「機甲界ガリアン」の版間の差分

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一見すると中世騎士物語風の[[ファンタジー]]だが、実は[[サイエンス・フィクション|SF]]でもあるという、凝った構造の物語である。1年間(全50話)の予定で製作され放映されたが、メインスポンサーであった[[タカラ (玩具メーカー)|タカラ]](現・[[タカラトミー]])が発売した本作のプラモデルが売れず(これをもってタカラはプラモ事業を撤退)、主役ロボットの変形ギミック追加も売上に貢献せず、それに伴って放送期間が半年に短縮された。そのため前半のストーリーがじっくり展開するのに対し、最後の5話は怒涛の急展開を見せるが、あらかじめ放映短縮になっても終われるよう複数の構成プランを準備してあったため、大きなストーリー破綻は起こらずに済んだ。
 
これは本作に限ったことではなく、当時は一例として『[[機動戦士ガンダム]]』『[[銀河漂流バイファム]]』『[[蒼き流星SPTレイズナー]]』のように、1年間4クールの放送期間が諸事情で短縮または延長される前提で、最初から複数のストーリープランを用意しておくことは珍しくなかった(特に、サンライズによるリアルロボット路線のブーム中にはこの傾向が強くなった。リアルさや青年向け演出を強めすぎて子供離れを引き起こす事例が多かったため。本作においても英語だらけの主題歌は子供には不評だった。)。現在の様に1期1~2クールで人気が出れば(つまり映像ディスクや関連グッズなどが売れたら)、数ヶ月~数年後に続編放映することを決定するというショートサイクルのビジネスモデルではなく、関連商品(主に玩具)が売れていれば『[[太陽の牙ダグラム]]』の様に放送が即延長されることもあったが、逆に売り上げが悪ければ即打ち切り決定…という作り手にとっては厳しいサドンデスなビジネスモデルだった。これは当時のTVアニメは玩具(プラモ含む)のセールス次第あるいはスポンサー企業の業績次第でスポンサーが付いたり降りたりしていた、またアニメ番組であっても玩具や映像ソフトと無関係の企業もスポンサーになることが普通だった、時代背景による。現在は当時のような子供向けの玩具販促アニメの製作は減り、大半のTVアニメは視聴ターゲットも青少年以上となり深夜放送やローカル放送のオタク向け番組が増え、短期間1~2クールで1期として、その作品のブルーレイなどのディスクソフトや版権グッズの売上によって続編の制作が決定される(または当初予定していた2期以降の製作が中止される)。また当時の一部スタッフの雑誌やムックの証言にある通り、企画書では子供番組という触れ込みでスポンサー企業を故意に騙して、実際には大学生に受けるようなリアリティある作品をつくる、という一種の背信行為を日本サンライズが横行させていたことも、人気と売上が結びつかなかったり、それによって放送短縮や最悪はスポンサー倒産に陥る、原因になっていた。当時はまだ子供向け玩具販促アニメ・特撮番組や米国輸入アニメばかりで、青年層向けのリアルロボット路線は生まれたばかりだったことで、こうした苦肉の策が取られていた。
 
なお、[[塩山紀生]]は「一年は無理だが、半年間の放送なら出来る」という条件でオファーを引き受けたため、結果的には全話の作画監督を務ることとなった。