「大脳基底核」の版間の差分

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[[File:Basal-ganglia-2.jpg|thumb|right|250px|図3 大脳基底核を取り巻く神経回路の相関模式図。グルタミン酸作動経路は赤、ドーパミン作動性経路は青、GABA作動性経路は緑で示す。Kortex : 大脳皮質。Striatum : 線条体。SNC : 黒質緻密部。GPI : 淡蒼球内節。SNR : 黒質網様部。GPE : 淡蒼球外節。STN : 視床下核。Thalamus : 視床。]]
 
* 下記のように「大脳皮質→大脳基底核→視床→大脳皮質」というループが形成されている。[[運動野]]([[一次運動野]]・[[補足運動野]]・[[運動前野]]、[[ブロードマンの脳地図]]のそれぞれ4と6)から始まって運動野に戻るループを'''運動系ループ'''(motor({{en|motor loop)loop}})と呼び、四肢の運動をコントロールしているといわれる。同様なループが、大脳皮質のうち[[前頭前野]]・[[前頭眼野]]・辺縁皮質などを起点にして始まっており、それぞれ'''前頭前野系ループ'''(prefrontal({{en|prefrontal loop)loop}})・'''眼球運動系ループ'''(oculomotor({{en|oculomotor loop)loop}})・'''[[大脳辺縁系|辺縁系]]ループ'''(limbic({{en|limbic loop)loop}})と呼ばれる<ref>{{cite journal
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}}</ref>。
 
=== 直接路 (direct pathway) ===
:: 大脳新皮質([[グルタミン酸]])→[[線条体]]([[γ-アミノ酪酸|GABA]])→[[淡蒼球]]内節/[[黒質]]網様部(GABA)→運動性[[視床]]核(グルタミン酸)→運動性大脳新皮質領野
 
: 大脳基底核の出口に位置する、淡蒼球内節および黒質網様部のGABA作動性[[ニューロン]]は、常時高頻度発火して投射先の視床のニューロンの活動を強く抑制している。線条体の直接路投射ニューロンからのGABA作動性出力は、この淡蒼球内節および黒質網様部のGABA作動性ニューロンを抑制する。すなわち途中に抑制性の結合が2回含まれるために、大脳基底核の出力先に当たる運動性視床核のニューロンは'''脱抑制'''され、発火頻度が上昇する。大脳新皮質からの運動指令が線条体の直接路ニューロンを興奮させると、このようにして運動性視床核における興奮性が上昇し、運動性皮質領野への興奮性出力が増える。この仕組みが運動の開始において重要だと考えられている。
 
=== 間接路 (indirect pathway) ===
:: 大脳新皮質(グルタミン酸)→[[線条体]](GABA)→[[淡蒼球]]外節(GABA)→[[視床下核]](グルタミン酸)→[[淡蒼球]]内節/[[黒質]]網様部(GABA)→運動性[[視床]]核(グルタミン酸)→運動性大脳新皮質領野
: および
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=== ハイパー直接路あるいは皮質視床下核路 ===
:大脳新皮質から視床下核へ直接の興奮性投射が存在することが知られ、皮質刺激を行った際に、基底核の出力核への影響が3つの経路の中で最初に見られることから、直接路より速いという意味で、ハイパー直接路(hyperdirect({{en|hyperdirect pathway)pathway}})と呼ばれている<ref>{{cite journal
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