「ダルムシュタット夏季現代音楽講習会」の版間の差分

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'''ダルムシュタット夏季現代音楽講習会'''(ダルムシュタットかきげんだいおんがくこうしゅうかい、Internationale Ferienkurse für Neue Musik, Darmstadt)は、[[ドイツ]]の[[ダルムシュタット]]で[[1947年]]より行われている、世界的に名の知られた[[現代音楽]]の講習会であり、現在も大きな影響力を持っている。
 
== シュタイネッケ時代 ==
== 黎明期 ==
[[ファイル:Bundesarchiv B 145 Bild-F004566-0002, Darmstadt, Internationaler Kurs für neue Musik.jpg|right|200px|thumb|1957年の講習会で講義を行う[[カールハインツ・シュトックハウゼン]]]]
開始当初は毎年行われ、[[オリヴィエ・メシアン]]や[[ルネ・レイボヴィッツ]]らを講師とし、[[新ウィーン楽派]]のみならず[[イーゴリ・ストラヴィンスキー|ストラヴィンスキー]]など[[新古典主義音楽|新古典主義]]や[[バルトーク・ベーラ|バルトーク]]などの同時代作曲家らの研究が主な講習内容だったが、やがて[[新ウィーン楽派]]の中でも[[アントン・ヴェーベルン|ヴェーベルン]]の極小様式の研究へと対象が絞り込まれ、[[セリー・アンテグラル]](総音列主義)を推し進めた[[ピエール・ブーレーズ]]、[[カールハインツ・シュトックハウゼン]]、[[ルイジ・ノーノ]]らが、このダルムシュタットを代表する戦後世代の若手作曲家として台頭するようになった。[[エアハルト・カルコシュカ]]や[[テオドール・アドルノ]]などが理論面を強固に支えた。
 
一方で[[ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ]]や[[ハンス・ツェンダー]]など、ダルムシュタットの潮流を忌避する立場を取る作曲家もいた。後には[[リゲティ・ジェルジュ|ジェルジ・リゲティ]]や[[ヤニス・クセナキス]]など、[[セリー・アンテグラル]]とは異なる方法論を持つ作曲家も講師に招かれ、現代音楽の最前衛の動向を紹介する重要な講習会となった。中でも[[ジョン・ケージ]]が招かれた際には、彼の[[偶然性の音楽|偶然性]]の概念がヨーロッパ中で大流行し、ブーレーズによる「管理された偶然性」の提唱によって、[[エクスペリメンタリズムの音楽|アメリカ実験音楽]]とは異なるヨーロッパ流の偶然性理論を展開するきっかけともなった。[[ヴォルフガング・シュタイネッケ]]は活動当初から[[1961年]]まで主宰を務めた。
 
== トマス時代 ==