「テオドリック (東ゴート王)」の版間の差分

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ディートリヒの伝説で最古のものである『[[ヒルデブラントの歌]]』は820年ころに記録されている。作中、ハドゥブラントは、父親の[[ヒルデブラント]]が、[[オドアケル]]の手から逃れるため、ディートリヒとともに東方に向かったことを語っている。このように、ディートリヒ自体はヒルデブラントの物語では背景的に名前が出てくる程度ではあるが、この時代の聞き手がディートリヒについて充分な知識を持っていたことが分かる。そして、作中ではディートリヒ(テオドリック)の宿敵が史実通りオドアケルになっているが、のちの伝説ではオドアケルの演じる役柄がエルマナリクにとって変えられている。なお、史実ではテオドリックがオドアケルに追放されたなどという事実はない。
 
『[[ニーベルンゲンの歌]]』において、ディートリヒは[[フン族]]の王・エッツエル(アッティラ)の宮廷で亡命生活をおくるという設定になっている。作中、ディートリヒは[[ブルグント族]]との戦争においてエッツエル側として参加するが、ヒルデブラントを除く家臣をことごとく戦死させてしまっている。最終的には、ブルグントの戦士・ハゲネとギュンターを[[一騎]]で打ち破り、捕虜にすることで戦争を終わらせる活躍をした。
 
[[スカンディナビア]]のサガはディートリヒの帰還を扱っている。最も有名なものは、13世紀にアイスランド人かあるいはノルウェー人の作者が[[ノルウェー語]]で編集した『[[シズレクのサガ]]』である。ここでは本来はディートリヒと無関係であったニーベルングや[[ヴェルンド]]の伝説を取り入れている。その他、レーク石碑に彫られた[[古エッダ]]や[[シズレクのサガ]]などにも登場している。