「ノルマンディー級戦艦」の版間の差分
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|装甲||舷側装甲帯:300mm(主装甲)、240mm(舷側上部)、180~130mm(艦首尾部)<br/>バーベット:284mm<br/> 50mm(上甲板)、50mm(下甲板))、70mm(主甲板傾斜部)<br/>砲塔:350mm(前盾)、250mm(側盾)<br/>副砲ケースメイト:160~180mm<br/>10mm+10mm+10mm(水線下多層防御)
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'''ノルマンディー級戦艦'''(ノルマンディーきゅうせんかん、Normandie classe battleship)は、[[フランス海軍]]の[[超弩級戦艦]]
== 概要 ==
フランス海軍において[[1912年]]3月30日付で成立した海軍法により、1922年までに戦艦及び巡洋戦艦計22隻を就役させることが決まった。[[第一次世界大戦]]前の[[1913年]]度計画において4隻と[[1914年]]度計画において1隻の計5隻の建造が決定した<ref>フランス戦艦史 瀬名堯彦 122</ref>。1番艦「ノルマンディー」と2番艦「ラングドック」はロアール社サン・ナゼール造船所に、3番艦「フランドル」はブレスト海軍工廠に、4番艦「ガスコーニュ」はロリアン工廠、5番艦「ベアルン」はメディテラネ社ラ・セーヌ造船所にそれぞれ発注されたが、第一次世界大戦開戦に伴い陸戦兵器の製造が優先されて本級は建造中断、戦後に建造続行されたものの、[[ワシントン海軍軍縮条約]]によってノルマンディー級4隻は建造中止・解体されることが決まり1922年4月に除籍して1923年から1924年にかけて解体業者に売却処分に遇されたが、工期が遅かった5番艦の[[ベアルン (空母)|ベアルン]]は船台をあけるために建造が継続され1920年4月に進水にこぎつけた。海軍は「ベアルン」の船体を用いて[[航空母艦]]として完成する事を決定したため1923年に建造再開され建造中にも航空艤装のテストが繰り返されて1928年にフランス海軍初の空母として完成した<ref>独仏伊 幻の航空母艦建造計画 瀬名堯彦 p28</ref>。
== 艦形 ==
[[File:Normandie
船体は船体の2/3まで船首楼が続く長船首楼型で艦首の乾舷は高く、本級の凌波性能が高いことをうかがわせる。クリッパー・バウ型の艦首甲板から艦首副砲のケースメイトが設けられて乾板一段分上がって、「1912年型34cm(45口径)砲」を「[[四連装砲塔]]」に納めて
艦橋後部には簡素なマストが建ち、その背後に1番煙突があり、艦載艇を吊り上げる二本のボート・ダビッドの基部も兼ねる。艦載艇は1番・2番煙突の周囲に並べられ、2番煙突の背後の船体中央部には
副砲は前級同様のケースメイト式配置で1番主砲塔下の甲板に片舷3基ずつ6門、船体中央部に片舷6基12門、3番主砲塔下に片舷3基6門の計24門である。そのほかに対空火器として4.7cm単装高角砲を2番煙突の側面に片舷2基ずつ計4基。水線下に45cm水中[[魚雷発射管]]を単装で6門を搭載した<ref>フランス戦艦史 瀬名堯彦 122~123</ref>。
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=== 主砲塔 ===
主砲は前級「[[プロヴァンス級戦艦|プロヴァンス級]]」に引き続き採用された「1912年型34cm(45口径)砲」である。この時代の戦艦の主砲塔には連装式砲塔が主流であり、一部で三連装砲塔が運用されていた。しかし、フランスはさらにその上を行く世界初の[[四連装砲塔]]の開発を決定した。
主砲火力の増大は戦艦にとって必須事項であったが、それは砲塔を多数配置すればよいというものではなかった。
そこで、フランスは四連装砲塔を考案した。同じ口径の砲で連装砲塔(約1,030トン)で4基8門と四連装砲塔
