「ハードポイント」の版間の差分

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[[File:JMSDF P-1(5506) Pylon in Iwakuni Air Base 20140914.JPG|thumb|250px|[[P-1 (哨戒機)|P-1]]のハードポイントに取り付けられたパイロン]]
[[File:US Navy 050311-N-3122S-008 Aviation Ordnancemen download an AN-AWW-13 Advanced Data Link pod from a weapons pylon on a P-3C Orion, assigned to the Tigers to Patrol Squadron Eight (VP-8) in Okinawa, Japan.jpg|thumb|250px|[[P-3 (航空機)|P-3]]のセンサー用のハードポイント(パイロン)とAN/AWW-1(電子戦ポッド)]]
[[File:Actions of Pro's Nest DVIDS96091.jpg|thumb|250px|メンテナンスのため取り外されたP-3のパイロン]]
 
搭載物の多くが[[航空機搭載爆弾]]、[[ミサイル]]、[[ロケット弾]]ポッドや[[ガンポッド]]といった[[兵器]]類であるが、[[増槽]]の搭載も可能なものがあり、また、[[電子戦]]ポッドなどを搭載する場合もある。投下物や銃砲ならば投下制御や発射制御を、誘導[[兵器]]や[[センサー]]類であればプログラムやデータなどの通信路を、それぞれケーブル接続するための端子をハードポイント側に備えておく必要があり、同様に燃料タンクならば燃料配管の接続口も必要である。搭載するためには荷重制限や[[空気力学|空力]]干渉、接続部の機構的な適合性だけでなく、[[射撃管制装置#火器管制システム (航空戦における射撃管制装置)|火器管制システム]]類を含む電気系統の対応も求められるため、搭載可能な兵装類はそれほど多種類には対応していない。大型機の場合は兵器用と電子戦ポッド用を分けることも可能であり、[[P-3 (航空機)|P-3]]は翼端にある兵器用のハードポイントとは別に、胴体下部にセンサー用のハードポイントを設置することで拡張性を確保している。
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一般的に機体下面のハードポイントには搭載物を直接吊さず「'''[[パイロン]]'''」と呼ばれる支持部品を介して搭載する。パイロンにはミサイル用のレール[[ランチャー]]や複数弾を搭載するためのマルチ・イジェクターなどとも呼ばれる個別、またはパイロンと一体の支持具が加わることがあり、この部分を総称して兵装支持架や兵器支持架と呼ばれることが多い<ref>翼端には短距離の空対空ミサイルだけ搭載可能とする機体では、パイロンは用いず翼端部に直接レールランチャーが備わっている</ref>。試験飛行など搭載する物がない場合はパイロンを外すことがある。
 
ハードポイントが多ければ必要に応じて多数の兵器類を機外搭載できるが、むやみに数を増やすことは得策ではない。ここに取付けられる物のほとんどが重量物であり、空力的な抵抗とるため、[[航続距離]]や飛行速度、運動性能といった[[軍用機|軍用航空機]]として重要な性能を低下させるためである。また、機外搭載する部分には機体構造の強化も必要となり、それに伴う重量増加は、機外搭載物を外しても除去できない。[[軍]]用の[[固定翼機]]では、左右対称に、翼下に4-10箇所、主翼端に0/2箇所、胴体下面に1-6箇所程度備えるものが一般的である。[[攻撃ヘリコプター]]では、機体固有の[[小翼]]がハードポイントや兵器支持架となるものもある。[[輸送]]/[[汎用ヘリコプター]]などの機外懸下用[[フック]]や[[クレーン#天井クレーン|ホイスト]]類は兵装支持架には含まれない。
 
[[ステルス性]]を有する[[戦闘機]]では、本来の性能を発揮するために機外搭載物を避ける必要があるが、そのような機体の多くが空中での[[ドッグファイト|格闘戦]]だけでなく、[[攻撃機]]のような異なる役割も果たす[[マルチロール機]]として位置づけられているため、狭い爆弾倉だけでは収容しきれない[[誘導爆弾]]類を多数機外搭載するためのハードポイントを多数備えている。超音速戦闘機の登場当初は、主翼を[[可変翼]]とすることで離着陸時と超音速飛行時の異なる空力特性に対応したが、角度が変わり構造的にも弱い可変翼部分にはハードポイントが設けられない<ref>例外として[[F-111 (航空機)|F-111]]が挙げられる。詳細は[[F-111 (航空機)#可変翼]]を参照のこと。また、[[トーネード IDS]]や[[トーネード ADV]]も主翼に合わせてパイロンの角度を変えるハードポイントを持っている</ref>ために、[[制空戦闘機|制空戦闘]]から[[空襲|爆撃]]任務まで1機種で多様な役割が求められる[[21世紀]]型の戦闘機では、運用柔軟性を選択していずれも可変翼を採用していない。既存の機体に対して[[コンフォーマル・フューエル・タンク]]を加えることによってハードポイントを増やす手法もある<ref>石川潤一 「ロシア空軍の戦闘爆撃機 [[Su-24 (航空機)|フェンサー]]から[[Su-34 (航空機)|フルバック]]へ」『[[軍事研究]]』2012年1月号、ジャパン・ミリタリー・レビュー、雑誌 03241-01、ISSN 0533-6716、72-75頁</ref>。