「意味ネットワーク」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
Dgbjdjg (会話 | 投稿記録)
大幅追記
1行目:
 '''意味ネットワーク'''(いみねっとわーく、{{Lang-en-short|semantic network}}, {{Lang-en-short|frame network}}'''[[人間]][[記憶]]の一種である[[意味記憶]]の構造を表すためのモデルである。
[[概念]]の間の意味関係を表現する[[ネットワーク]]である。[[知識表現]]でよく利用される。概念を表す[[節]]と、概念の意味関係を表す[[辺]]からなる、[[有向グラフ]]または[[無向グラフ]]である。[1]
意味ネットワークは[[:en:Allan M. Collins|コリンズ]]とキリアンによって考えられた。
== 歴史 ==
 "セマンティックネット Semantic Nets"は[[1956年]][[ケンブリッジ]]言語研究所ユニットのリチャード・リチェンスが[[機械翻訳]]と[[自然言語]]の間の計算機向け言語として発明した。1960年代初期に「SYNTHEXプロジェクト」の一部として、[[ロバート・シモンズ]][2]、シェルドン・クラインとカレン・マコノログ、[[ロス・キリアン]][3]、ほかのシステム開発企業らが独自に開発した。のちに[[アラン・コリンズ]]とキリアンの論文によって広く知られるようになった。(e.g., Collins and Quillian;[4][5] Collins and Loftus[6] Quillian[7][8][9][10])
 1980年代後半に[[オランダ]]の[[フローニンゲン大学]]と[[トゥウェンテ大学]]が共同で「知識グラフ」と呼ぶプロジェクトを始めた。[[知識グラフ]]とは、[[グラフ理論]]の代数を活用する目的で、意味ネットワークの辺に「ありうる関係の有限の集合からなる」とする制約を加えたものである。[11] その後の10年間で意味ネットワークと知識グラフの区別はなくなった。[12][13] 2012年には[[Google]]が[[ナレッジグラフ]]と呼ぶ知識グラフを公表した。
 
== 基礎 ==
人間の記憶は、[[コンピュータ]]の記憶と異なる構造を持つので、ビットやバイトといった[[情報量]]で表すことができない。そのため、このようなモデルが必要となる。[[集合論]]を基礎としたモデルなどもある。
 意味ネットワークは、ある物事がほかの物事と関係する概念の集合としてもっともよく理解できる知識をもつときに使える。ほとんどの意味ネットワークは[[認知]]に基づいている。[[分類]]階層のなかで体系化できる[[弧]]や節からなる。意味ネットワークは[[活性拡散]]モデル、[[継承]]、プロトオブジェクトとしての節などのアイデアに貢献した。
 
== 解説 ==
ノード(円)が概念、リンク(矢印)が関係を表す。
 人間の記憶は、[[コンピュータ]]の記憶と異なる構造を持つので、ビットやバイトといった[[情報量]]で表すことができない。そのため、このようなモデルが必要となる。[[集合論]]を基礎としたモデルなどもある。
リンクには「である(isa)」、「もつ(hasa)」などがある。
 
 ノード(円)が概念、リンク(矢印)が関係を表す。リンクには「である(is-a)」、「もつ(has-a)」などがある
意味ネットワークのデータベースを実現するには、
 
 意味ネットワークのデータベースを実現するには、
「太郎は 日本人である」
「日本人は 人種である」
「人間は 人種を持つ」
「人間は 動物である」
 のような上下関係のリストを作成する。その上で
「太郎は 動物であるか?」
 とデータベースに問い合わせると、ノード「太郎」から上方に探索すればノード「動物」に達するので、答えは「太郎は 動物である」または「そうです」となる。このように意味ネットワークを応用すれば、ちょっとした応答型ロボットの対話プログラムを作成することができる。
 
== 関連項目 ==
*[[意味ニューラルネットワーク]]
*[[記憶]]
*[[抽象意味グラフ]]
*[[認知心理学]]
*[[チャンキング]]
*[[レパートリーグリッド法]]
*[[オントロジー]]
*[[語義明瞭化]]
*[[意味語彙集]]
*[[疎分布記憶]]
 
{{DEFAULTSORT:いみねっとわーく}}