「実効値」の版間の差分

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'''実効値'''(じっこうち、{{lang-en|effective value, root mean square value, '''RMS'''}})は、[[交流]][[電圧|の電圧]]又は[[電流]]の値の表現方法の一種である。ある[[交流]]圧を抵抗負荷]]加えた場合と、ある[[流]]電圧を加えた場合とで交流電圧の1周期における平均[[電力]]と、同じ抵抗に[[直流]]電圧を加えた場合の電力, 互いに等しくなるときに、この交流電圧と交流電流の実効値それぞれ, その直流電圧と直流電流と同じ値の実効値をもつであると定義される。交流電力の計算に使用される電圧・電流は、通常は実効値で表示される。
 
==正弦交流の最大値との関係==
''t'' を時刻とする。[[電気抵抗]]成分を ''R'' ([[オーム|&Omega;]])その両端に加える電圧の瞬時値を ''v''(''t)'') ([[ボルト (単位)|V]])その最大値(波高値と称する場合もある振幅)を ''V<sub>m</sub>'' ([V)]、実効値を ''V<sub>e</sub>'' ([V)、平均値を ''V<sub>av</sub>'' (V)]、流れる電流の瞬時値を ''i''(''t)'') ([[アンペア|A]])その最大値を ''I''<sub>m</sub>'' ([A)]、実効値を ''I<sub>e</sub>'' (A)、平均値を ''I<sub>ave</sub>'' ([A)]、[[電力#有効電力|有効電力]]の瞬時値を ''P''(''t)'') ([[ワット|W]])その平均値を ''P<sub>R</sub>'' (W)、[[交流]]の[[角速度]](角振動数または角周波数)を ''&omega;'' ([[ラジアン|rad]]/[[秒|s]])、周期を ''T'' [s]とする。これらの定義より,
 
有効電力の平均値は、電流と電圧の積の平均であるから電気抵抗と電流を使うと次のようになる。
{{Indent|
<math>i(t) = I_m \sin \omega t</math><br />
<math>v(t) = R I_mV_m \sin \omega t</math><br />
 
<math>P(t) = R i(t)^2 = R {I_m}^2 \sin^2 \omega t = R {I_m}^2 \frac{1}{2}\left(1 - \cos 2 \omega t\right)</math>
これらを[[オームの法則]]<math>v(t) = R i(t)</math>に代入すると, <math>V_m = R I_m</math>を得る。
}}
 
[[周期関数]]であるので、1[[周期]]にわたって[[積分]]し周期 ''T'' で割り平均電力を求める。
また, 電力は電流と電圧の積であるから,
<math>P(t) = R i(t) v(t) = I_m V_m \sin^2 \omega t = R {I_m}^2 \sin^2 \omega t = R {I_m}^2 \frac{1}{2}\left(1 - \cos 2 \omega t\right)</math>
となる。
 
この''P''(''t'') は[[周期関数]]であるので、1[[周期]]にわたって[[積分]]し周期 ''T'' で割れば平均電力:
 
{{Indent|<math> P_R = \frac{1}{T} \int_0^T R {I_m}^2 \frac{1}{2} \left(1 - \cos 2 \omega t \right) dt = \frac{R {I_m}^2}{2T}\left[t - \frac{1}{2 \omega}\sin 2 \omega t\right]_0^T</math>}}
 
第二項は、''ωT'' = 2''[[円周率|π]]'' であるので、積分すると第2項は0となるので, 上の式は次のようになる。
 
{{Indent|<math> P_R = R\left(\frac{I_m}{\sqrt{2}}\right)^2</math>}}
 
また、これを電圧で表すと次のようになる。ただし、''V<sub>m</sub> = R I<sub>m</sub>''とする。
 
{{Indent|<math> P_R = \frac{1}{R} \left(\frac{V_m}{\sqrt{2}}\right)^2</math>}}
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また、最大値/実効値を波高率という。
 
==正弦交流の平均値と実効値の関係==
正弦交電圧と電流のぞれぞれについて, 絶対値の平均を「正弦交流の平均値」という。それぞれを''V''<sub>av</sub> [V], ''I''<sub>av</sub> [A]とする。これら、周期関数,電流や電圧の値が正である範囲で、半周期にわたってそれぞれを積分し, 半周期 ''T''/2 で割り平均をれば:
 
{{Indent|<math> V_{av} = \frac{2 V_m}{T}\int_0^{T/2} \sin \omega t dt = \frac{2 V_m}{\omega T}\left[- \cos \omega t\right]_0^{T/2}</math>}}