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[[イスタンブール]]は人口1300万人を抱え一大経済圏を形成し、またアジアとヨーロッパの境界という地理的な要因によって交通の要衝として栄える、イスラム圏最大級の[[世界都市]]である。そのイスタンブールにおいて都市形成に大きな影響を与えているのが、ヨーロッパとアジアを分断する全長約30kmの[[ボスポラス海峡]]であった。
 
この海峡には[[ボスポラス橋|第一ボスポラス大橋]]、[[ファーティフ・スルタン・メフメト橋]]という2本の道路橋や[[フェリー]]などの船舶があるものの、人口増加や経済発展に伴い深刻化するイスタンブルの交通事情のボトルネックとなっていた。そのため地下トンネルによって両岸を鉄道で結ぶ事で街の混雑緩和を図り、海峡で二分された街の一体化によって名実ともに“アジアとヨーロッパの結合点”として成長させる、トルコの国家を挙げての一大事業がマルマライであった。
 
計画自体は[[オスマン帝国]]時代の[[1860年]]に設計図が描かれて以降、何度も計画が立ち上がたものの、政治的あるいは技術的理由により頓挫した経緯を持ち、トルコ国内では“'''トルコ150年の夢'''”として国民の関心も高い<ref name="建設通信新聞">{{Cite news|author=|authorlink=|url=|title=ボスポラス横断トンネル、29日開通式典|newspaper = 建設通信新聞|publisher = 日刊建設通信新聞社|date = 2013年10月11日|accessdate = }}</ref>。
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[[2013年]][[8月4日]]に、試運転が始まり、トルコ共和国建国から90周年に当たる2013年[[10月29日]]に開業し、開業記念式典・開通式典には日本の[[安倍晋三]][[内閣総理大臣|首相]]も出席した<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131029/plc13102908410004-n1.htm 日-トルコ「友情のシンボルに」 首相、ボスポラス海峡横断地下鉄開通で祝辞]</ref>。
 
この完成によってイスタンブルでの公共交通の鉄道利用率が3.6%から27.7%に上昇し、[[東京]]の60%、[[ニューヨーク]]の31%に次いで世界第3位になるとされている。従前[[フェリー]]で30分かかっていた海峡間の移動は、4分に短縮される<ref name="建設通信新聞" />。
 
2008年[[11月11日]]に[[現代ロテム]]はこのプロジェクト向けの車両の供給を5.8億[[ユーロ]]で契約したと公表した。現代ロテムは交通省<!--の General Directorate of Railways, Harbours & Airports-->が提示した440両の製造に関する競争入札において、[[アルストム]]、[[CAF (企業)|CAF]]と[[ボンバルディア]]・[[シーメンス]]・Nurolのコンソーシアムに勝利した。
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== 工事 ==
=== 遺跡の出土 ===
事業は2010年時点で、2年以上の遅れが発生していた。この遅れは海底トンネルのヨーロッパ側の終端予定地での[[東ローマ帝国|ビザンティン帝国]]時代の遺跡の発掘が大いに関係している。([[2005年]]に、4世紀の[[コンスタンティノープル]]の港「ポルトゥス・テオドシアクス(Portus Theodosiacus テオドシウス港)」の遺跡を掘り当てた<ref name="Julian157">Smith Julian, 前掲誌 p. 157.</ref>。)<!-- 歴史上これまでに発見された中で唯一のビザンチン様式の海軍艦艇らしきものの研究者による復元のため、建設計画がフルスピードで実施されることを妨げている。{{要出典|2008年8月}}<!--原文 Researchers are recovering what appears to be the only Byzantine naval vessel ever discovered, preventing the project from proceeding at full speed.-->さらに発掘により、[[アンフォラ]]を含む古器物加工品、陶器の欠片、貝殻、骨、馬の頭蓋骨、袋の中に入った9つの人間の頭蓋骨等、イスタンブルにおける定住の最古の証拠が掘り出され、紀元前5000年より前から人間がイスタンブルに住んでいたことが分かった<ref>Smith Julian, 前掲誌 p. 159.</ref>。<!-- 建設工事の遅れによりトルコ政府は1日あたり100万ドルの収入が減るが、政府はその遺跡を破壊する余裕がない。{{要出典|date=2008年8月}}-->
 
=== 工事中の地震対策 ===