さらに本級では、この主砲塔を船体の前後中央部に間隔を開けて配置した。これは、砲塔の1基が被害を受けた時に、隣接されたもう1基も被害を受けにくくする工夫であった。俯仰能力は砲身を仰角18角から俯角5度まで自在に上下でき、どの角度でも装填が出来る自由角装填を採用した。
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== 機関 ==
[[File:Normandie Brassey's.png|thumb|left|200px|本級の武装・装甲配置を示した図。]]
重油・石炭混焼缶21基に直結タービン2基とVTE社レシプロ機関2基を組み合わせて4軸推進で最大出力32,000SHP、速力21ノット発揮する見込みであった。▼
機関は準弩級戦艦「[[ダントン級戦艦|ダントン級]]」から機関にタービン機関を採用し続けていたが、初期のタービンは燃料消費率が高く、大西洋での行動を考えた本級においては巡航用にレシプロ機関を採用することとした。理由としてこの時代の巡航用タービンは何処の国も総じて石炭消費量が多かったためである。同様の採用理由はアメリカ海軍超弩級戦艦「[[ニューヨーク級戦艦|ニューヨーク級]]」にも見られる。しかし、これは艦隊側から評判が良くなくノルマンディー級戦艦5番艦「[[ベアルン (空母)|ベアルン]]」からはレシプロ機関を止めタービン機関に戻す予定であった。▼
▲重油・石炭混焼缶21基に直結タービン2基と
== 防御 ==
[[File:Normandie class battleship midel section.svg|thumb|200px|本級の機関区防御を示した図。]]
防御方式はプロヴァンス級と同じく全体防御方式を採用しており、水線部に艦首から艦尾部までの舷側全体に装甲が張られた。水線中央部の1番から3番主砲塔の間が最厚部で280mmから300mmの装甲が張られており、主装甲部より上は240mm装甲が貼られていた。主装甲から艦首・艦尾にかけては180mmから130mmである。当時の水雷防御として水線下の水密隔壁に30mm装甲板が張られた。
▲機関は準弩級戦艦「[[ダントン級戦艦|ダントン級]]」から機関にタービン機関を採用し続けていたが、大西洋での行動を考えて巡航用にレシプロ機関を採用することとした。理由としてこの時代の巡航用タービンは何処の国も総じて石炭消費量が多かったためである。同様の採用理由はアメリカ海軍超弩級戦艦「[[ニューヨーク級戦艦|ニューヨーク級]]」にも見られる。
主砲塔の前盾には340mmから250mmもの装甲が張られ、バーベット部も284mmである。甲板部の水平防御は日露戦争時の戦訓を取り入れて三層全ての甲板に装甲が施され、船首楼甲板:30mm、第一甲板:40mm、主防御甲板は最上甲板に40mm~50mmと主甲板の平坦部に50~60mmで傾斜部は70mmである。水線下防御は舷側バルジからのばされた二重底で舷側から約3mはなれた箇所に10mm装甲板を3枚重ねた水雷防御隔壁が貼られた<ref>フランス戦艦史 瀬名堯彦 123</ref>。
== 改良案 ==
建造中にも設計変更案が次々と考案され、審議にかけられた。
主機を全基タービン機関とし新型ボイラー缶と組み合わせて出力80,000SHP・速力24ノットを発揮させる高速戦艦案や。ドイツのUボート対策に幅1mのバルジを追加する案、主砲塔の仰角を上げて射程を25,000mまで延伸させ
これらのアイディアは無駄になったわけではなく、[[戦間期]]に既存戦艦の近代化改装案として実用化されたものもあった。
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*[[フランス海軍艦艇一覧]]
*[[戦艦一覧]]
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 参考図書 ==
{{Commonscat|Normandie class battleship}}
* 「世界の艦船増刊第38集 フランス戦艦史」(海人社)
*「NF文庫 瀬名堯彦著 独仏伊 幻の航空母艦建造計画 知られざる欧州三国海軍の画策」(光人社)
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