「赤外線銀河」の版間の差分

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赤外線銀河は大量のガスを含む。中心部の水素分子密度が、天の川銀河のそれに比べて数十 - 数百倍ある<ref>Sanders et al. 1996, p.768</ref>。単純な円運動だけでなく、乱気流をなして激しく運動していることが観測される。ミラベルらが遠赤外線<ref>ここでは波長40-500μmの領域のこと。</ref>の光度が 2×10<sup>10</sup><math>L</math><small><math> _{\odot} </math></small>より大きい銀河について調べた報告によれば、太陽質量の5×10<sup>8</sup>から 3×10<sup>10</sup>倍の質量の水素原子を含む。ただし、水素原子の量と遠赤外線光度の間に明確な関係はない<ref>I. F. Mirabel, D. B. Sanders "21 centimeter survey of luminous infrared galaxies" The astrophysical journal, Vol. 335, 1998, p.104</ref>。水素分子は単離水素より存在量が多く、1-30×10<sup>9</sup><math>M</math><small><math> _{\odot} </math></small><ref><math>M</math><small><math> _{\odot} </math></small>は太陽質量を意味する。</ref>ほど存在する。これは天の川銀河の7-20倍の量に当たる<ref>Sanders et al. 1996, p.767</ref>。また、その大量の分子ガスのために、新しい星が多く生まれている。天の川の銀河系では、1年間に太陽の質量1ヶ分程度の新しい星が生まれているのに対し<ref>[http://www.sci.nagoya-u.ac.jp/kouhou/03/p10_11.html 芝井 広『銀河誕生の謎に迫る』名古屋大学理学部・理学研究科 広報誌 03, 2002年, pp.10-11]</ref>、例えば、典型的な超高光度銀河の周辺部では合計して太陽質量の10-20倍、中心部では太陽質量の50-80倍もの量の新しい星が生まれている<ref>Murphy et al. chapter 4.1</ref>。
 
宇宙には[[メーザー誘導放出]]によって[[マイクロ波]]を発している天体がある。特に赤外線銀河の中には、天の川銀河内に見られるOHメーザー([[水酸基]]から放射されがメーザー媒質になってい天然[[メーザー]])と比べて10<sup>6</sup>倍もの強さのOHメーザーマイクロ波を発しているものOHメーザーが存在することが知られている。このような強力な天然メーザーはメガメーザーと呼ばれる。1982年、超高光度赤外線銀河のArp 220(IC4553)内にメガーザーが発見されて<ref>W. A. Baan, P. A. D. Wood, A. D. Haschick "Broad hydrosyl emission in IC4553" The Astrophysical Journal, Vol. 260, 1982, pp.49-52</ref>以来、多くのメガメーザーが見つけられている<ref>バーンは1993年に出版された書籍(ed.
A. W. Clegg, G. E. Nedoluha 'In Astrophysical Masers' Springer Verlag, 1993, New York p. 73)の中で、約50のメガメーザーを挙げている(Sanders et al. 1996, p.769)</ref>。メガメーザーの多くは、赤外線光度が2×10<sup>11</sup><math>L</math><small><math>_{\odot} </math></small>より大きく、f<sub>60</sub>/f<sub>100</sub>が0.75-1.2の赤外線銀河に見つかっている<ref>I. F. Mirabel, D. B. Sandars "OH Megamasers in high luminosity IRAS GALAXIES" The Astrophysical Journal Vol. 322, 1987, p.692</ref>。銀河の中では、星間ダストから放射される赤外線によって水酸基が励起され、そのエネルギーがメーザーマイクロ波として誘導されているものと考えられている<ref>W. A. Baan, A. D. Haschick "The peculiar galaxy IC 4553: VLA-A observations of the OH megamaser" The Astrophysical Journal Vol. 279, 1984, pp.541-549</ref>。
 
==研究の歴史==