「二重音字」の版間の差分

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'''二重音字'''(にじゅうおんじ)または'''二重字'''(にじゅうじ)とは、[[アルファベット]]2字を組み合わせることで、それぞれの字が持っていなかった新たな音を示すことである。しばしば、二重音字によってのみ表記可能な発音([[音素]])がある。同じ字を2つ重ねたとき、1字の場合と発音が変わらない場合、発音が長くないし強くなる場合、発音が変化する場合(無声化など)がある。ヨーロッパでは特に西欧の言語に多く見られ、[[スラヴ語派|スラヴ系言語]]ではあまり見られない。
 
== ゲルマン系言語 ==
===イタリア ===
*子音の二重音字の例
**ch - ''ch''ange {{ipaxl|ʧ|tS}}, ''ch''aracter {{ipa|k}}
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**ou - ''ou''t {{ipa|aʊ}}, ought {{ipax|ɔː|O:}}, mysteri''ou''s {{ipax|ə|@}} y''ou'' {{ipa|uː}}, y''ou''ng {{ipax|ʌ|V}}, s''ou''l {{ipa|oʊ}}
**ow - b''ow''l {{ipa|əʊ}}, b''ow''er {{ipa|aʊ}}
=== ドイツ語 ===
 
==ドイツ語==
*子音の二重音字の例
**ch - Ba''ch'' {{ipa|x}}, Bä''ch''lein {{ipax|ç|C}}; ''Ch''or {{ipa|k}}(ギリシア系の語で)
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**ie - S''ie'' {{ipa|iː}}
 
== 系言 ==
===ポーラン ===
*子音の二重音字の例
**ch - ''ch''ien {{ipax|ʃ|S}}
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**œu - ''œu''vre {{ipax|œ|9}}
**ou - ''où'' {{ipa|u}}, ''ou''i {{ipa|w}}
{{IPA|u}} 音および {{IPA|w}} 音を ou の2字で表す手法は、[[アラビア語]]のローマ字表記や、アフリカなどのフランス語通用圏における地名や人名の表記などにも、広く使われている。例えば、Ouagadougou ([[ワガドゥグー]])などがある。
 
==ハンガ= イタ ===
{{IPA|u}} 音および {{IPA|w}} 音を ou の2字で表す手法は、[[アラビア語]]のローマ字表記や、アフリカなどのフランス語通用圏における地名や人名の表記などにも、広く使われている。
例として、Ouagadougou ([[ワガドゥグー]])など。
 
==他のラテン系言語==
===イタリア語===
*ch, gh - それぞれ/k/, /g/ ([[ルーマニア語]]でも同じ。)
*gl - {{ipa|ʎ}} (i,eの前のみ)
*gn - {{ipa|ɲ}}
*sc - {{ipa|ʃ}} (i,eの前のみ)
=== スペイン語 ===
*ch - {{ipa|tʃ}}
*ll - 伝統的には{{ipa|ʎ}}と発音されるが、現代語では様々な音に変化している。詳しくは「[[ジェイスモ]]」を見よ。
*rr - {{ipa|r}} (巻き舌)
=== ポルトガル語 ===
*ch - {{ipa|ʃ}}
*lh - {{ipa|ʎ}}
*nh - {{ipa|ɲ}}
*rr - {{ipa|ʁ}}、ブラジルでは{{ipa|χ}}、{{ipa|h}}とも。
 
==スラヴ系言語==
===クロアチア スラヴ系言= ==
==他の= ポー系言 ===
*lj - {{ipa|ʎ}}
*njch - {{ipa|ɲx}}
*dž - {{ipa|dʒ}}
===ポーランド語===
以下全て2文字と見なす。
*ch - {{ipa|x}} ([[チェコ語]]でも同じだが、ポーランド語と異なり、1文字と見なす。)
*cz - {{ipa|tʃ}}
*dz - {{ipa|dz}}
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*rz - {{ipa|ʒ}}
*sz - {{ipa|ʃ}}
==[[ケルト= クロアチア]] ===
*lj - {{ipa|ʎ}}
===[[ウェールズ語]]===
*nj - {{ipa|ɲ}}
*dž - {{ipa|dʒ}}
 
===[[ ウェールズ語]]= ==
*ch = /χ/
*dd = /ð/
93 ⟶ 90行目:
*rh = /r̥/
*th = /θ/
 
==ハンガリー語==
== ハンガリー語 ==
*cs - {{ipa|tʃ}}
*gy - {{ipa|ɟ}}
*ly - {{ipa|j}}
*ny - {{ipa|ɲ}}
*sz - {{ipa|s}} (sは{{ipa|ʃ}}と読まれる。)
*ty - {{ipa|c}}
*zs - {{ipa|ʒ}}
*dz - {{ipa|dz}} (外来語音)
 
== アルバニア語 ==
*dh - {{ipa|ð}}
*gj - {{ipa|ɟ}}
*ll - {{ipa|ɫ}}
*nj - {{ipa|ɲ}}
*rr - {{ipa|r}} (巻き舌)
*sh - {{ipa|ʃ}}
*th - {{ipa|θ}}
113 ⟶ 112行目:
*zh - {{ipa|ʒ}}
 
== その他 ==
その他、西欧語の常識からは二重音字と見えにくいが、以下のような例も二重音字の例である。
これらはいずれも、西欧語には存在しない、ラテン文字1字では表現することが難しい音を、苦肉の策的に2字の組み字でなんとか表現しようとしたもので、本来は1字ずつに分けて発音することはできないものである。英語の '''sh''' を '''s''' と '''h''' に分けては発音できないのによく似ている。