「ヘモレオロジー」の版間の差分
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m →血液の粘性 |
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| coauthors = Hardeman M, Rampling MW, Meiselman HJ
| title = Handbook of Hemorheology and Hemodynamics
|
| publisher = IOS Press
| year = 2007
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|journal= Seminars in Thrombosis and Haemostasis
|volume=29
|pages=
|year=2003
|doi=10.1055/s-2003-44551
154行目:
:::剪断速度: <math>\dot \gamma = \frac{V}{H}</math>
心臓の拍動をシミュレートするために[[正弦波]]形で変化する流れを仮定する。粘弾性体が時間変化する流れに晒され、その位相
正弦波で表される時間変化は
:::剪断応力: <math>\tau^* = \tau e
:::剪断歪み: <math>\gamma^* = \gamma e^{-i \frac {\pi} {2}}</math>
:::剪断速度: <math>\dot
複素剪断応力の[[実部]]と[[虚部]]は以下のように表される:
:::<math>\tau^* = \tau'-i \tau''</math>
ここで
複素粘性率 <math>\eta^*</math> は複素剪断応力と複素剪断速度の比を取ることで得られる:<ref>T. How, ''Advances in Hemodynamics and Hemorheology,'' Vol. 1, JAI Press LTD., 1996,
:::<math> \eta^*= \frac
同様に、 複素動的弾性率 {{mvar|G}} は複素剪断応力と複素剪断歪みの比を取ることで得られる。
:::<math>G = \frac
複素貯蔵弾性率を {{math|''G''′}},
[[File:Maxwell diagram.svg|400px|right|thumb|図2 - Maxwellモデルの図解。ダッシュポットとばねを直列に接続している。]]
:::<math>G = G' + iG''</math>
180行目:
粘弾性体のMaxwellモデルは血液の粘弾性を表現するのによく用いられる。外力に対して応答の速いばねと応答の遅いダッシュポットを直列に接続したモデルである。このモデルを解析することによって複素粘性率をダッシュポット定数とばね定数で表すことが出来る。
:::<math> \eta^*=\frac
=== Oldroyd-B モデル ===
血液の粘弾性の構成モデルとしてよく用いられるものの一つに Oldroyd-B モデルがある。低剪断速度における赤血球の凝集と分散による剪断減粘性を特徴付けるOldroyd-Bの非ニュートン流体モデルには様々なバリエーションがある。ここでは運動量方程式、全応力テンソルと組み合わせた3次元の Oldroyd-B モデルを考える<ref>R. Bird, R. Armstrong, O. Hassager, Dynamics of Polymeric Liquids; Fluid Mechanic, 1987, 2,
<math> S + \gamma \left[ \frac{DS}{Dt}- \Delta V \cdot S-S \cdot{(\Delta V)}^T \right]= \mu (h,d) \left[ B + \gamma \left( \frac{DB}{Dt}- \Delta V \cdot B - B \cdot {(\Delta V)}^T \right) \right] - gA + C_1\left(gA - \frac {C_2I}{\mu (h,d)^2} \right)</math>
ここで
:::<math> S = \mu B + gA</math>
207行目:
その他、細胞表面に[[強磁性]]ビーズを結合させ、磁気ねじり血球計算法により赤血球の時間依存反応を調べることで粘弾性を評価する手法も用いられた<ref>M. Marinkovic, K. Turner, J. Butler, J. Fredberg, and S. Suresh, Viscoelasticity of the Human Red Blood Cell, American Journal of Physiology - Cell Physiology 2007, 293, 597-605.</ref>。
:::<math> T_s(t)=c H \cos \theta </math>
ここで {{mvar|H}} は与えられたねじれ[[磁場]]であり、
複素動的弾性率 {{mvar|G}} を用いて応力歪み関係を表すと、
:::<math>G = G' + iG''</math>
:::貯蔵弾性率: <math> G' = \frac
:::損失弾性率: <math> G'' = \frac
[[File:Torque-displacement.JPG|300px|right|thumb|図3 - 粘弾性を示すトルクと変位のグラフ]]
221行目:
上記の関係から、トルクの時間変化をグラフ化することにより図3のようなループが得られる。図は d を変位として、横軸 Ts(t) と縦軸 d(t) のグラフを表す。ループにより囲まれる領域の面積 A は1サイクルあたりのエネルギー損失にあたる。
以上より、位相角
:::<math> \phi = \sin^{-1} \frac {4A}{\pi \Delta T_s \Delta d}</math>
255行目:
; [[ニュートン流体]]モデル
: 全ての剪断速度で粘度が一定であるモデル。このモデルは高い剪断速度 (<math>\dot{\gamma} > 700\,
; [[ビンガム流体]]モデル
: 赤血球の低い剪断速度での凝集を考慮に入れたモデル。[[降伏応力]]の閾値付近では弾性体のように振る舞う。
; アインシュタインモデル
:<math> \mu_a =
: μ<sub>0</sub> は懸濁流体のニュートン粘度、''k'' は粒子の形状に依存する定数、''H'' は粒子の体積の割合。この構成式は粒子の占める体積割合が小さい懸濁流体に適用出来る。アインシュタインは球状粒子の場合は ''k'' = 2.5 であることを示した。
; Cassonモデル
:<math>
: ''a'' と ''b ''は定数。剪断速度が非常に小さい時は ''b'' が剪断応力に寄与する。実際の血液での実験データでは、単一の定数 ''a'', ''b'' の組み合わせでは剪断速度の全範囲でフィットしないが、剪断速度の範囲を分割して複数の定数の組み合わせを当てはめることにより良好な再現性が得られる。
; Quemadaモデル
:<math> \mu_a =
:<math> k =
:<math> \gamma_r =
: ''k''<sub>0</sub>, ''k''<sub>∞</sub>, γ<sub>c</sub> は定数。この構成式は広範囲の剪断速度での血液データを当てはめたものである。
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