「市街戦」の版間の差分

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S-alfeyev (会話 | 投稿記録)
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* 近代[[建築物]]は軽度の[[砲撃|砲]][[空襲|爆撃]]や[[火災]]によっても容易には破壊できず、強固な掩体として機能する。また残った建物が遮蔽物となり、[[銃]]・砲・[[ミサイル]]の射程が限られ、目標捕捉や探知、友軍との通信も困難となる。
* 道路や建物の配置は年々変化するため最新の都市構造に通じた側に有利となる。防御側は待ち伏せがしやすくなる。
* 道路幅によっては[[戦車]]などの大型車両が通行できないことがある。逆に整備された道路は[[装輪装甲車]]などの起伏に弱いが速度に優れる車両に有利となる。ただし崩れた瓦礫によって交通が阻害される<ref group="出典">『軍事研究2007年12月号別冊 新兵器最前線シリーズ5 世界のハイパワー戦車&新技術』 (株)ジャパン・ミリタリー・レビュー。{{ISSN|0533-6716}}、{{NCID|AN00067836}}。</ref>など、戦況に応じて変化する。
* 歩兵は遮蔽物の死角からの奇襲や建物内部の調査が多くなるため、[[CQB]]などの突発的な接近戦に対応する技術を習得する必要がある。
* 逃げ遅れた[[民間人]]が存在すればと私服の[[ゲリラ]]は目視での敵味方識別が難しく、[[兵器]]、[[作戦]]、[[戦術]]が制限される。
* 明確な[[戦線]]が存在せず、事前の作戦や[[兵站]]計画の立案は困難となって、流動的な対応を迫られる。
* 自然環境での行動を前提とした従来の[[迷彩]]は、コンクリート製のビルやアスファルトの道路などモノトーンで幾何直線的な構造物が多い市街地では効果が減じられ、緑や茶色を基本とした[[戦闘服]]は逆に目立つ事もある。対策として[[灰色]]や[[黒]]色を四角形モザイク状のパターンで配置するした都市迷彩が考案された。
 
近代戦においては、戦況不利となった陣営が防御戦闘のために市街地区を防御[[陣地]]として利用する場合が多い。交通両脇に建物がある道を遮断しは容易に封鎖が可能で無数の資材建物自体を利用して強固な防御陣地をすれば短時間に構築できる。無数の有効な火点を立体的に設定できる狭隘な市街中心部には[[装甲戦闘車両|大型の戦闘車両]]の投入が難しい。[[レーダー]]や[[赤外線]][[暗視装置]]、ナイトビジョンといった[[センサー]]類も、開けた土地より格段に使いにくくなる。防御側は事前に地形と街区の情報が得られ、戦術的に優位に戦うことができる。
 
これらにより、市街戦では攻撃側に不利となる要素が多い。その一方で、戦闘を避けて迂回されると防御側は友軍より孤立して、篭城戦や飢餓耐久状態になることがある。また市街地と外を繋ぐ道路は限られているため、撤退ルートが固定される。攻撃側には都市市街部への攻撃実行の選択権があり、側背攻撃の危険を受忍すれば迂回できる。また、都市占拠の事実は、彼我双方にとって心理的影響があり、また、[[戦争]]終結前後での政治的影響が大きく、戦略的目標となり得る。
 
== 市街戦の例 ==