「フェアリー ソードフィッシュ」の版間の差分

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== 評価 ==
[[画像:The Royal Navy during the Second World War A22094.jpg|thumb|200px|MACシップの飛行甲板上に係止されているソードフィッシュ]]
<!-- 搭載していたペガサスエンジンの稼働率が高く、[[練習]][[タイガーモス]]よりも簡単とされた操縦性の良さから -->その融通性から[[パイロット (航空)|パイロット]]達が与えた有名なあだ名ストリングバッグ(網袋)というものがある。その由来については、空中戦以外は何でも出来る使い勝手の良さを、何でも入る買い物篭の意)袋に例えた呼ばいう説と、帆布張りで張線が張り巡らさた<ref name="FAAA" />ていることから、という説があるが、おそらくどちらも正しいのであろう。ソードフィッシュが採用された時点で、航空業界には全金属・[[単葉]]の機体が普及しつつあったが、[[艦載機]]の分野では、まだ保守的な設計が主流であり、ソードフィッシュにも実用性を第一とし実績のある複葉と鋼管骨組み羽布張りが採用された。
 
ソードフィッシュは当時としては旧式である複葉機であり、同時代の最新鋭機に比べ低性能ではあったが、[[第二次世界大戦]]の[[ヨーロッパ]]方面の戦闘に於いてそれなりに活躍する事が出来た。それは[[ドイツ]]や[[イタリア]]などの欧州方面[[枢軸国]]が洋上作戦を展開するための[[航空母艦]]などの航空兵力を保持し得なかったことと、艦隊決戦よりも[[シーレーン]]防衛を重視したイギリス海軍の戦略によるところが大きい。
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本機は、低速ながら極めて運動性・操縦性が良く、その旋回には、並みの戦闘機ではとても追随できなかった。仮に背後についても、あまりに低速であったため、フラップを最大にし、脚を下ろした失速ぎりぎりの状態で攻撃せねばならず、逆に失速して墜落する機が後を絶たなかった。たとえ高速による一撃離脱攻撃を行っても、エンジンや操縦席などの重要部に被弾しない限り、飛び続けるので厄介だった。[[ビスマルク (戦艦)|戦艦ビスマルク]]を攻撃したさいには、攻撃機の進入速度に合わせて砲弾が至近距離で炸裂する当時最新式の対空砲の迎撃を受けた。ところが、ソードフィッシュの進入速度が対空砲の入力下限をさらに下回る低速だったため、ビスマルクの放った対空砲弾のほとんどはソードフィッシュのはるか前方で炸裂した。結局、この低速が幸いしてソードフィッシュ隊は魚雷攻撃でビスマルクの舵を破壊する致命傷を与えたうえ全機無時に帰還することができた。
 
本機の特徴として、前述の運動性の他に、ペガサスエンジンの稼働率の高さから来る抜群の信頼性と、素直な飛行特性があった。[[練習機]][[タイガーモス]]よりもさらに操縦が容易とされた操縦性の良さで、新米パイロットでも意のままに振り回すことが出来た。しかも、並みの航空機なら墜落してしまうような無茶な操縦をしても、平然と飛び続けることが出来た。カタログ・データには表れぬこの稀有な特質こそが、本機に多くの戦功を与えたのだと言っても、決して間違いではない。
 
ソードフィッシュ以降、イギリス海軍は後継雷撃機の独自開発を行い、[[フェアリー アルバコア]]、[[フェアリー バラクーダ]]等を送り出すが、どの機体もソードフィッシュに比べ評価が低く、ソードフィッシュ以上の評価を得たイギリス製雷撃機は現れず終いとなってしまった。一部部隊では、アルバコアの受領後にソードフィッシュに戻った部隊もあった。