「側室」の版間の差分

現在では側室を正室以外の「妻」と定義（『[[大辞泉]]』）される。正室とは異なり、高貴な男性の意思によって選ばれ寵愛を受けた女性である。時代によって（江戸時代中期以降）は、正室の位置づけが「家族の一員」であるのに対し、側室の位置づけは表向き「使用人」となっていった。この点で「本妻＝正室」が家族の一員であるのとは異なる。稀に側室であっても正室と同じく政略的理由によることもあり、正室（あるいは正室という名義）があてがったり、あらかじめ様々な条件の元に集められた候補女性内から選択であって、男性側の完全な自由意志によるものとは限らなかったが、殆どは、高貴な男性に選ばれる女性が多かった。例えば、大名は江戸参勤交代で江戸と国許を往復したが、正室を証人として江戸屋敷に残したのに対し、国許には側室を置き「御国御前（おくにごぜん）」と呼ばれ実質正室の待遇を受けていた。しかも側室は、正室と異なり、比較的自由に国許と江戸を行き来することが出来た。