より高度な電子頭脳の搭載や索敵機能の高度化、超音速巡航に適したエンジンの搭載といった改修が行われ、「まったくの別物」と表現されている。OVAでは開発予算獲得の為にシルフィードの派生機として登録されたまったく別種の機体であり、外観も異なる。下記のD型を含めて13機が特殊戦第5飛行隊に配備されている。また、バリエーションとしてD型の他に、長距離迎撃戦闘機型のA型や、アビオニクスを改良したB型、エンジンを更に強化したC型が計画されたが、いずれも計画中止となっている。
; FFR-31MR/D スーパーシルフ
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:* その他、各種可視光・赤外線カメラ、赤外線ラインスキャン、コンフォーマル・マルチバンドESMセンサー等の各種偵察装備を装備可能
 
; [[雪風 (架空の兵器)#FFR-41 メイヴ|FRX-00 (FFR-41/FFR-41MR)メイヴ]]<ref>[http://www.faf.jp/archive/fafar/01/ra.html]</ref>
: FRX-99と同時に試験的に開発された有人戦術偵察機。双発複座。原作とOVAではメイヴの開発経緯が若干異なる。
: [[雪風 (架空の兵器)|雪風]]が本機にプログラムを転送したため以後は特殊戦1番機 (B-501) として運用されることになり、同時にパーソナルネーム「雪風」を引き継いで、パイロットも零が担当している。OVA版では同時開発されず、特殊戦に配備されたレイフを有人化改修した物となっており、1番機ではなく3番機として引き続き運用されている。レイフを原型として開発されたため、無人機並みの優れた機動性を発揮する。後に心理分析用ソフト「MAc Pro II」をインストールされ、その言語エンジンを応用することで、ある程度の人語によるコミュニケーションが可能となり、人語の命令を理解することもあった。OVA版後半では、機体表面にジャム機のような赤い紋様を発生させる視覚的な迷彩「ジャムセンスジャマー」を装備した。
; フリップナイト・システム
: システム軍団のカール・グノー大佐が提唱した[[UCAV|無人戦闘機]]システム。母機の指令を受けてジャムを迎撃するが、完全な自動行動も可能。無人機特有の高機動と、カートリッジ式で連射可能な[[光学兵器]]「レーザー機関砲」を備えた最新兵器。OVA版ではレイフの派生型として開発され<ref>そのため、本機の型式番号も「FRX-99」とされることもある。</ref>、さらに機首部分に[[核弾頭]]を装備し、自爆兵器としての運用も視野に入れられている。その機首の形状から「ハンマーヘッド」とも呼ばれ、ジャムの総攻撃に際して3機のフリップナイトがFFR-41に随伴して出撃した。
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=== 日本海軍 ===
; アドミラル56<ref>[http://www.faf.jp/archive/fafar/03/03_02.html#03_01]</ref>
: 日本海軍<ref>フェアリィ戦争勃発に伴い、[[海上自衛隊]]が改名した物。</ref>が有する[[原子力空母]]。艦長は南雲中将。原作では詳細な設定は存在しなかったが、OVA化されるにあたって新たに設定が付与された。
: 各国軍の戦力を統合的に運用する「地球軍構想」の一環として建造された空母群の1隻で、他の同級艦としては、アメリカ海軍の「ヒラリー・クリントン」級やイギリス海軍・オーストラリア海軍共用の「イーグル」、ヨーロッパ各国が共同開発した「グラーフ・ツェッペリン」等が存在する<ref>これらの艦は文字設定のみの存在であり、劇中には登場しない。</ref>。これらの艦は本来ならば完全な同型艦となる予定だったが、各国の要求性能や建造時期の違いから、それぞれ大きな差を持つ艦として就役した。なお、アドミラル56はこれらの艦の中でも後期に就役した艦であるため、他艦と比べると様々な改良が施されている。
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:* 乗員:3,200名
 
; F/A-27C<ref>[http://www.faf.jp/archive/fafar/03/03_02.html#03_02]</ref>
: 日本海軍が独自開発した、双発単座の多用途戦闘機。原作には機体名称や各種設定などは登場せず、OVA版で初めて設定された。高機動性とステルス性を重視した設計を持ち、艦隊防空や対地/対艦攻撃、SEAD(敵対空火器制圧)、偵察など多様な任務に対応可能なマルチロール機であり、大きな兵装搭載能力と航続力を有している。主翼の翼型は変形後退翼で、外半角のついた垂直尾翼とカナードを持った3サーフィス機である。エンジンノズルは可動ベーンが3枚ずつ装備されたスラスト・ベクタリングノズル。ステルス性確保のため兵装や増加燃料タンクは全て機内装備となっており、胴体内のエンジンと空気取り入れダクトの下に大型のウェポンベイを装備している。
: 国内の技術保持等の名目で、100%日本国内で設計・開発されたが、その代償として開発費と開発期間(特にソフトウェア関連)が大幅に伸び、一機あたりの単価が著しく高騰してしまった。しかし、その性能は他国の同級機と比較しても劣るものではない。艦載型のC型の他に空軍の支援戦闘機型であるA型と、計画中止となった陸軍用STOVL近接支援攻撃機であるB型が存在する。生産数はA型が98機、C型が55機と少ない。