「ワカサギ」の版間の差分

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== 生態 ==
成長期に降海する[[回遊|遡河回遊]]型(両側回遊型)<ref>[http://www.fishexp.hro.or.jp/hatch/kenpo/64/p23_27.htm 網走湖産ワカサギ降海移動期の発育段階と栄養状態] 北海道立水産孵化場研究報告 第64号, 2010</ref>と、生涯を淡水で生活する河川残留型(陸封型)が存在する。なお、同一水域内でも降海型と残留型が存在することが[[網走湖]]、[[小川原湖]]で報告されている<ref name="aquaculturesci.62.1"/>。遡河回遊型は孵化後降海するが、一定期間を[[汽水域]]で過ごす。従って、生息域は内湾(沿岸海域)、[[汽水域]]、[[河川]]、[[湖]]などである。産卵の為に河川を遡上する際は淡水順応を行わず、一気に遡上し、産卵、降海までを2時間程度で行っているとする研究がある<ref>[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.72.924 岩手県閉伊川における遡河回遊型ワカサギの回遊履歴] 日本水産学会誌 Vol.72 (2006) No.5 P924-926</ref>。
 
地域にもよるが産卵期は[[冬]]から[[春]]にかけてで、この時期になると大群をなして河川を遡り、淡水中の水草や枯れ木などに付着性の卵を産みつける。卵の直径は1mmほどで、1匹の産卵数は1000粒から2万粒<ref>[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.13.150 ワカサギの抱卵数に就いて] 日本水産学会誌 Vol.13 (1947-1948) No.4 P150-152</ref>にも達する。寿命は1年で、産卵わった親魚は死んでしまうが、[[北海道]]、[[野尻湖]]、[[仁科三湖]]など寒冷な地域では2年魚、3年魚も見られる。
 
[[食性]]は[[肉食性]]で、[[ケンミジンコ]]や[[ヨコエビ]]などの動物[[プランクトン]]や[[魚卵]]や[[稚魚]]などを[[捕食]]る。一方、魚食性の大型魚類([[オオクチバス]]、[[コクチバス]]、[[ニジマス]]、[[ヒメマス]]など)や水辺を生息域とする[[サギ]]など鳥類に捕食されている。
一方、魚食性の大型魚類([[オオクチバス]]、[[コクチバス]]、[[ニジマス]]、[[ヒメマス]]など)や水辺を生息域とする[[サギ]]など鳥類に捕食されている。
 
[[富栄養化]]などの[[水質汚濁]]に対する適応力が高く、そのような湖沼でふつうに見られる。水質良好であることを表現する意図で「ワカサギが棲める○○湖(沼)」といった解説がなされることがあるが、むしろ「ワカサギしか棲めない」とみる方が妥当な場合もある。
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=== 漁・釣り ===
[[ファイル:Ice fishing on Ōnuma 001.jpg|thumb|ワカサギの穴釣り([[群馬県]][[前橋市]][[大沼 (赤城山)|大沼]])]]
冬期(10月から3月程度)が漁期で、[[釣り]]や[[刺し網]]、[[地引網]]、氷上の[[穴釣り]]などで多く漁獲される。特に脂が乗る旬は、[[桃の節句]]の前後という。ワカサギは一年中釣れる。
特に脂が乗る旬は、[[桃の節句]]の前後という。ワカサギは一年中釣れる。
 
一本釣りまたは、サビキ釣りで釣られる。胴突きの[[サビキ]]を用いた釣り方が主流になりつつある。餌は、[[蛆|サシ]]か[[赤虫]]がよく使われる。
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=== 料理 ===
成長した親魚では骨が太くて硬いが、小ぶりなものは骨も細くて柔らかく、丸ごと食べられる。鮮度が悪くなると腹が破れやすい。味が繊細なため味付けを薄めにする事がある。[[天ぷら]]、[[フライ (料理)|フライ]]、[[から揚げ]]、[[マリネ]]、[[南蛮漬け]]などの揚げ物のほか、[[佃煮]]・[[甘露煮]]にして保存食ともする。新鮮なものは[[刺身]]でも食べられる。イギリスでは、ワカサギの唐揚げをWhitebaitまたはBlanchbait(商品名)として親しまれている。Whitebait は、他の魚の稚魚の料理も指す事もある。
イギリスでは、ワカサギの唐揚げをWhitebaitまたはBlanchbait(商品名)として親しまれている。Whitebait は、他の魚の稚魚の料理も指す事もある。
 
== 脚注 ==
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<references />