「クロウミツバメ」の版間の差分

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=== 南硫黄島での繁殖状況 ===
現在クロウミツバメの繁殖が確認されているのは全世界で南硫黄島のみである。南硫黄島では[[1982年]]6月の調査時に繁殖がめて確認された。この時の調査では、標高916メートルある南硫黄島の中で、標高約750メートル以上の樹林帯で巣穴が発見され、南硫黄島の標高が高い地域で繁殖しているものと考えられた<ref>環境庁自然保護局(1983)pp.250-274</ref>。
 
南硫黄島では[[2007年]]6月に再び総合調査が行われ、やはり標高約700メートル以上の樹林帯で繁殖していることが確認された。クロウミツバメは地面に穴を掘って営巣するため、土壌が発達している地域しか営巣することが出来ない。そのため島の周囲が[[海食崖]]による断崖絶壁になっているなど、土壌の発達が悪い南硫黄島の標高の低い地域では営巣せず、標高が高い地域で営巣しているものと考えられる。2007年の調査では推定数万つがいという数多くのクロウミツバメが南硫黄島で繁殖していることが確認されている<ref>川上ら(2008)</ref><ref group="†">1982年の調査時は南硫黄島の標高約400メートルから750メートル付近は[[シロハラミズナギドリ]]が繁殖し、750メートル以上ではクロウミツバメが繁殖を行うといった住み分けがされているとの調査結果であったが、川上ら(2008)によれば、2007年の調査時はシロハラミズナギドリは山頂部でも繁殖が確認されており、25年の間に南硫黄島ではシロハラミズナギドリの分布の拡大が起こった可能性と、体格がより大きいシロハラミズナギドリがクロウミツバメの繁殖を圧迫している可能性を指摘している。</ref>。