「モン・ヴァントゥ」の版間の差分

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== 概要 ==
標高1912m。「プロヴァンスの巨人」という異名を持つ。''vent'' は[[フランス語]]で「風」を意味し、その名の通りに山頂部は風が強く、[[ミストラル]]の季節ともなると45m/sを越す突風が吹き荒れ、山頂へ至る道路が閉鎖されることも間々ある(実際、後述するツール・ド・フランスの[[ツール・ド・フランス2016|2016年大会]]では当初山頂まで登ってフィニッシュする予定だったコースが短縮されている)
 
この山は[[アルプス山脈|アルプス]]にも[[ピレネー山脈|ピレネー]]にも属さず、[[リュベロン山地]]の西方に立つ独立峰である。ちょうど西側山麓の丘陵地帯には[[ダンテル・ド・モンミライユ]]がある。山頂部は木立どころか潅木すらなく、むき出しの石灰岩が転がる荒涼とした景観が広がる。頂上部近くは非常に温度が低く、そのため[[スカンジナヴィア半島]]の北に浮かぶ[[スピッツベルゲン島]](北緯78度)地方の植物、例えばスピッツベルゲンユキノシタやグリーンランドの罌粟(けし)などが生育しているという珍しい山である。山には、針葉樹林の森が散在している<ref name="tuda1">奥本大三郎監修 津田正夫著 『ファーブル巡礼』 《 新潮選書 》新潮社 2007年 110ページ</ref>。これは数世紀前から造船のために木が切り出されてきた結果である。この不毛のピークは、遠方から望むと一年中雪を抱いているかのように錯覚させる。[[ローヌ渓谷]]を睥睨する孤立した姿はこの地域一帯を威圧し、晴天時には何マイルも彼方から観望を可能にする。山頂からの眺望は期待違わず素晴らしい。