「アーチ」の版間の差分

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ローマのアーチは半円形で、奇数個のアーチ用の石([[迫石]])で構成されている。奇数個の石になるのは、アーチの頂上に要石が1つ必要だったからである。ローマのアーチは建設が容易だが、強度は最強というわけではない。側面が外側にふくらむ傾向があり、それを相殺するために石積みの重量が逆方向にかかるよう余分に石が必要になる。ローマ人は水道、宮殿、円形競技場などの建築物に、この半円形のアーチを多用した。
 
{{Anchors|尖頭アーチ}}ヨーロッパでは、半円アーチに続いて[[ゴシック建築|ゴシックアーチ]]または[[尖頭アーチ]]が生まれた。これらは中心に向かってより大きな力がかかるようになっており、したがって半円アーチよりも強い。半円アーチを少しつぶした形の[[楕円]]アーチは[[サンタ・トリニタ橋]]などに見られる。[[ゴシック建築]]の体系を賞賛していたスペインの建築家[[アントニ・ガウディ]]は、自然法則に見られる形状を建築に導入することに熱心で、そのひとつが[[カテナリー曲線|カテナリー]]を上下逆にしたアーチ「カテナリーアーチ」である。それは「建築学的[[松葉杖]]」と呼ぶ扶壁のためだっ[[フライング・バットレス|飛梁]]を嫌いカテナリーアーチを使用した。カテナリーアーチは、今日では力学的に安定であることがわかっている(直感的には、懸垂状態において部材の引っ張り力のみでバランスが取れている形状なのだから、それを逆にしたものは圧縮力のみでバランスが取れる、と理解できる)。こんにちでは、カテナリに似た、放物線その他の曲線が使われることもある。
 
[[馬蹄]]形アーチは半円アーチに基づいているが、両側が一旦広がってから窄んでいる。この形状のアーチとしては、紀元1世紀のインドで岩に彫ったものが知られているが、くみ上げられた馬蹄形アーチとしては、3世紀から4世紀の[[アクスム王国]](現在の[[エチオピア]]から[[エトルリア]])のものと[[シリア]]のものが知られている<ref>Stuart Munro-Hay, ''Aksum: A Civilization of Late Antiquity''. Edinburgh: University Press. 1991. ISBN 0-7486-0106-6, p.111.</ref>。スペインの西ゴート様式の建築、[[イスラーム建築]]、[[ムデハル様式]]の建築で使われ、[[ダマスカス]]の[[モスク]]や[[ムーア人|ムーア]]風建築に見られる。馬蹄形アーチは強度よりも装飾性を重視したものである。