「石器時代」の版間の差分

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地域によって違うが、[[オリエント]]の[[肥沃な三日月地帯]]では紀元前8000年頃に、[[中央アメリカ|中米]]や[[メソポタミア]]では、紀元前6000年頃に始まった。
地質学的にいうと、人類が現生動物と共存する完新世に属し、磨かれた石の道具である磨製石器を主な道具としていた時代でもある。この時期のもっとも重要な出来事は定住の開始であり、さらにこれに伴って[[土器]]の使用、農耕や家畜の飼育が始まり、自給自足の生活へと変わっていったことから「[[新石器革命]]」とよぶことがある。もっとも、定住を開始したために農耕や土器製作などがはじまったのか、それとも農耕などの各種技術の発見によって定住を開始することになったのかはわかっていない。とくにこの時期に行われた[[オオムギ]]や[[コムギ]]など[[穀物]]の栽培化は人類の食糧基盤となり、家畜は食糧源や輸送・労働力として重要なものとなり、また土器は石器に比べはるかに製作・成形しやすいものであり、より高度な道具の制作が可能となった。こうした発明は以後の技術発展の基礎となるものであり、人類の繁栄の基盤となった。また、この新石器革命は社会を複雑化させるきっかけとなった。効率的な食料生産はそれまでよりもはるかに大きな人口を扶養することが可能になり、莫大な社会余剰を生み出した。この社会余剰を元に、食料生産に直接的に従事しない[[スペシャリスト]]が生まれ、さらに食糧生産をより増大させるために[[灌漑]]などの土木工事が始まり、それを実行するために社会の組織化が始まった。しかしはじまりの時期が違うように、生活様式は、地域で大分違っていた。例えば日本の[[縄文時代]]も新石器時代に位置づけられるが、日本で農耕が発達するのは縄文時代中期以降であり、牧畜は縄文時代を通じて存在しなかった<ref group="注">日本は、石器時代から近世まで南九州や南西諸島を除き牧畜が発達しなかった点で特異である</ref>。
 
== 金石併用時代と石器時代の終焉 ==