「垂直離着陸機」の版間の差分

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アメリカはイギリスが開発したハリアーにいち早く関心を示し、[[強襲揚陸艦]]の搭載機として海兵隊が採用した。さらには発展型の[[ハリアー II (航空機)|ハリアー II ]]を開発し、元の開発国であるイギリスに逆輸出されるに至っている。1960年代から1970年代にかけて、大型空母の代替として[[制海艦]]構想が生まれ、搭載機としてマッハ2級の超音速戦闘機[[XFV-12 (航空機)|XFV-12]]を開発したが、結局実用化には至らず、制海艦構想も実現しなかった。ただしその構想は、強襲揚陸艦を必要時に空母の代替として運用するという形で活かされ、また他国の海軍の軽空母に影響を与えた。
 
[[File:Aircraft.osprey.678pix.jpg|thumb|right|200px|初の実用ティルトローター機 [[V-22]]。]]
[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]は1977年に[[XV-15 (航空機)|XV-15]]([[:en:Bell XV-15|en]])というティルトローター機を開発した。ニコラ・テスラのフリーバーから始まり、1950年代にはXV-3やXV-15といった実験機で実験が続いていたこの方式は、JVX計画により本格的な実現に向けた開発が始まった。これには以前から同システムの実験機を開発していた[[ベル・エアクラフト|ベル]]などが開発に携わっている([[V-22 (航空機)|V-22]]の原型ともいえる[[X-22 (航空機)|X-22]]もベルが製作)。この計画はV-22(愛称オスプレイ)として結実し、同機体は現在配備が進められている。また民間機としては、この方式のノウハウを多く保有するベルがBA609を開発、初飛行に成功している。アメリカではほかに、シコルスキーが[[シコルスキー Xウイング|S-72]]という機体を開発している。Xウイングともよばれるこの機体はヘリコプターと固定翼機のあいのこといった機体であり、ヘリコプターとほぼ同様の形で垂直離着陸を行った。また、ボーイングが開発した[[X-50 (航空機)|X-50]]もこれに近い形を取った航空機であるが、カナード・ローター/ウィング(CRW) という形式を取っている。
 
1960年代には、フランスが[[ミラージュIII (戦闘機)|ミラージュIII]]を基にして、[[ミラージュIII V (航空機)|ミラージュIII V]][[バルザック V (航空機)|バルザック V]]という機体を開発した。この機体は音速飛行が可能であり、水平飛行でマッハ1.3という速度を出すことができた。同機体は1966年3月に垂直離陸から水平飛行への移行に成功した。しかし水平飛行用と垂直上昇用に別のエンジンを用い、かつ垂直上昇用エンジンを8基搭載するという、極めて実用性に乏しい機体であり、あくまで試験機であり、実用化はされていない。
 
[[File:Ling-Temco-Vought XC-142A.jpg|thumb|right|200px|世界初の4発垂直離着陸機、[[ティルトウィング]]式の[[XC-142|XC-142 (航空機)|XC-142]]。]]
同じ頃、アメリカでは[[XC-142 (航空機)|XC-142]]という機体も開発されているが、試作された5機は全て事故を起こしている。