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'''珠算'''(しゅざん)とは[[そろばん]]を使った[[計算]]のことである。
 
珠算発祥地の[[中華人民共和国|中国]]が、珠算を2013年に[[ユネスコ]]の[[無形文化遺産]]に申請し登録された<ref>http://sankei.jp.msn.com/world/news/131206/chn13120613160004-n1.htm 中国の珠算も無形文化遺産に 日本型「ひし形5つ珠」"逆輸入"の可能性も</ref>。一般に手書きによる筆算は一の位から十・百・千・万と上位の桁数に上って計算を行うが、珠算では上位の桁から順次下方の桁に降りて計算を行う。
 
一般に手書きによる筆算は一の位から十・百・千・万と上位の桁数に上って計算を行うが、珠算では上位の桁から順次下方の桁に降りて計算を行う。
 
==珠算の計算方法==
そろばんには歴史的にいくつかの種類があるが、一般に珠算に用いられるのは縦一列に5つの珠が並んでいるものが用いられる。以下、一般的な珠算による計算方法を説明する。珠算においては、縦の1列が十進法の1つの桁を表すことになる。特定の場所を自分で任意に指定しその部分を一の位として扱い、その左側の列を順に十の位、百の位と上記の位をあらわすものとして扱い一の位より右側は小数点以下第一位、第二位と右に行くにつれてより下位の位を表すことになる。
 
それぞれの位はゼロを表すときには上部に区切られた1つの珠が上に、その他の4つの珠が下に下げられ区切りの上下ひと珠分の空間が生じるように位置させる。モーションとしてはそろばん全体を手前が下になるように傾けて全ての珠が下におりるようにした上でそろばんを平らに戻し、人差し指を各桁の一番上の1つの珠が上奥に位置するように左側から右へ区切りと並行に横に動かすことになる。すべての位がゼロを表現している状態が基本位置で、これに戻すことが[[電卓]]でいうところのオールクリアの操作となる。
珠算においては、縦の1列が十進法の1つの桁を表すことになる。特定の場所を自分で任意に指定しその部分を一の位として扱い、その左側の列を順に十の位、百の位と上記の位をあらわすものとして扱い一の位より右側は小数点以下第一位、第二位と右に行くにつれてより下位の位を表すことになる。
 
単純な加算の場合には盤面上に最初の1つの値を表現し、それに順次加える値を足す操作を繰り返すこととなる。加算の際のプロセスは上位の位から計算されることを除けば筆算のプロセスと変わらない。例えば356+872を計算する場合にはまず基本位置に戻したそろばん上に356を表現し、上位から800を足すことで1156、70を足して1226、2を足して1228と順次盤面を動かしていくことになる。
それぞれの位はゼロを表すときには上部に区切られた1つの珠が上に、その他の4つの珠が下に下げられ区切りの上下ひと珠分の空間が生じるように位置させる。モーションとしてはそろばん全体を手前が下になるように傾けて全ての珠が下におりるようにした上でそろばんを平らに戻し、人差し指を各桁の一番上の1つの珠が上奥に位置するように左側から右へ区切りと並行に横に動かすことになる。すべての位がゼロを表現している状態が基本位置で、これに戻すことが電卓でいうところのオールクリアの操作となる。
 
単純な加算の場合には盤面上に最初の1つの値を表現し、それに順次加える値を足す操作を繰り返すこととなる。加算の際のプロセスは上位の位から計算されることを除けば筆算のプロセスと変わらない。例えば356+872を計算する場合にはまず基本位置に戻したそろばん上に356を表現し、上位から800を足すことで1156、70を足して1226、2を足して1228と順次盤面を動かしていくことになる。
 
 
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一番左から順に右になるよう操作していく。2値の和の結果がそのまま盤面に残っているため、引き続き順次値を加算していくことが可能である。帳簿等でいくつもの値を全て合計する場合には連続して計算できるため便利である。
一番左から順に右になるよう操作していく。
 
2値の和の結果がそのまま盤面に残っているため、引き続き順次値を加算していくことが可能である。帳簿等でいくつもの値を全て合計する場合には連続して計算できるため便利である。
 
== 珠算競技 ==
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*珠算競技の中心をなすもの。
*通常、一種目3分から10分程度で行われる(読上算は除く)。
*基本的にはそろばんを使って計算することが前提となっているが、[[暗算]]で計算してもよいことになっている。このことについて、「'''道具の使用が許可されているのに、暗算で計算するなんて損ではないか'''」と思うこともある。しかしそろばんを使う計算は手を動かす分、速さに限界があるため珠算式暗算でできる場合は暗算のほうが速くできる。このため、珠算選手は暗算でできる問題を積極的に暗算で計算することが多い。特に見取算、伝票算でその傾向が強い。さらに近年では、現実的に日本一を狙えるレベルに近い選手だと乗算や除算の問題もすべて暗算する。
 
==== 種目 ====
*'''乗算'''
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**[[開立法#珠算による開立法|開立]]([[立方根]]の計算)
*'''読上算'''
:検定試験では用いられないが珠算の大会などで恒例の種目。出題者が読み上げる数値(単位は円)を加減算する。
:計算対象とする数値の最上位の位の珠の位置に素早く指を動かすことが求められる。位取りの単位名を聞き終わるまで珠算を開始することはできず日本では通貨単位の円が読み上げられるまで数値の終了位置が確定しないため、[[電卓]]のように計算対象の数値を目視して順次入力する方法とは異なる。
:「'''願いましては・・・'''」「'''○○円なり、○○円なり・・・では'''」など独特の言い回しが用いられる。なお「'''願いましては・・・'''」を[[英語]]では「'''Starting with'''」と訳される。
 
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*通常、一種目3分程度で行われる(読上暗算は除く)。
*暗算で行う分、一般的に問題は珠算競技より桁数が少ない。
*当然だが、そろばんを使って計算してはいけない。
==== 種目 ====
*'''乗暗算'''