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ジアゼパムは、母体となる[[ベンゾジアゼピン]]の開発者でもある[[レオ・スターンバック]]によって1950年代に開発された化合物である。スターンバックはこの功績により2005年、{{仮リンク|アメリカ発明者栄誉殿堂|en|National Inventors Hall of Fame}}に加えられている。ジアゼパムの[[CAS登録番号]]は439-14-5であり、[[IUPAC命名法]]では 7-chloro-1,3-dihydro-1-methyl-5-phenyl-2H-1,4-benzodiazepin-2-one となる。天然においても、[[ジャガイモ]]や[[タラゴン|エストラゴン]]にはごく微量のジアゼパムや{{仮リンク|テマゼパム|en|Temazepam}} が含まれている<ref>{{cite journal|journal=Biochem. Biophys. Res. Commun. |date=2000|volume=269|issue=1|pages=290-295 |title=Identification of benzodiazepines in ''Artemisia dracunculus'' and ''Solanum tuberosum'' rationalizing their endogenous formation in plant tissue|author=Kavvadias, D.; Abou-Mandour, A. A.; Czygan, F. C.; Beckmann, H.; Sand, P.; Riederer, P.; Schreier, P.|pmid=10694515|doi=10.1006/bbrc.2000.2283}}</ref><ref>{{cite journal|journal=Planta Med. |date=2008|volume=74|issue=5|pages=491-496 |title=Potato (''Solanum tuberosum'') juice exerts an anticonvulsant effect in mice through binding to GABA receptors|author=Muceniece, R.; Saleniece, K.; Krigere, L.; Rumaks, J.; Dzirkale, Z.; Mezhapuke, R.; Kviesis, J.; Mekss, P.; Klusa, V.; Schiöth, H. B.; Dambrova, M.|pmid=18543146|doi=10.1055/s-2008-1074495}}</ref>。
 
[[アメリカ合衆国]]において、1961年にジアゼパムが臨床応用されると、過量摂取による死亡事故が後を絶たなかった[[バルビツール酸系]]薬に対する最良の代替物であることが、直ちに判明した。ジアゼパムはバルビツールのように明らかな副作用を示さなかったので、すぐに慢性的な不安に対する処方として普及した。1962年から1982年までのアメリカで、最も売れた薬剤はジアゼパムである<ref name="Obituary">{{cite news|author=Sample, Ian |title=Leo Sternbach's Obituary|date=2005-10-03|publisher=The Guardian (Guardian Unlimited)|url=http://www.guardian.co.uk/society/2005/oct/03/health.guardianobituaries|accessdate=2009-11-26}}</ref>。
 
現在では、かつてのようにジアゼパムには副作用がないとは考えられなくなっている。薬物乱用のリスクが認識され、アメリカでのジアゼパムの使用量は1980年から1990年代の間にほぼ半減した。一方で、すでに古典的な薬物であるジアゼパムは、近年でも一部の[[錐体外路]]疾患の補助療法、小児の不安の治療(小児に適応のある数少ない精神安定剤でもある)、そして痙性麻痺の補助療法などに適応を広げつつある。