「伊号第五十三潜水艦」の版間の差分

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10月19日、伊53は[[捷号作戦]]に参加するために呉を出港し、レイテ島東方へ進出。11月4日0100、[[マニラ]]東方650浬地点付近で米駆逐艦と遭遇し38時間にわたって爆雷攻撃を受ける。このため、深度150mまで潜航して退避する。22日、伊53は呉に帰投した後、[[回天]]搭載工事を受ける。
 
12月27日、伊53は回天特別攻撃隊(金剛隊)の1隻として呉を出港する。[[1945]]1月12日0000、[[パラオ]]・コッスル水道沖で浮上して回天搭乗員を各艇に搭乗させてから潜航。0349、コッスル水道から4浬離れた海域に到着し、1番艇の久住宏中尉(海兵72期)艇を発進。それからまもなく、爆発音を聴取。これは、発進直後に艇尾の機械室で機関のピストンが破裂して爆発したためで、海中の火の光は伊53の潜望鏡一杯に写った。機関に送られる酸素により火炎を噴きながら浮上した久住艇は、発進から約5分後に自沈した。続いて3番艇の久家稔少尉(兵科4期)艇の発進命令が出るも、機関が始動せず発進に失敗。続けて2番艇の伊東修少尉(海機54期)艇、4番艇の有森文吉 上等兵曹艇の順番に回天を発進させる。それから20分後、2つの爆発音を聴取。潜望鏡で敵基地施設に命中したことを確認した。それからすぐに回天搭乗員救助のために危険を承知で浮上。3番艇を調べた結果、3時間余りの搭乗による高温と、浸水した海水と燃料の混合により発生したガスにより久家少尉が意識を失っているのを発見した。伊53潜は久家少尉を救出して収容。そのまま急速潜航して南へ向かった。その頃、米戦車揚陸艦LST-225は水道内にある礁湖の中で停泊中、前方で停泊中の姉妹艦LST-131の後方海面に筋を引く波を発見した。魚と思って見ていたところ、0701にLST-131が突然砲撃を始めたので潜望鏡と気付き、LST-225も艦首前方800mに来た回天へ射撃を開始した。水面上を浮上航走する回天の進路上には米工作艦[[プロメテウス (工作艦)|プロメテウス]](''USS Prometheus, AR-3'')が停泊していた。回天はLST-225の艦首を右舷側に通過し、横500mを通り過ぎようとしたので、同艦は装備する全ての砲火をこの回天に撃ち込んだ。命中弾が多数あったものの、0703に回天は浮上したまま向きを変えてLST-225に真横から接近し、45mまで追って0705に大爆発した。爆発で100mもの黒い水注があがり、LST-225は大きく揺さぶられてハッチ蓋が吹き飛び、甲板上の乗員は薙ぎ倒された。
 
同日夜、パラオ西方沖合に到達した伊53は残された回天を海中投棄した。26日、呉に帰投して整備を受ける。この時、前部14cm砲を撤去し、空いた前甲板に回天2基を搭載し、合計6基搭載となった。また、[[三式一号電波探信儀三型|13号電探]]と[[シュノーケル (潜水艦)|シュノーケル]]の設置が行われた。整備完了後、[[大津島]]に移動。